Jリーグ

J2からJ1に昇格すると、観客動員数はこうなります【増加するとは限らない】

こんにちは、早起きラガードです。

Jリーグファン
Jリーグファン
J1からJ2に降格したとき、観客はどのくらい減るんだろう?

 

という疑問について、以前こちらの記事で紹介しました。

J2降格によって、観客動員数はこのくらい減りますこんにちは、早起きラガードです。 今回は、こんな疑問にお答えします。 詳しく、見ていきます。 J1からJ2...

今回は、その逆のパターン、

Jリーグファン2
Jリーグファン2
J2からJ1に昇格したら、観客はどのくらい増えるの?

 

という疑問について、お答えします。

なお、初めに1つお伝えしておくと、J2降格時と違い、J1昇格で観客は常に増えるわけではありません。減少したケースも、過去には存在しています。

詳しく、見ていきます。

この記事からわかること
  • J1昇格によって、観客はどのくらい増えるか
  • J1に復帰すると、観客動員は降格前の水準まで戻るのか

J2からJ1に昇格すると、観客はどのくらい増える?

対象とするJ1昇格クラブ

JリーグがJ1、J2の二部制になったのは1999年。そこから2018年までの間に、のべ52クラブがJ1昇格を果たしました。

このうち2018年昇格組はまだ2019シーズンを戦っている最中なので、観客動員数が定まっていません。

そこで本記事では、2018年組を除いた1999年から2017年までに昇格した50クラブを対象としたいと思います。

観客増加率

J2からJ1に昇格すると、1試合平均観客動員数は5,200人増えます

平均観客動員数
  • J1昇格直前の観客動員数: 9,897人
  • J1昇格直後の観客動員数:15,060人

増加率は49%

つまりJ1に昇格すると、1試合平均観客動員数は1.5倍になるわけですね。なかなかいい増え方だと思います。

増加率の上位5クラブは、次の通り。

  1. 2000年 FC東京:238%
  2. 2007年 横浜FC:174%
  3. 2002年 京都  :172%
  4. 2008年 京都  :106%
  5. 2014年 徳島  :104%

いずれも倍以上の増加を見せています。

FC東京、横浜FC、徳島も関してはいずれもこのときが初昇格でした。

横浜FCと徳島は残念ながら1年でJ2に降格してしまったのですが、「初めてのJ1」の期待感が観客数の増加に現れていますね。

一方、増加率下位の5クラブは次の通りとなりました。

  1. 2011年 甲府  :-2%
  2. 2012年 札幌  :15%
  3. 2011年 福岡  :18%
  4. 2014年 G大阪:20%
  5. 2008年 札幌  :20%

ひときわ目を引くのが、2011年の甲府。

せっかくJ1に昇格したというのに、1試合平均観客動員数が減ってしまっています。

  • 甲府 2010年(J2) 12,406人 → 2011年(J1)12,106人

他のクラブが、10%以上の増加を見せている中で、唯一の観客減。1999年から2017年までの18年間で、J1昇格によって観客が減ったクラブは他には存在しません。

ちなみに甲府は3度J1昇格を経験しており、このときは2度目の昇格でした。

最初と3度目の昇格時には、他のクラブ同様観客数は増えています。

甲府の最初と3度目の昇格
  • 2005年(J2)6,931人  → 2006年(J1) 12,213人
  • 2012年 (J2)10,407人 → 2007年(J2) 12,614人

甲府がいつもJ1昇格とともに観客動員数を減らしているわけではなく、減少はこのときだけの現象でした。

J1復帰によって、観客動員数は降格前の水準に戻るか

降格前の水準まで戻ったクラブは?

続いて、「J2降格によって減った観客は、J1に復帰することで元の水準に戻るのか」について見ていきたいと思います。

1999年から2017年までの18年間で、J1復帰経験があるのはのべ37クラブ。

このうちのべ24クラブが、J1復帰1年目で降格直前のシーズンを超える1試合平均観客動員数を記録しています。

37クラブ中24クラブですから、約65%のクラブがすぐに元の水準を取り戻していることになります。

この数字を多いと見るか、少ないと見るかは意見の分かれるところかもしれませんが、個人的には「こんなものだろうな」という印象です。

J1復帰1年目というのは、なかなか好成績が望めないですからね。そう簡単には、客足が戻らないのが現実だろうと思います。

まあ、例外的に昇格1年目でJ1優勝を果たしてしまったクラブも2つほどありますが……

実はその2クラブも、観客動員の面ではそれほどいい結果は残せていません。

J1復帰1年目で優勝したクラブの、観客動員

J1復帰1年目で優勝を果たしたクラブと言えば、次の2つ。

  • 2011年 柏
  • 2014年 G大阪

昇格クラブとして、これ以上ない成績です。

前年のJ2時代と比較した観客増加率は、次の通り。

前年(J2)からの観客増加率
  • 2011年 柏    :47%
  • 2014年 G大阪 :20%

G大阪の増加率が低めなのが気になるところですが、増えていることは増えています。

ところが、これがJ1復帰前との比較となると、違った状況が見えてくるのですね。

J2降格直前からの観客増加率
  • 2011年 柏    :  2%
  • 2014年 G大阪 :-0.1%

2011年柏は微増。2014年G大阪に至っては、降格直前のシーズンより観客が減ってしまっています。

優勝した年は当然良い成績を残しているわけですし、降格直前の残留争いを強いられていた時期と比べたら天と地ほどの違いがありますから、もっと観客が増えてもよさそうな気もしますが……

J2降格の影響は、それほどまでに大きい、ということでしょうか。

まとめ:J1昇格で、基本的に観客は増える

  • J1昇格で、観客は1.5倍に増える
  • J1昇格で、観客が減ったケースも過去にはあり
  • J2降格前の水準まで戻るのは、約65%

2011年の甲府という例はあるものの、それは50クラブ中、たった1クラブの話。

基本的に、J1昇格によって観客は増える、と言っていいと思います。

ただ、J2降格直前の水準まですぐに戻せるか、というと、そう簡単でもありません。35%のクラブが、降格直前の観客動員数に届かないわけですから。

J2降格によるダメージが、いかに大きいかわかりますね。

やはり降格は、しないに限ります。

今回は、以上です。