こんにちは、早起きラガードです。
突然ですが、「エレベータークラブ」ってご存知でしょうか?
主にサッカーで使われる言葉で、「上位リーグと下位リーグを頻繁に行き来するクラブ」のことです。
上下動を何度も繰り返す姿がエレベーターにそっくり、というわけですね。「ヨーヨークラブ」と呼ばれることもあります。
海外には、約10年で7回も昇格・降格を繰り返した筋金入りのエレベータクラブが存在するようですが…… Jリーグでは、果たしてどのクラブが該当するのか。
今回は、それをご紹介します。
エレベータークラブを、もう少し詳しく【Jリーグの場合】
Jリーグの昇格・降格には2つのケースがある
「エレベータークラブ」の条件は「何度も昇格・降格を繰り返していること」ですから、重要なのは上位リーグと下位リーグを何度往復しているかになります。
Jリーグの場合、J1、J2、J3と3つのカテゴリがあるため、昇格・降格にも
- J1 ⇔ J2
- J2 ⇔ J3
という2つのケースがありますが、本記事では「J1 ⇔ J2」の場合に絞ってご紹介します。
往復回数のカウント対象期間
「J1とJ2を何度往復しているか」を調べれば、自然とどのクラブがJリーグにおけるエレベータークラブなのか、が見えてきます。
シンプルですね。
もう一つ考慮すべきなのは「どの期間を対象とするか」。
確かに、開幕時からカウントするのは欠かせない調査期間ではあるのですが、近年の傾向がわからないというデメリットがあるのです。
過去にエレベータークラブことはあるものの、
- 現在はその状態を脱している(J1に定着している)
- 現在はその段階にも届かない(しばらく昇格できていない)
というケースも存在しますからね。
そこで本記事では、次の2つの期間におけるJ1とJ2の往復回数を数えることで、Jリーグのエレベータークラブを明らかにしていきたいと思います。
- Jリーグ開幕から2019年まで(1993年-2019年)
- 2010年からの10年間(2010年-2019年)
Jリーグにおけるエレベータークラブ
1.Jリーグ開幕から2019年まで
「J1とJ2の往復」には、当たり前ですが次の2つのケースがあります。
- J1 → J2 → J1
- J2 → J1 → J2
Jリーグ開幕からカウントした場合、前者(J1→J2→J1)が該当するのはオリジナル10のクラブのみ。それ以外はすべて、後者(J2→J1→J2)となります。
※なお、J2創設前の1999年以前については、旧JFLをJ2として扱いとします。
Jリーグが開幕した1993年から2019年までの間に、J1在籍経験があるクラブは全部で31。
その31クラブ、J1・J2往復回数は次のようになっています。
往復回数 | クラブ |
---|---|
4回 | 湘南、札幌、京都、福岡 |
3回 | C大阪、柏、甲府 |
2回 | 神戸、大分、大宮、山形、広島 |
1回 | FC東京、磐田、川崎、仙台、松本、新潟、横浜FC、徳島、長崎、G大阪、名古屋、東京V、清水、浦和 |
0回 | 鹿島、横浜FM、千葉、鳥栖、横浜F |
最も多くJ1・J2を行き来したのは、湘南、札幌、京都、福岡の4回。
この4クラブはエレベータクラブと呼んでいいでしょう。
27年間で4回ですからね。10年で7回には及ばないまでも、まあまあの数字だと思います。
名前が挙がったクラブも、昔からJリーグを見ている方にとっては肯けるんじゃないか、と。何度もJ1とJ2を往復している印象、ありますよね。
一方で、Jリーグを見るようになったのが2010年以降、という人には、少々違和感があるラインナップかもしれません。
というのも、近年の成績で見た場合、まったくエレベーターでないクラブが混じっているからです。
2.2010年からの10年間
期間を2010年以降の10年間に限定してみると、違った状況が見えてきます。
2010年から2019年までの10年間で、1回でもJ1・J2の往復回数を経験しているクラブは次の通り。
往復回数 | クラブ |
---|---|
3回 | 湘南 |
2回 | 福岡、甲府 |
1回 | FC東京、C大阪、柏、磐田、大宮、G大阪、名古屋、清水、山形、札幌、神戸、大分、松本、徳島、長崎 |
赤字は、Jリーグ開幕当時から往復回数を数えた場合の「エレベータクラブ」です。
お気付きかと思いますが、4クラブあったはずなのに、3クラブしか名前が挙がっていません。
漏れたのは、京都。
京都は2010年から2019年まで、1度もJ1とJ2の間を往復しませんでした。
2010年はJ1に在籍していたのですが、降格。2011年以降はずっとJ2で、1度もJ1昇格を果たせていません。
これでは、エレベータークラブとは呼べないですね。
札幌も、2010年以降は1往復のみ。
2011年から2013年の間に、J2→J1→J2と繰り返していますが、2017年にJ1復帰を果たしてからは、降格することなくその座を維持し続けています。
往復回数が1回だけでは、エレベータークラブとは呼べないでしょう。
一方、2010年以降も複数回の往復をしている湘南と福岡は立派なエレベータークラブと呼べそうです。
特に湘南は、2010年以降の実績の方が大きいですね。京都と真逆のケースになっています。
「開幕時から」に入らなかったクラブでは、甲府も福岡と並んで、J1・J2間を2往復をしています。
甲府もまた、2010年以降のエレベータークラブと呼んでよいでしょう。
まとめ:「Jリーグのエレベータークラブ」は時代によって少し違いあり
今回取り上げた2つの期間における「Jリーグのエレベータークラブ」は、次のようになりました。
期間 | クラブ |
---|---|
1993年~2019年 | 湘南、札幌、京都、福岡 |
2010年~2019年 | 湘南、福岡、甲府 |
2010年以降に目を向けると、1往復もできていない京都は完全にかつてのエレベータークラブ。
一方湘南は、2010年からの3往復でエレベータークラブの座に「のし上がって」きました。裏を返せば、2009年以前はエレベータークラブではなかったことになります。
このように、期間の取り方によってエレベータークラブも変わってくるのが、少々厄介なところ。
ただ、もし「一つだけJリーグのエレベータークラブ」と訊かれたら、やはり湘南を挙げておくのが無難でしょう。
今回取り上げた2つの期間のどちらでも、首位になっていますからね。違和感はないと思います。
今回は、以上です。