こんにちは、早起きラガードです。
コロナ禍の影響で、いろいろと変更を余儀なくされている世界のサッカー界。
日本でも、国内3大タイトルの大会方式や賞金額などが変更されています。
ただ、こんなに変更点が多いと、
というのが良くわからなくなってきてしまいますよね。
そこで本記事では、日本サッカーの国内3大タイトルである
- J1リーグ
- ルヴァンカップ
- 天皇杯
について、コロナ禍による2020年の主な変更点について、まとめておきます。
特に天皇杯は、例年とはずいぶん違った姿になるので注意が必要です。
Jリーグの変更点
Jリーグの、コロナ禍による2020シーズンの主な変更点は、次の5つになっています。
- 昇格はあるが、降格はない
- J1参入プレーオフは実施しない
- 選手交代枠の5人への拡大
- 順位決定方式の変更
- 賞金の減額
なお、国内3大タイトルにカウントされているのは、正確には「Jリーグ」ではなく「J1リーグ」です。
ですが、昇格に関する事項などは、J2やJ3にも関係しますので、本記事ではあえて「J1リーグ」ではなく、J2、J3も含めた「Jリーグ」の表記しています。
昇格はあるが、降格はない
Jリーグの変更点で、最も注目されているのは昇格・降格についてですね。
2020年のJリーグは、昇格はあっても、降格はありません。
すなわち、J1、J2でどんなに成績が振るわなくても、残留が保証されている一方、J2、J3で好成績を残せば、上位リーグに昇格が可能となっています。
ただし、J2からJ1の昇格について、例年なら可能性が残るJ2 3位から6位のチについては、この変更の煽りを食っています。
それについては、次で説明します。
※なお、
という方は、「Jリーグの昇格と降格の仕組みはこうなっています。」という記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
J1参入プレーオフは実施しない
J1参入プレーオフとは、
J1 16位とJ2 3位から6位のクラブが、翌年のJ1参加を賭けて戦うプレーオフ
のことです。
これに勝つと、J1 16位にとっては残留、J2 3位から6位のクラブにとっては昇格が達成されることになります。
(こちらも「Jリーグの昇格と降格の仕組みはこうなっています。」 で詳しく紹介しています)
こちらも、2020年シーズンは実施しません。
「降格なし」なので、ある意味当然の対応と言えるかもしれませんが、昇格を目指すJ2のクラブにとっては、例年より少々条件が厳しくなっていると言えます。
例年なら、6位以上のクラブにJ1昇格の可能性があったのに、今季は2位以上にならないと昇格はないわけですからね。
なお、
と思う方もいるかもしれませんが、過去の実績を見る限り、この手のプレーオフでJ1のクラブは、決して圧倒的ではありません。
意外と、負けていたりします。
そのあたりの事情については「J1の椅子を巡るプレーオフで、J1は圧倒的ではありません【歴史的事実】」という記事で紹介しています。
選手交代枠の5人への拡大
サッカーの選手交代は、通常3人までです。
それが今シーズンは、5人に拡大されています。
ただし、交代の回数にはハーフタイムを除いて3回までという制限が設けられているため、1人ずつ5回交代するというようなことはできません。
交代枠5人を使い切りたい場合は、どこかで2人以上を一度に交代する必要があります。
順位決定方式の変更
ここはちょっと細かい話になります。
Jリーグの順位決定が、
- 勝ち点
- 得失点差
の順に優先されることは、ご存知の方も多いと思います。
ただ、「勝ち点」「得失点」ともに同数となるケースももちろん存在し、その場合の順位決定方式についても定められています。
2020シーズンは、コロナ禍によってこの方式も変更。
具体的には、次の通りとなっています。
勝ち点、得失点ともに同数だった場合の順位決定方式
優先順位 | 変更前 | 変更後 |
1 | 全試合の総得点 | 該当するJクラブ間の対戦成績 (イ:勝点、ロ:得失点差、ハ:総得点数) ※ただし、ホーム&アウェイの2試合を実施済みの場合のみ |
2 | 該当するJクラブ間の対戦成績 (イ:勝点、ロ:得失点差、ハ:総得点数) |
全試合の勝利数 |
3 | 全試合の反則ポイント | 全試合の総得点 |
4 | 抽選 | 全試合の反則ポイント |
5 | ‐ | 抽選 |
※Jクラブとは、Jリーグ(J1、J2、J3)に参加しているクラブのことです。
変更点は、次の3つです。
- 「全試合の総得点」が1位から3位へ
- 「該当クラブ間の対戦成績」が2位から1位へ
- 「全試合勝利数」が2位に追加
賞金の減額
Jリーグでは、順位に応じて賞金が支給されます。
- J1、J2:3位まで
- J3 :2位まで
2020年のJリーグは、コロナ禍によりこれらの賞金がすべて半額となっています。
変更前 | 変更後 | ||
J1 | 優勝 | 3億円 | 1.5億円 |
2位 | 1.2億円 | 6千万円 | |
3位 | 6千万円 | 3千万円 | |
J2 | 優勝 | 2千万円 | 1千万円 |
2位 | 1千万円 | 500万円 | |
3位 | 500万円 | 250万円 | |
J3 | 優勝 | 500万円 | 250万円 |
2位 | 250万円 | 125万円 |
なお、減額された分の賞金は、試合開催関連の補填に使われることが発表されています。
ルヴァンカップの変更点
ルヴァンカップの主な変更点は、次の4つです。
- ホーム&アウェー2回戦制を、1回戦制へ
- プレーオフステージの取りやめ
- 選手交代枠の5人への拡大
- 賞金の減額
このうち、3つ目の「選手交代枠の5人への拡大」は、Jリーグのケースと同じなので、ここでの詳しい説明は割愛します。
※通常時のルヴァンカップの大会方式については、「ルヴァンカップってどんな大会? 大会方式と放送・配信についてもご紹介します【Jリーグカップ】」という記事で紹介しています。
ルヴァンカップのことをあまりよく知らない、という方は、参考にしてみてください。
ホーム&アウェー2回戦制を、1回戦制へ
通常時のルヴァンカップは、決勝戦を除いてホーム&アウェーの2回戦制が採用されています(決勝戦は、中立地の1回戦制)。
グループステージ、プレーオフステージ、プライムステージのいずれにおいても、(決勝戦以外は)同じクラブと2度対戦するイメージですね。
2020年は、これらがすべて1回戦制に変更となっています。
つまり、プライムステージ(決勝トーナメント)では、同じクラブとの対戦は1回だけ。一発勝負で決着が付くことになっています。
プレーオフステージの取りやめ
通常時のルヴァンカップには、
- グループステージ
- プレーオフステージ
- プライムステージ
という、3つのステージがあります。
プレーオフステージは、グループステージにおける各グループ上位2クラブが、プライムステージ進出をかけて戦うステージなのですが、2020年シーズンは取りやめ。
グループステージの各グループ1位のクラブが、そのままプライムステージに進出する形に変更されています。
賞金の減額
Jリーグ同様ルヴァンカップも、2020年は賞金が半額となっています。
変更前 | 変更後 | |
優勝 | 1.5億円 | 7.5千万円 |
2位 | 5千万円 | 2.5千万円 |
3位 | 2千万円 | 1千万円 |
天皇杯の変更点
天皇杯の、主な変更点は次の3つです。
- Jクラブの出場数の大幅減
- Jクラブの出場時期
- 賞金の減額
本記事の最初の方でも紹介した通り、2020年の天皇杯は他の2大会と比較して、随分様子の違ったものとなります。
という方は、「【サッカー】天皇杯ってどんな大会? 大会方式や優勝特典についてご紹介します【ACL出場権】」という記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
Jクラブの出場数の大幅減
天皇杯の出場チームは、通常88。
これが2020年は、52チームに減ります。
具体的には、以下の通り。
天皇杯の出場チーム数
従来 | 2020年 | |
都道府県代表 | 47 | 47 |
アマチュアシード | 1 | 1 |
J1 | 18 | 2 |
J2 | 22 | 1 |
J3 | ‐ | 1 |
大きく減少しているのはJ1とJ2のチームで、
- J1の出場チーム:18 → 2
- J2の出場チーム:22 → 1
となっています。
出場チーム数は減っているのですが、これ自体はコロナ禍によってリーグ戦が過密日程になってしまうJクラブへの救済措置です。
天皇杯も、リーグ戦と並行して実施する時期がありますからね。
なお、どのクラブが出場するか、については、
- J1 :上位2クラブ
- J2、J3:優勝クラブ
となっています。
Jクラブの出場時期
天皇杯の大会方式は、1回戦制のノックアウト方式。
これ自体に変更はありません。
ただし、Jクラブの出場時期が例年と違います。
従来 | 2020年 | |
J1 | 2回戦から | 準決勝から |
J2 | 2回戦から | 準々決勝から |
J3 | 予選から | 準々決勝から |
出場チーム数が減る代わりに、大会出場時期がかなり後ろ倒しとなります(リーグ戦の全日程が終了してからの出場)。
J1のチームは、準決勝からの出場ですからね。
2回勝つだけで、タイトルが獲得できてしまいます。
賞金の減額
他の2大会同様、天皇杯も2020年は賞金の減額があります。
ただ、他の2大会と違って、1位と2位は半額にはなっていません。
変更前 | 変更後 | |
優勝 | 1.5億円 | 1億円 |
2位 | 5千万円 | 3千万円 |
3位 | 2千万円 | 1千万円 |
元日決勝は継続
天皇杯といえば、「元日決勝」。
正月の風物詩と言われることもありますが、これについては2020年シーズンも変更はありません。
天皇杯決勝は、2021年1月1日開催。場所は国立競技場です。
国内3大タイトル2020年の変更点:まとめ
本記事では、コロナ禍による国内3大タイトルの、2020年の主な変更点についてご紹介しました。
大きく変化があるのは、J1、J2のクラブにとっての天皇杯で、ほとんどのクラブが出場すらできない大会になってしまっています。
ただ、出場できた場合は、
- J2は準々決勝から
- J1は準決勝から
と優遇されているので、タイトル獲得の可能性が高くなります。
特に、J1のクラブは2回勝てば優勝なので、おいしいですね。
また、出場できなかったJ1のクラブについても、リーグ戦で4位になればACL出場権が回ってくる可能性が高いというメリットがあります。
どうしてそうなるかというと、天皇杯に出場するJ1のクラブが、既にACL出場権を獲得している1位と2位のクラブであり、どちらかが天皇杯も優勝する可能性が高いためです。
この説明にピンとこない方は、ACL出場権について「ACL、日本の出場枠は? どのクラブに出場権が与えられるかについても説明します。」という記事で説明していますので、ぜひ一読してみてください。
今回は、以上です。