Jリーグ

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2011年】

こんにちは、早起きラガードです。
Jリーグは、開幕当初から見ています。

J1リーグの15位、16位、17位について、シーズンごとに見ています。

今回はその7回目。
取り上げるのは2011年です。

前回は、こちら

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2010年】こんにちは、早起きラガードです。 Jリーグは25年以上前から見ています。 運命の分かれ目、J1の15位、16位、17位について、...

3月5日開幕した、この年のJ1リーグ。

3月11日に東日本大震災が発生し、4月23日まで一ヶ月以上の中断を余儀なくされることとなりました。

この期間に行われる予定だった第2節から第6節は、第18節と第19節の間に実施されています。

そんな2011年の15位から17位のクラブには、次のような特徴が見られました。

  • 15位 真中に高い柱を一本立てた他は、ほとんど起伏なし
  • 16位 二本の柱を立てるものの、平時は低め
  • 17位 更地はあっても柱なし

詳しく見ていきます。

2011年のJ1残留争い

レギュレーション

16位 自動降格
17位 自動降格
18位 自動降格

降格にかかわるレギュレーションに、前年からの変更はありませんでした。

15位までが残留。16位、17位、18位が自動降格となっています。

※このレギュレーションだと16位と17位に違いありませんが、現在のレギュレーションでは違います(16位はJ1参入プレーオフに参加、17位は自動降格)。

そのため本記事では、16位と17位を別物として扱っています。

2011年J1の結果

順位 クラブ 勝ち点
15位 浦和 36
16位 甲府 33
17位 福岡 22

目を引くのは、何と言っても浦和ですね。

久しぶりに残留争いに巻き込まれています。

残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?

15位浦和

2011年浦和の順位と勝ち点の推移2011年の浦和は、基本的に15位付近をさまよっています

例外は、中盤16試合目以降。

ここで一時復調の兆しを見せ、19試合目には10位まで順位を上昇させます。

が、それも長続きせず。

21試合目から、停滞→緩やかな下降という線を描き始めると、16位に落ちた瞬間はあるものの、最後は残留ぎりぎりの15位で踏みとどまりました。

5試合ごとの成績を見ると、順位を上げていた16-20試合目に最も多くの勝ち点を稼いでいたことがわかります。

2011年浦和の5試合ごとの勝ち点中央に、高い柱が一本そびえていますね。

ただ、それ以外の期間にほとんど起伏はありません。どの期間も、ほぼ同じだけの勝ち点を稼いでいます。

前後半17試合ずつで獲得した勝ち点も、驚くべきことにまったく同じ。

2011年浦和の前半17試合と後半17試合の勝ち点

当然、偏りはありません。

以上の事実から見えてくる2011年15位の浦和は、一定のペースで勝ち点を積み上げつつ、中盤の好調期に一気に勝ち点を稼いだクラブ

目立った不調がなかったことも、15位の確保につながりました。

16位 甲府

2011年甲府の順位と勝ち点の推移2011年の甲府は、まるでそこが指定席であるかのように長く16位に留まっていたクラブでした。

12試合目から、1試合を除いてほぼずっと16位を維持し続けています。

そこから上がるわけでもなく、下がるわけでもない。起伏の乏しい、順位の推移です。

ただ、5試合ごとに獲得した勝ち点を見ると、決して平坦という訳ではありませんでした。

2011年甲府の5試合ごとの勝ち点リーグ前半と後半に、高い柱をしっかりと2本、築いています。

それ以外の期間に稼いだ勝ち点は、どこをとってもほぼ同じ

21-25試合目がわずかに多い4で、あとはすべて3です。

この「ペースの一様さ」は、15位浦和とも共通しています。

好調期を除いた時期のペースが一定であるということは、目立った不調がない、ということですから、決して悪いことではありません。

ただ、その基調となる勝ち点が、5試合で3をわずかに超える程度というのでは、かなり寂しい。15位浦和は、もう少し多いですからね。

以上の事実から見えてくる2011年16位の甲府は、柱は二本立てたものの、平熱は低め。その柱も、二桁の勝ち点には届きませんでした。

17位 福岡

2011年福岡の順位と勝ち点の推移2011年は、福岡にとって厳しいシーズンとなりました。

2試合目から31試合目まで、実に30試合に渡って、最下位に低迷

開幕からいきなり9連敗で、勝ち点0の状態が続きます。

10試合目にようやく一つ引き分けるも、そこからさらに3連敗。

13試合、勝ちなしの状態が続きました。

前年(2010年)の京都同様、最下位でないのが不思議なくらいの成績です。

後半17試合の方が多くの勝ち点を獲得できていますが……

巻き返しができるほどではありませんね。

2011年福岡の前半17試合と後半17試合の勝ち点

5試合単位で見ても、高い柱は一本もなし。

2011年福岡の5試合ごとの勝ち点

1-5試合目の更地と、それに匹敵する6-10試合目の鍋ぶたのような突起が、ひと際目を引きます。さすがにこれでは残留は難しいですね。

2011年17位の福岡は、更地はあっても柱なし

前半のつまずきを取り返す術がありませんでした。

まとめ:残留には平熱の高さも必要

2011年のJ1 15位、16位、17位には次のような特徴がありました。

  • 15位 浦和 真中に高い柱を一本立てた他は、ほとんど起伏なし
  • 16位 甲府 二本の柱を立てるものの、平時は低め
  • 17位 福岡 更地はあっても柱なし

柱の本数では16位甲府が15位浦和を上回っていたのですが、柱以外の期間に勝ち点を稼ぐペースで浦和に劣りました。

この結果から、残留には

一時的に高い勝ち点を獲得できる好調期を何回作り出すか

よりも、

常的に稼げる勝ち点をいかに増やすか

の方が重要、という事実が見えてきます。

リーグ戦は長丁場。シーズン通して勝ち点を稼ぐ力が必要、ということですね。

今回は、以上です。