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天皇杯決勝が元日開催なのはなぜ? 理由は「明治神宮」にあった。

こんにちは、早起きラガードです。

日本の正月の風物詩の一つ、「天皇杯決勝」。

元日の午後、NHKで生中継されるこの試合は、サッカーファンでなくてもご存知の方は多いんじゃないかと思います。

しかし一方で、

サッカー好き
サッカー好き
でも、どうして天皇杯決勝って、わざわざ1月1日にやるんだろう?

と不思議に思ったことがある方も、いるんじゃないかと思います。別の日だって、サッカーはできますよね。

そこで今回はこの疑問を中心に、天皇杯決勝に関する話をいくつか、紹介していきたいと思います。

天皇杯決勝は、どうして元日?

いつから元日に決勝をやるようになった?

天皇杯決勝といえば、元日。元日といえば、天皇杯決勝。

この二つは、サッカーファンにとって切っても切り離せない関係です。天皇杯決勝のない正月なんて、物足りなくて仕方がありません。

でも、天皇杯は開始当初から元日に決勝をやっていたわけではないのですね。

決勝が初めて元日開催となったのは、1968年度に実施された第48回大会から。

それ以前の大会では、開催時期も決勝が行われる会場もバラバラでした。

どうして元日に決勝をやる事になった?

天皇杯決勝が元日開催となったのは、明治神宮への初詣客を取り込もうとしたためです。

1968年は、メキシコ五輪で日本が銅メダルを獲得した年に当たります。

サッカー人気はピークを迎えていたはずなのですが、どうも当時のサッカー協会幹部たちは、天皇杯決勝の集客に問題を感じていたようです。

そこで生まれたのが、

「元日の明治神宮には、250万人もの初詣客が参拝に訪れる。その1%でも、来場してもらえないか」

という発想。

明治神宮への初詣客を取り込もうとするなら、スタジアムも近くになければなりません。

そこで会場も明治神宮から目と鼻の先にある国立霞ヶ丘競技場(旧国立競技場)と決まり、1969年度以降も「元日・国立」のフォーマットが継続されることで、正月の風物詩として定着していきました。

天皇杯決勝が元日開催でないこともあった?

元日以外の決勝は、過去に2回

元日開催が始まった1968年度以降、天皇杯決勝と言えば長く「元日・国立」でしたが、常に元日開催だったわけではありません。

次の2回の大会では、元日以外の日に天皇杯決勝が行われました。

  • 第94回大会(2014年度)
  • 第98回大会(2018年度)

なお、この2つの大会は会場も国立霞ヶ丘競技場ではありませんでした。

第94回大会(2014年度)

第48回大会(1968年度)以降、47大会ぶりに元日に決勝が行われなかったのがこの第94回大会になります。

決勝戦が行われたのは、年明け前の2014年12月13日(土)。例年であれば、準決勝も終わっていない時期でした。

決勝が元日に行われなかった理由は、年明けすぐにAFCアジアカップという代表の大会が控えていたためでした。

アジアカップの開幕は2015年1月9日だったので、天皇杯決勝を例年通り元日に行ってしまうと、

  • 代表チームの準備期間が取れない
  • 天皇杯決勝に出場する代表選手の休みが取れない

などの問題があったのです。

長くサッカーを観てきた私ですが、元日以外の天皇杯決勝はこのときが初めてでした。

違和感は、かなりありましたね。年内の天皇杯決勝というのも変な感じでしたが、特に物足りなかったのが元日。

午後、テレビを付けても、いつもやっているはずのサッカーがやっていないのです。

決勝が既に終わってしまっていることは、もちろん知っていたのですが…… これには正月早々、寂しい思いをさせられました。

第98回大会(2018年度)

2度目の元日以外の開催となったのが、2018年度の第98回大会。

1度目から4年後ということで、勘のいい方ならお気付きのこととは思います。

理由は前回と同じ、AFCアジアカップが年明け早々2019年1月5日から開催されるためでした。

このときの決勝は、2018年12月9日(日)と、4年前よりもさらに早まりました。

これには、アジアカップ以外のもう一つの事情が関係しています。

当初の予定では、より正月に近い12月24日開催でした。

ただ、ACLで優勝し、12月に行われるクラブW杯への出場が決まっていた鹿島アントラーズが、天皇杯でも準決勝まで勝ち残っていたため、日程がさらに前倒しにされたでした。

※ちなみに準決勝は、決勝の4日前(12月5日)に行われています。これも当初の12月16日から前倒しにされた日程でした。

会場について

天皇杯決勝を象徴する「元日・国立」のうち、「元日」でなかったのは今のところ2014年度と2018年度の2回ですが、「国立」でなかった回数はもっと多いです。

下記の通り、2014年度(第94回)から2018年度(第98回)まで5回が、国立競技場以外の会場で行われました。

  • 2014年度(第94回):日産スタジアム
  • 2015年度(第95回):味の素スタジアム
  • 2016年度(第96回):吹田スタジアム
  • 2017年度(第97回):埼玉スタジアム
  • 2018年度(第98回):埼玉スタジアム

開催地が変更になった理由は、2020年の東京五輪に向けて、国立競技場の建て替えが行われたためです。

2019年度(第99回)の決勝は、新国立競技場で行われる最初のスポーツイベントとして、元日(2020年1月1日)に実施されることが決まっています。

まとめ:やっぱり、元日と言えば天皇杯決勝

天皇杯の元日決勝には、実は反対意見も多くあります。

その主な理由が、選手の休む期間が短くなる、というもの。

Jリーグは毎年12月上旬に終了し、多くのクラブはそこでシーズン終了となりますが、天皇杯に勝ち残っているクラブの場合、そこからさらに1ヶ月近く、活動を続けなければなりません。

選手の休む期間が短くなると、疲労の蓄積から怪我のリスクが高まりますから、好ましくないと考えられています。

確かに、選手のことを考えるとJリーグ終了する前に決勝が行われるのが理想なのかもしれませんが…… でもそれだとちょっと、物足りないんですよね。

サッカーファン
サッカーファン
既に何回か元日以外でやってるんだから、できるだろ!

という声もあるようですが、元日以外の開催があったからこそ、その物足りなさもよくわかりました。

選手のことを第一に考えるべきだ、というのはもちろんです。

しかし一方で、天皇杯決勝の元日開催がなくなってしまったら随分寂しいだろうなと思います。

今回は、以上です。