こんにちは、早起きラガードです。
開幕当初から、Jリーグを見ています。
J1リーグの15位、16位、17位を2005年から追っています。
今回は、その14回目。
対象は2018年を取り上げます。
2018年のJ1 15位から17位のクラブには、次のような特徴がありました。
- 15位 安定感は欠いたものの、残留には成功
- 16位 得点力の乏しさで、プレーオフに回る
- 17位 最後まで波に乗れず
詳しく見ていきます。
2018年のJ1残留争い
レギュレーション
この年から、J1参入プレーオフが導入されました。
これにより、前年までは自動降格だった16位の扱いが、変更になっています。
16位 | J1参入プレーオフに参加 |
---|---|
17位 | 自動降格 |
18位 | 自動降格 |
2018年J1の結果
順位 | クラブ | 勝ち点 |
15位 | 名古屋 | 41 |
16位 | 磐田 | 41 |
17位 | 柏 | 39 |
名古屋と磐田の順位を分けたのは、得失点差です。
- 15位 名古屋 -7
- 16位 磐田 -13
ちなみにこの年は、12位横浜FMから16位磐田まで、5クラブが勝ち点41で並ぶという、珍しいシーズンでもありました。
なお、磐田もJ1参入プレーオフでは勝利を収めており、残留には成功しています。
残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?
15位 名古屋
9試合目から20試合目まで、12試合を連続で最下位で過ごしながら、残留に成功したこの年の名古屋。
勝ち点を稼いだ時期も、わかりやすく後半に偏っています。
前半17試合で獲得した勝ち点はわずかに10。しかし後半17試合では、その3倍強に当たる31を稼いでいます。
勝敗もまた極端で、4試合目から11試合目まで8連敗を喫していますが、18試合目から24試合目に今度は7連勝しています。
前半の不調から大逆転で残留を決めたクラブは過去にもありますが、1シーズンのうちにこれほど激しく連敗、連勝したクラブはなかったんじゃないかと思います。
5試合ごとに獲得した勝ち点で見ると、その状況はよくわかります。
6-10試合目、11-15試合目のようにほとんど勝ち点を稼げていない時期が続くかと思えば、16-20試合目、21-25試合目のように、大きく勝ち点を獲得している時期が連続することもある。
最終勝ち点41は、過去の15位クラブに引けを取らない十分な成績ではありますが…… 安定感があった、とは言い難いですね。
2018年の名古屋は、「安定感を欠いたものの、残留には成功」したクラブでした。
16位 磐田
勝ち点は同じ、得失点差で名古屋の後塵を拝すことになった磐田ですが、順位の推移だけみると、こちらの方が「15位らしい動き」をしているように思えます。
序盤こそ連敗して18位スタートとなりますが、3試合目から33試合目まで、1度も16位以下に落ちることなく残留圏をキープ。
シーズン残り1試合となった33試合目終了時点でも、13位にいます。
そこから一試合で16位まで順位を下げるのは、既に書いた通りこの年のちょっと特殊な状況があったためで、最終的には12位から16位までが同じ勝ち点で並ぶという僅差の戦いだったからでした。
残り2試合、磐田は連敗を喫してしまい、この接戦を勝ち抜くことができず。
勝ち点だけなら12位相当でありながら、J1参入プレーオフに回ることになります。
5試合ごとに見てみると、この年の磐田が実に好不調の波が小さいクラブであったことがわかります。
20試合目まで、5試合ごとに稼いだ勝ち点はきっちり7。
21試合目以降はやや調子を落とし、全体の水準が下がりますが、それでも4、5、4とほとんど浮き沈みがないままシーズンを終えています。
安定した成績を残していたと、言っていいでしょう。
最終的には41という、例年通りなら残留には十分な勝ち点も獲得しています。
磐田の敗因となったのは、得点の少なさ。
この年の磐田の総得点は、わずかに35。一試合平均ほぼ1で、18クラブ中17位でした。
つまり18年の磐田は、「得点力の乏しさで、プレーオフに回った」クラブなのでした。
17位 柏
2017年4位の柏にとって、2018年は悪夢のシーズンとなりました。
前半は、それほど悪くありません。前年4位のクラブだけあって、15試合目くらいまでは残留争いとは無縁の10位前後をキープしています。
雲行きが怪しくなり始めるのは、16試合目から。ここで4連敗を喫し、順位を15位まで下げました。
15位は、残留ギリギリのラインです。
ここから持ち直して順位を上げられれば良かったのですが、そうはなりませんでした。
その後も今ひとつ調子は上がらず。
勝ち負けを繰り返しながら、一時11位まで復帰したこともあるもののも、25試合目から4試合勝ちなしの状態が続き、ついに17位に転落します。
終盤、30試合目から3連敗。
これが致命傷となりました。
その後、維持の2連勝を見せますが、順位は17位のまま変わらず。終戦を迎えます。
5試合単位で見ると、この年の柏は好不調の波がそれほど大きくないことがわかります。
どの期間も、まあまあ勝ち点を稼げている。
17試合ごとの勝ち点にも、それはよく表れています。
前半17試合と後半17試合で、獲得した勝ち点はほとんど同じ。
安定感がある、と言えないこともないのですが、その水準が16位磐田と比較するとわずかに低い。
柏の最終勝ち点は39で、名古屋、磐田との差は2なのですが、その「わずかに低い」ところが、勝ち点2の差につながりました。
名古屋のように、勝ち点10以上稼いだ期間が一つでもあると違ったのかもしれませんが…… それもありませんでした。
この年の柏は、「最後まで波に残れず」シーズンを終えたクラブでした。
まとめ:残留には安定感だけでなく、どこかで大きく勝ち点を稼ぐ爆発力も必要
2018年のJ1 15位、16位、17位には次のような特徴がありました。
- 15位 名古屋 安定感は欠いたものの、残留には成功
- 16位 磐田 得点力の乏しさで、プレーオフに回る
- 17位 柏 最後まで波に乗れず
この年は、安定した成績を残していた磐田がプレーオフに回り、激しく調子を上下させた名古屋が無条件での残留に成功するという、一風変わったシーズンとなりました。
柏も、名古屋と比較すると安定した成績を残していたと言えます。
しかし結果は、自動降格。
安定感よりも、どこかで大きく勝ち点を稼ぐ爆発力の方が必要となったのが、2018年の残留争いでした。
今回は、以上です。