Jリーグ

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2014年】

こんにちは、早起きラガードです。
Jリーグは、開幕初年度から追っています。

15位と16位、16位と17位の間に高い壁のそびえる現在のJ1リーグ。

各シーズンで、どんなクラブがそれぞれの順位に落ち着いたのか見ています。

今回は、その10回目。
2014年を取り上げます。

前回はこちら。

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2013年】こんにちは、早起きラガードです。 Jリーグは、降格制度がなかった時代から見続けています。 J1が現在の18クラブになった2005...

2014年のJ1 15位、16位、17位には、次のような特徴がありました。

  • 15位 前半に大きく稼いだ勝ち点と後半の踏ん張りで逃げ切る
  • 16位 好調期に稼いだ勝ち点のわずかな差に泣く
  • 17位 好調期に稼ぐことはできているものの、それ以外の期間で見劣り

詳しく見ていきます。

2014年のJ1残留争い

レギュレーション

16位 自動降格
17位 自動降格
18位 自動降格

降格にかかわるレギュレーションは、前年度と変わりがありませんでした。

15位までが残留。16位、17位、18位が自動で降格となります。

※このレギュレーションだと16位と17位に違いはないのですが、現在のレギュレーションだと

  • 16位 J1参入プレーオフ
  • 17位 自動降格

と、違っているので、本記事では現在に合わせて16位と17位は違うものとして扱います。

本記事でも、16位と17位には差があるものとして扱います。

2014年J1の結果

順位 クラブ 勝ち点
15位 清水 36
16位 大宮 35
17位 C大阪 31

この年は、2005年の昇格以来、10年に渡ってJ1の座を守ってきた大宮が初めてJ2降格を味わった年でした。

残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?

15位清水

2014年清水の順位と勝ち点の推移

2014年の清水を順位の推移から見たとき、真っ先に目に入ってくるのは、開幕戦から8試合目にかけてのV字回復です。

開幕5試合で16位まで落ちていながら、8試合目には6位まで盛り返している。たった3試合で、順位を10も上げています。

この大きな上昇の要因となったのは、6試合目からの4連勝でした。

ここで勝ち点を一気に12も稼ぎ、序盤の不調から立ち直っています。

ただ、この年の清水は、ここがシーズンのピークでした。

そこから何度かの停滞を挟みつつ、順位は緩やかな下降線を辿ります。

最終的にはギリギリの15位での残留。

前半に見せた急回復は、二度は訪れませんでした。

ピークが序盤に訪れているので、前半に稼いだ勝ち点で逃げ切ったのかな、と考えたくなるところですが、そうでもありません。

2014年清水の前半17試合と後半17試合の勝ち点

前半17試合と後半17試合の勝ち点差は6。

後半にもしっかり勝ち点を稼いでいます。

2014年清水の5試合ごとの勝ち点

ペースが落ちるのはむしろ中盤で、11-15試合目と21-25試合目は柱がひと際低くなりました。

これらの事実から、この年の清水は「中盤に調子を落としたものの、前半に大きく稼いだ勝ち点と後半の踏ん張りで逃げ切っていた」ことがわかります。

16位大宮

2014年大宮の順位と勝ち点の推移

2005年のJ1昇格以来、初の降格を味わった2014年の大宮。

その成績は、15位清水にわずかに勝ち点1及ばない16位でした。

  • 15位 清水 勝ち点36
  • 16位 大宮 勝ち点35

13試合目から25試合目まで13試合に渡って、17位に低迷。

その後、26試合目からの3連勝で盛り返すも、浮上しきれず再び下降を始めてしまいます。

31試合目で16位に落ちると、そのまま順位は変わらずシーズン終了。最終戦での勝利も、残留には結び付きませんでした。

結果は16位で降格の憂き目にあった大宮ですが、15位清水との勝ち点差がわずかに1だけということもあって、際立って悪いところは見つかりません。

5試合ごとの勝ち点でも、しっかり柱は作れています。

2014年大宮の5試合ごとの勝ち点

好不調の波はありますが、それは15位清水も同じ。

不調が長引くこともなく、短期間で脱することができています。

わずかに違うとしたら、好調期に稼いだ勝ち点の差。

清水には、5試合で最高12の勝ち点を獲得するという爆発力がありました。

大宮にも、26試合目から28試合目までの3連勝があるものの、勝ち点の最高値は9。

好調期の上位3期間の勝ち点を合計しても、清水は24に対して、大宮は22とわずかに劣っています。

不調期の勝ち点に差はないだけに、ここが大きな違いとなりました。

2014年の大宮は、好調期に稼いだ勝ち点のわずかな差に泣き、残留に失敗したクラブでした。

17位C大阪

2014年C大阪の順位と勝ち点の推移

2014年のC大阪は、15位清水と真逆。序盤の好調ぶりが目を引きます。

2試合目からの3連勝でスタートダッシュに成功すると、4試合目には2位まで浮上。

この期間だけ切り取ると上位クラブの成績ですが、実際にはここがシーズンのピークでした。

以降は右肩下がりを続け、最終的には17位であえなく降格となります。

ただ、これは15位清水と同じなのですが、ピークが前半に来ているからと言って、勝ち点の獲得が大きく前半に偏っているということはありません。

2014年C大阪の前半17試合と後半17試合の勝ち点

5試合ごとの勝ち点を見ると、後半にも大きめの勝ち点を稼げていた期間があったことがわかります。

2014年C大阪の5試合ごとの勝ち点

5試合目までの勝ち点10の他に、25-30試合目にも勝ち点7を獲得することができています。

この二本の柱は、好調期としては十分な高さを備えていると言えます。

15位清水、16位大宮と比較しても、決して見劣りしません。

問題は、この二本の柱以外の部分ですね。

上位2本の柱以外に、

  • 15位清水は、勝ち点6と勝ち点5の柱が1本ずつ
  • 16位大宮も、勝ち点7と勝ち点6の柱が1本ずつ

存在しています。

それに対してC大阪は、上位2本を除くと、あとは最高でも勝ち点4の柱しかありません。

C大阪の最終勝ち点31は、17位としてはそれほど低いものではありません

勝ち点7以上の柱を2本築けていることにも、それは表れています。

ただ、好調期以外の期間が振るいませんでした。

2014年のC大阪は、好調期にしっかり稼ぐことはできているものの、それ以外の期間で見劣りしたクラブでした。

まとめ:僅差の戦いでは、1敗よりも1勝

2014年のJ1 15位、16位、17位には次のような特徴がありました。

  • 15位 清水 前半に大きく稼いだ勝ち点と後半の踏ん張りで逃げ切る
  • 16位 大宮 好調期に稼いだ勝ち点のわずかな差に泣く
  • 17位 C大阪 好調期に稼ぐことはできているものの、それ以外の期間で見劣り

勝ち点差にも表れている通り、15位清水と16位大宮にほとんど差はありませんでした。

敗戦数なら、むしろ大宮の方が少ないくらいです。

  • 清水 10勝6分18敗 得失点差-18
  • 大宮 9勝8分17敗 得失点差-16

それでも最後に順位で上回ったのは、清水でした。

僅差の戦いの場合、1敗よりも1勝の方が大きな意味を持つようです。

大宮は得失点差でも上回っているので、17の敗戦のうち、どれか一つでも引き分けに持ち込めていたら残留できていたのですが……

残念ながら、もう一歩及びませんでした。

今回は、以上です。