本記事では、サッカーのルヴァンカップについて紹介します。
- ルヴァンカップとは
- ルヴァンカップの大会方式
- ルヴァンカップの放送・配信
詳しく、ご紹介していきます。
ルヴァンカップとは
ルヴァンカップの正式名称は、「JリーグYBCルヴァンカップ」。
Jリーグが主催する「リーグカップ」で、日本サッカーの「国内3大タイトル」の1つです。
- J1リーグ
- 天皇杯
- ルヴァンカップ
なお、NHKなどでは「Jリーグカップ」と呼ばれています。
※サッカーの国内3大タイトルについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【サッカー】国内3大タイトルの重要度を紹介【最も重要なのは?】
ルヴァンカップの出場資格
ルヴァンカップの出場資格は、過去何度か変更が行われています。
主な違いはJ2のチームの出場についてで、年によってJ2の全チームが出場したり、反対にJ2からはまったく出場資格がなかったりしていました。
2018年以降は、
- J1リーグの全チーム
- 前年にJ2降格したチームのうち、1~2チーム
となっています。
J2降格チームの参加数に幅があるのは、ACLプレーオフの敗退チーム数によって変動があるためです。
具体的には、
- 敗退チームが0の場合 → 2チーム
- 敗退チームが1の場合 → 1チーム
となります。
ACL敗退チームが0だった2019年を例にとると、
- 柏レイソル (前年J1 17位で降格)
- V・ファーレン長崎 (前年J1 18位で降格)
の2チームがJ2からルヴァンカップに出場しました。
なお、2020年、2021年はコロナ禍の影響で、
- J2のチームは大会途中で参加取りやめ(2020年)
- 初めから参加なし(2021年)
となりました。
ルヴァンカップの開催期間
ルヴァンカップは、Jリーグ(リーグ戦)とほぼ同じ2~3月に開幕し、Jリーグ(リーグ戦)より1ヶ月ほど早く、10月半ば~11月初めに終了します。
決勝以外の試合は、平日に開催されることが多いです。
平日開催は観客動員の面で不利なのですが、週末はJリーグ(リーグ戦)があるため、平日に試合をせざるを得ません(これは、他のカップ戦でも同様です)。
ただ、さすがに決勝だけは休日開催です。
その週は、J1リーグの方が休みとなります。
天皇杯との違い
同じ国内3大タイトルの1つであり、カップ戦でもある天皇杯との1番の違いは、出場資格です。
ルヴァンカップの出場資格は、既に書いた通り「J1全チームと、J2の一部チーム」に限定されています。
一方、天皇杯にはそうした限定がありません。
天皇杯は「オープンカップ」と呼ばれるカップ戦で、J2、J3はもちろん、社会人チームや大学生チームなど、アマチュアチームも参加が可能です。
もう少し正確に言うと、「日本サッカー協会に第1種登録されているチームなら、出場可能」ということになります。
優勝賞金と特典
ルヴァンカップでは、3位まで賞金が出ます。
- 優勝:1.5億円
- 2位 :5千万円
- 3位 :2千万円
ルヴァンカップは3位決定戦を実施しないため、3位の賞金額は「準決勝敗退の2チームそれぞれに与えられる賞金の額」となります。
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ACLの出場権は与えられない
ルヴァンカップは、ACL出場権とは無関係の大会です。
そのため、たとえ優勝したとしてもACL出場権は与えられません。
その代わり、と言っては何ですが、優勝チームには「Jリーグカップ/コパ・スダメリカーナ王者決定戦」への出場権が与えられます。
ACL出場権については、「ACL、日本の出場枠は? 出場権が与えられるのはどんなクラブ?」という記事で詳しく紹介しています。
ルヴァンカップの大会方式
ルヴァンカップには、次の3つのステージが存在します。
- グループステージ
- プレーオフステージ
- プライムステージ
[icon class=icon-check]グループステージとプライムステージ
この2つのステージは、ワールドカップのような大会をイメージしていただければわかりやすいかと思います。
- グループステージ → グループリーグ
- プライムステージ → 決勝トーナメント
という関係になります。
[icon class=icon-check]プレーオフステージ
こちらは、他の大会ではあまり見られない方式かもしれません。
「プレーオフ」という単語から、どんなステージなのかは何となく想像できるんじゃないかとは思いますが、
グループステージを突破したチームによって実施される、プライムステージ出場チーム決定戦
になります。
すなわち、ルヴァンカップとは、グループリーグを突破しただけでは決勝トーナメントに進めない大会なのです。
ACL本戦出場チームはプライムステージから参加
ルヴァンカップの出場資格が「J1全チームと、J2の一部チーム」であることは既に何度かご紹介しました。
しかしながら、出場全チームがグループステージからの参加になるわけではありません。
グループステージ、及びプレーオフステージを免除されているチームが存在します。
それが、ACL本戦出場チームです。
ACL本戦出場チームは、プライムステージ(決勝トーナメント)からの出場となります。
これは、ACL出場チームへの救済措置と考えておけばいいでしょう。
ACL本戦出場チームが、ルヴァンカップもグループステージから参加、となると、そのチームはかなりの試合数をこなさなければならなくなってしまいますからね。
この救済措置はあくまでACL本戦に出場したチームが対象です。
ACLプレーオフで敗退したチームには、この救済措置はありません。
他のチーム同様、グループステージからの参加となります。
グループステージ
ACL本戦出場チームがプライムステージからの参加となるため、グループステージ、プレーオフステージの勝ち残り条件は、ACL本戦出場チーム数によって微妙に変わります。
が、すべてを説明すると長くなりすぎるため、ここからは過去最も多い「ACL本戦出場が4チーム」のケースを例としてご紹介していきます。
グループステージのレギュレーションは、以下の通り。
参加 | ・ACL本戦出場を除く16チーム (J1 14チーム、J2 2チーム) |
方式 | ・出場16チームを、4チームずつ4グループに分ける ・グループ内でホーム&アウェー方式のリーグ戦を実施 ・各グループ上位2チームがプレーオフステージ進出 |
ここで出場16チームが、8チームに絞られます。
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プレーオフステージ
プレーオフステージのレギュレーションは、次の通りです。
参加 | ・各グループ1位と2位のチーム |
方式 | ・異なるグループの1位と2位が、ホーム&アウェー方式で対戦 ・2戦合計の得点数が多いチームが、プライムステージ進出 ・得点数が同じ場合はアウェーゴールルール適用 |
グループステージを勝ち抜いた8チームが、ここで4チームに絞られます。
プライムステージ
プライムステージからは、シードされていたACL本戦出場チームも参加します。
レギュレーションは、次の通り。
参加 | ・ACL本戦出場4チーム ・プレーオフステージを勝ち上がった4チーム |
方式 | ・ノックアウト方式のトーナメント ・準決勝まではホーム&アウェーの2回戦制 ・2戦合計の得点数が多いチームが勝者 ・得点数が同じ場合はアウェーゴールルール適用 ・決勝は中立地での1発勝負 |
基本はホーム&アウェーの2回戦制で実施されますが、決勝だけは中立地での一発勝負となります。
ルヴァンカップの決勝と言えば、国立競技場
「決勝は中立地」と紹介しましたが、ルヴァンカップの決勝と言えば国立競技場です。
実際、1998年から2013年までの16年間は、国立霞ヶ丘競技場(旧国立競技場)で決勝が行われていました。
2014年から2019年までは、新競技場建設のため国立開催はできませんでしたが、2020年度は再び国立競技場(新国立競技場)での開催に戻っています。
国立開催ではなかった2014年から2019年までの6年間は、埼玉スタジアム2002が決勝会場として使用されていました。
埼玉スタジアムは浦和レッズのホームスタジアムなので、厳密な意味での中立地ではないですが……
それを言い出すと、国内3大タイトルの決勝戦を行うのにふさわしい会場は、どこにもなくなってしまいますからね。
なお、ついでに付け加えておくと、浦和は埼玉スタジアムが決勝会場になっていた期間に1度だけ決勝に進出し(2016年)、優勝しています。
ルヴァンカップの名称変更や歴代優勝クラブなどの「歴史」については、こちらの記事で紹介しています。
ルヴァンカップの放送・配信
ルヴァンカップの放送・配信は、基本的に有料放送しかありません。
ただし、決勝だけはフジテレビ系列が地上波で生中継でやってくれるので、無料で視聴が可能です。
詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
>>ルヴァンカップの視聴方法は全部で6つ! 最も安い方法はこれ!
>>【ルヴァンカップ放送・配信】応援しているチームの試合だけを安く見る方法
なお、ルヴァンカップはDAZNでの配信はありませんのでご注意ください。
ルヴァンカップは狙い目の大会?
ルヴァンカップの特徴として、「初めてのタイトルがルヴァンカップ」というチームが多いというものがあります。
- ルヴァンカップ:8
- J1リーグ:6
- 天皇杯:5
上の表の通りで、初タイトルがルヴァンカップだった、というチームは、国内3大タイトルの中で最多。
具体的なチーム名は、
- 東京V(1992年)
- 清水(1996年)
- 柏(1999年)
- 浦和(2003年)
- FC東京(2004年)
- 千葉(2005年)
- 大分(2008年)
- C大阪(2017年)
となっています。
国内3大タイトルの1つなので、簡単に取れるわけではないのは間違いないですが……
とはいえ、まだタイトルを取ったことのないチームからすると、ルヴァンカップは狙い目の大会と言えるかもしれません。
ルヴァンカップってどんな大会?:まとめ
本記事では、日本サッカーの国内3大タイトルの1つである、ルヴァンカップについて紹介しました。
グループステージの後にプレーオフステージがあるのが、ルヴァンカップの特徴です。
「グループリーグ&決勝トーナメント」という方式を採用している大会の場合、「グループリーグを勝ち抜くと、すぐに決勝トーナメント」というケースがサッカーでは多いので、注意が必要です。
もっとも、ルヴァンカップのプレーオフステージも2017年に追加された方式ではあるんですけどね。
しかも、2017年のプレーオフステージは、現在とはまた少し違う方式で実施されていました。
現在と同じ方式になったのは、2018年からとなっています。
今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。