こんにちは、早起きラガードです。
Jリーグは、開幕初年度から追っています。
15位と16位、16位と17位で、大きく運命が分かれる現在のJ1リーグ。
過去のシーズンで、それぞれの順位に落ち着いたクラブの動向を見ています。
今回は、その11回目。
取り上げるのは2015年です。
前回はこちら。
2015年のJ1 15位から17位のクラブには、次のような特徴がありました。
- 15位 爆発力には欠けるものの、高めの勝ち点をコンスタントに稼いで残留に成功
- 16位 全体的に低調、好調期に稼いだ勝ち点も少なく、残留には遠い
- 17位 全体的に低調、好調期に稼いだ勝ち点も少なく、さらにその回数も少ない
詳しく見ていきます。
2015年のJ1残留争い
レギュレーション
16位 | 自動降格 |
---|---|
17位 | 自動降格 |
18位 | 自動降格 |
リーグ全体では、2ステージ制導入という大きな変化のあったシーズンでした。
ただ、降格にかかわるレギュレーションについては、前年度からの変更はありません。
15位までが、J1に残留。
16位、17位、18位が自動的にJ2降格となります。
※当時のレギュレーションだと、16位と17位はともに自動降格となり、違いはありません。しかしながら、現在のレギュレーションですと、
- 16位 J1参入プレーオフに出場
- 17位以下 自動で降格
と大きな違いがあるため、本記事では現在に合わせて16位と17位に違いがあるものとして見ていきます。
2015年J1の結果
順位 | クラブ | 勝ち点 |
15位 | 新潟 | 34 |
16位 | 松本 | 28 |
17位 | 清水 | 25 |
前年、クラブ史上初のJ1昇格を果たした松本ですが、1年でJ2に送り返されています。
また、オリジナル10の清水が17位でシーズンを終え、J2に降格することになりました。
残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?
15位新潟
最後は15位に落ち着いて残留を確保する新潟ですが、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
11試合目に17位に落ちると、19試合目まで浮上のきっかけをつかめず、17位と18位の間をふらふら。
この間9試合の成績は、3連敗と4連敗を1度ずつ含む、1勝1分7敗です。
折り返し地点の17試合目終了時点での順位は、降格まっしぐらの17位。
しかし、20、21試合目に連勝して持ち直すと、続く22試合目は引分けながら15位まで浮上し、以降一度も16位以下に落ちることなくシーズンを終えました。
この年の新潟で特徴的なのは、勝ち点の稼ぎ方。
大きく調子を落としていた11-15試合目以外は、コンスタントにほぼ勝ち点5以上を稼げています。
大きな柱はなく、期間最大の勝ち点は8に留まるものの、平均的に高めの勝ち点を獲得することができていました。
2015年の新潟は、爆発力には欠けるものの、高めの勝ち点をコンスタントに稼いで残留に成功したクラブでした。
16位松本
2015年が、クラブ史上初のJ1挑戦となった松本山雅FC。
12試合目までは奮闘し、激しく順位を上下させながらも15位以上を保ちます。
しかし、12試合目の9位をピークに、緩やかな下降を開始。
途中、小さく浮き上がることはあっても上昇気流に乗ることはなく、22試合目からは16位を維持し続けてシーズンを終えました。
順位からは、前半に粘りを見せていたような印象を受けますが、前後半で勝ち点の偏りはほとんどありません。
前半17試合の方が多くの勝ち点を稼いでいますが、その差はわずか。
5試合ごとの勝ち点を見ると、その理由がわかります。
一応、後半にも多めの勝ち点を稼いでいた時期があるのですね。
ただ、その好調期も含めて、勝ち点獲得のペースは全体的に低調です。
最も好調だった6-10試合目でも、勝ち点は7。
あとは勝ち点6の期間が一度あるだけで、残りはすべて勝ち点4以下です。
最終勝ち点28も、16位としては少なめ。これでは、さすがに残留は難しいでしょう。
2015年の松本は16位ながらも、全体的に低調、好調期に稼いだ勝ち点も少なく、残留には遠いクラブだったことがわかります。
17位清水
そのたびに、オリジナル10の意地を見せて踏みとどまってきましたが、この年ついにJ2降格の憂き目にあうことになってしまいました。
順位は、序盤からまったく振るいません。
6試合目に早くも16位に落ちると、そこから一度も降格圏を抜け出せずに終わりを迎えます。
5試合単位で見たときにわかるのは、目立って不調な時期はないが、目立って好調な時期もないという状況。
ほとんどの時期が勝ち点2~4の間に収まっており、変動は小さいです。
安定している、と言えば聞こえはいいですが、極めて低いレベルでの安定です。不調期がないのではなく、ほとんどの時期を不調のまま過ごしている、といった方が正しいのかもしれません。
この低調ぶりは、16位松本にも共通しています。松本もほとんどの時期で4以下の勝ち点しか獲得できていませんでした。
清水との違いは、勝ち点4を上回っていた期間の回数。
好調期、と呼んでもいいかもしれません。
清水はご覧の通り、11-15試合目がそれに当たります。
この時期に、勝ち点6を獲得。
好調期としては寂しい数字ですが、それでも他の時期よりは勝ち点は多めです。
一方松本は、6-10試合目と26-30試合目の2度、好調期がありました。
最終的な勝ち点は、16位松本が28、17位清水が25。
この好調期の回数差が、そのまま両者の差につながっています。
松本も16位としては勝ち点が少なく、調子のよいクラブだったわけではないのですが、清水はさらにそれを下回りました。
2015年の清水は全体的に低調、好調期に稼いだ勝ち点も少なく、さらにその回数も少ないという三重苦のクラブでした。
まとめ:残留に必要なのは、好調期を増やすよりも全体の底上げ
2015年のJ1 15位、16位、17位には次のような特徴がありました。
- 15位新潟 爆発力には欠けるものの、高めの勝ち点をコンスタントに稼いで残留に成功
- 16位松本 全体的に低調、好調期に稼いだ勝ち点も少なく、残留には遠い
- 17位清水 全体的に低調、好調期に稼いだ勝ち点も少なく、さらにその回数も少ない
この年は、15位新潟の安定ぶりが光りました。
好調期は一度しかありませんが、不調期も一度だけで、あとはコンスタントに高めの勝ち点を稼いでいます。
16位松本と17位清水の差は好調期の回数によるものでしたが、残留には好調な時期を増やすよりも、全体の底上げの方が必要になるのかもしれません。
15位新潟が、そのことをよく教えてくれていますね。
今回は、以上です。