サッカー

【Jリーグ】昇格・降格の仕組みを徹底解説。順位以外の条件もある?

Jリーグには、シーズン終了時点の成績や、レギュラーシーズン終了後のプレーオフによって決まる、

  • 上位カテゴリへの昇格
  • 下位カテゴリへの降格

という制度が存在します。

カテゴリというのは、J1、J2、J3といった参加リーグのことですね(J1が最上位カテゴリ)。

ただ、この昇格や降格の条件、時々変更があったりもするので、Jリーグを見慣れている私のような人間でも、

「今どうなってるんだっけ?」

というのを確認したくなることがあります。

そこで本記事では現在の、

  • J1・J2間の昇格・降格
  • J2・J3間の昇格・降格

について、まとめました。

上位カテゴリへの昇格の場合、成績を満たしても昇格が認められないケースが存在するのですが、その点についても紹介しています。

この記事からわかること
  • J1・J2間は、毎年最大3チームが入れ替わる
  • J1・J2間では、プレーオフも実施される
  • J2・J3間は毎年最大2チームが入れ替わる

Jリーグの昇格と降格

Jリーグの昇格・降格について紹介する前に、まずはJリーグのカテゴリについて確認しておきましょう。

Jリーグは現在3部制を取っており、次の3つのカテゴリが存在しています。

  • J1リーグ
  • J2リーグ
  • J3リーグ

J1リーグが最上位カテゴリ(1部)で、以下2部、3部と続きます。

J1リーグは最上位カテゴリなので、J1からの昇格はありません。

一方、J3リーグも一番下のカテゴリなので、今のところJ3からの降格もありません。

どんなに成績が振るわなくても、J3リーグに留まることはできます。

※J1からアマチュアカテゴリであるJFLへの降格も、検討はされているようです。

将来的には、J3からの降格ということも発生するかもしれません。

J1・J2間の昇格・降格

では、J1とJ2、J2とJ3の昇格と降格を1つずつ見ていきましょう。

最初は、トップリーグであるJ1と、2部リーグであるJ2です。

J1とJ2の間では、毎年最大3チームの入れ替わりが発生します。

J1からJ2への降格が、最大3チーム。J2からJ1への昇格も同様で、最大3チームです。

ただし、「最大」という含みを持たせた表現にしていることからもおわかりかと思いますが、毎年必ず3チームが入れ替わる、というわけではありません。

年によって、2チームしか入れ替わらないこともありますし、1チーム以下になる可能性もあります。

どうしてそんなに曖昧なのかというと、次の2つの制度が存在しているためです。

  1. J1参入プレーオフ
  2. クラブライセンス制度

この2つの制度については、後ほどご紹介します。

J1昇格・J2降格の条件

J1・J2間には、最大3チームの入れ替わりが発生するとご紹介しました。

ただ、その3チームは、すべて同じ条件では入れ替わるわけではありません。

J1昇格・J2降格には、次の2つの枠が存在しているからです。

  1. 自動昇格(降格)枠
  2. プレーオフ枠

「1.自動昇格(降格)枠」については、詳しい説明はいらないでしょう。

その名の通り、自動的にJ1昇格(J2降格)が約束される枠です。

「2.プレーオフ枠」というのは、先ほど名前だけご紹介した「J1参入プレーオフ」に出場する枠です。

この枠に入った場合、無条件でJ1昇格・J2降格ということにはなりません。

昇格・降格は、プレーオフの結果次第ということになります。

実際には自動昇格枠に入っても、昇格できないケースが存在します。

クラブライセンスが関係している話なので、後ほど合わせてご紹介します。

自動枠かプレーオフ枠かは、順位によって決まる

自動昇格(降格)枠、プレーオフ枠のどちらに該当するかは、シーズン終了時点の順位で決まります。

具体的には、次の通り。

[icon class=icon-check] J1リーグ

最終順位
16位 プレーオフ
17位・18位 自動降格

[icon class=icon-check] J2リーグ

最終順位
1位・2位 自動昇格
3位~6位 プレーオフ

J1は全18チームですので、最下位(18位)と下から2番目(17位)の2チームが、自動でJ2に降格。

J2からは、1位と2位のチームが入れ替わりでJ1昇格となります。

一方、J1で下から3番目(16位)のチームと、J2の3位から6位までのチームは、J1参入プレーオフを戦うことになります。

J1参入プレーオフ

J1参入プレーオフとは、最大3つあるJ1・J2入れ替え枠のうち、最後の1枠を決める戦いです。

仕組みを簡単に説明すると、

  1. J2の3位から6位までのチームがトーナメント方式で対戦
  2. トーナメントを勝ち抜いたチームがJ1 16位と対戦し、勝った方がJ1昇格(残留)となる

というものになります。

J2のチームがプレーオフを勝ち抜いた場合、J1・J2間は3チームが入れ替わることになります。

(自動昇格枠2、プレーオフ枠1)

一方、J1 16位のチームが勝った場合は、そのチームがJ1残留となるため、J1・J2間は2チームの入れ替わりしか発生しません。

(自動昇格枠2のみ)

これが、J1とJ2の入れ替わりが「最大3チーム」である理由(のうちの1つ)です。

プレーオフを実施する理由

Jリーグは、次の3点を理由として挙げています。

  1. J2リーグ戦の活性化
  2. 新しいファンの開拓
  3. J2クラブの経営、環境改善の促進

要するに、J2中位のチームにモチベーションを与えて、リーグを最後まで盛り上げようということですね。

「3位には届かないけど、6位なら何とか行けるぞ!」

というチームは、この制度があることでシーズン終盤までJ1昇格の望みが持てるわけです。

ちなみにこのような昇格プレーオフは、Jリーグ独自の試みではありません。

欧州4大リーグに数えられるイングランドイタリアでも、採用されている方式となっています。

J2・J3間の昇格・降格

続いて、J2と3部リーグであるJ3の間の昇格と降格について紹介します。

J2・J3間は、毎年最大2チームの入れ替わりが発生します。

こちらもやはり、J1・J2間同様、毎年必ず2チームが入れ替わるわけではありません。

ただ、J2・J3間にはJ1参入プレーオフのような、昇格・降格に関わるプレーオフは存在しないため、「最大」の理由はクラブライセンス制度の存在のみとなっています。

J2昇格・J3降格の条件

J2・J3間は自動昇格(降格)枠のみであるため、条件はシンプルです。

[icon class=icon-check] J2リーグ

最終順位
21位・22位 自動降格

[icon class=icon-check] J3リーグ

最終順位
1位・2位 自動昇格

J2の定員は22チームですので、最下位(22位)と下から2番目(21位)のチームが、自動でJ3降格となります。

一方J3も、基本的には上位2チームが自動で昇格となります。

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クラブライセンス制度

ここまで、主に成績による各カテゴリ間の昇格・降格条件について紹介してきました。

ただ、既に何度かご紹介している通り、昇格・降格のチーム数は成績だけでは決まりません。

成績による条件を満たしていても、昇格が認められないケースが存在するからです。

その理由となるのが、「クラブライセンスの有無」です。

昇格には上位カテゴリのライセンスが必要

Jリーグでは2013年から、クラブライセンス制度という仕組みを導入しています。

これは、簡単に言うと各カテゴリのリーグ戦の参加資格で、これを取得していないチームは、そのカテゴリのリーグ戦に参加することができません。

J1リーグに参加するには、J1ライセンスを取得する必要があり、J2リーグに参加するには、J2ライセンスが必要になる、ということです。

上位カテゴリのライセンスがない場合の昇格は?

上位カテゴリのライセンスを取得していなければ、上位カテゴリのリーグ戦には参加できません。

すなわち、下位カテゴリで条件を満たす成績を残しても昇格できない、ということになります。

自動昇格はもちろん、J2の場合、J1参入プレーオフへの出場資格も与えられません。

上位カテゴリのライセンスを取得していなければ、昇格には一切関係なく、シーズンを終えることになるのです。

昇格の場合、順位の繰り上げは発生しない

上位カテゴリのライセンス未取得チームが成績による条件を満たした場合は、

その年のその枠が、条件を満たしたライセンス未取得チームの数だけ減る

ことになります。

J1ライセンス未取得のチームがJ2で優勝した場合を例にとると、

  • 自動昇格枠 :2 → 1
  • プレーオフ枠:変化なし

となり、2位のクラブだけが自動昇格。

3位から6位は通常通りプレーオフとなります。

また、J1ライセンス未取得のチームがJ2で3位だった場合は、

  • 自動昇格枠 :変化なし
  • プレーオフ枠:3位~6位 → 4位~6位

となり、3位のクラブを除いた、4位から6位のチームでプレーオフを実施することになります。

降格の場合は、順位の繰り下げが発生する

一方、上位カテゴリのライセンス未取得チームが自動昇格圏内(上位2位以内)でシーズンを終えた場合、降格枠が1つ減ります。

その場合、上位カテゴリでは順位が繰り下がることになります。

J1ライセンス未取得チームがJ2で優勝した場合、J1では、

  • 16位:プレーオフ参加 → 残留
  • 17位:自動降格 → プレーオフ参加
  • 18位:変化なし

となり、上位カテゴリのチームにとって大変ありがたい状況となります。

J1ライセンス未取得チームがプレーオフ枠(J2 3位~6位)になった場合は、J1参入プレーオフの参加チームが減るだけなので、J1の降格枠に影響はありません。

Jリーグの昇格と降格:まとめ

各カテゴリの、順位による基本的な昇格・降格条件をまとめておきます。

[icon class=icon-check] J1リーグ

最終順位
16位 プレーオフ
17位・18位 自動降格

[icon class=icon-check] J2リーグ

最終順位
1位・2位 自動昇格
3位~6位 プレーオフ

[icon class=icon-check] J2リーグ

最終順位
21位・22位 自動降格

[icon class=icon-check] J3リーグ

最終順位
1位・2位 自動昇格

これに加えて昇格には、上位カテゴリのライセンスが必要になります。

「そんなのどのクラブも当たり前の取得できてるのでは?」と思ってしまいそうですが、2018年にJ2 4位になった町田は、まさにこの条件に引っかかってJ1参入プレーオフに参加できませんでした。

時々話題になるケースなので、覚えておいて損はないと思います。

今回は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。