こんにちは、早起きラガードです。
開幕当初からJリーグを見続けています。
残り試合が少なくなってきたとき、優勝争いとともに熱を帯びてくるのがJ1残留争い。
自分の応援しているクラブが、来年もJ1で戦うことができるのか。それともJ2を覚悟しなければならないのか。下位に低迷するクラブのサポーターやファンは、気が気ではありません。
自動降格圏(17位以下)に留まるクラブの場合は、特にそうでしょう。
そこで今回は、残り10試合の時点で自動降格圏にいるクラブの逆転残留について、過去の実績から考えてみたいと思います。
なお、結論は次の通りとなります。
残り10試合時点で自動降格圏にいる場合
- 勝ち点10差以内なら、自動降格圏からの脱出は可能
- 勝ち点6差以内なら、15位以上での残留が可能
繰り返しになりますが、あくまで過去の実績から見た場合、です。
J1残留の条件
まず、J1残留の条件について確認しておきましょう。
2018年以降、J1残留に関わるレギュレーションは次のようになっています。
15位 | 無条件で残留 |
---|---|
16位 | J1参入プレーオフに参加 |
17位 | 自動降格 |
18位 | 自動降格 |
J1参入プレーオフというのは、J1 16位のクラブとJ2 3位から6位のクラブが参加するトーナメント方式の入れ替え戦です。そこで勝ち残った1クラブだけが、翌年のJ1リーグへの参加を許されます。
※Jリーグの昇格・降格は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
https://earlylaggard.com/promote-relegate
15位以上は何の条件もなく残留できますから、まずは15位以上がJ1残留のための最初の目標となります。
残り10試合で逆転残留が可能な勝ち点差は?
残り10試合って、どんな時期?
J1リーグでは、「全18クラブによる2回戦総当たり」方式が採用されています。これはつまり、1シーズンが34試合であることを意味しています。
残り10試合(24試合消化)というと、ちょうど終盤に差し掛かろうかという時期。J1残留に向けて、そろそろ順位と勝ち点差が気になり始める頃ですね。
逆転残留って?
言葉の定義を整理しておきましょう。
今明らかにしようとしているのは、「残り10試合時点で自動降格圏にいるクラブが、逆転残留可能な最大勝ち点差」です。
「自動降格圏」とは、既に説明した通り17位以下のことです。これはいいですね。現在のJ J1のレギュレーションそのままです。
次に、「逆転残留」ですが、これはどこを基準とするかで2つの解釈が考えられます。
- 自動降格圏からの脱出(16位以上でOK)
- 無条件で残留(15位以上が必要)
16位で残留するためにはJ1参入プレーオフを勝ち抜かなければならないので、厳密な意味での残留確定と言えるの②になります。
しかしながら本記事で取り上げているのは、残り10試合時点で自動降格圏にいるクラブの逆転なので、自動降格を免れる①であっても、その意味を満たしてはいます(条件付きではありますが)。
厳密な意味での残留を重視するか、自動降格圏からの脱出を重視するか、悩ましいところではあるのですが…… 本記事では少々強引ながらも後者、つまり16位以上確保を逆転残留として採用したいと思います。
その代わりといっては何ですが、「勝ち点差」については、無条件での残留が可能な最低順位である15位クラブとの差を採用します。
これはまあ、考え方の問題なので、どちらを採用するかさえはっきりさせておけば問題ないでしょう。
以上をまとめると、ここで提示された疑問は、
「残り10試合の時点で17位以下のクラブが、16位以上を確保するための15位との最大勝ち点差は?」
となります。
どのくらいの勝ち点差なら、自動降格圏からの脱出が可能?
2005年から2018年までの14年間のうち、残り10試合の時点で17位以下だったクラブが最終的に16位以上を確保したケースは、以下の7例あります。
- 2006年 福岡
- 2008年 千葉
- 2009年 柏
- 2012年 大宮
- 2014年 大宮
- 2017年 広島
- 2018年 G大阪
※スタートを2005年にしているのは、その年からJ1リーグが現在と同じ18クラブの体制になったからです。2005年以降、J1のクラブ数は18で変わっていません。
※2009年柏、2014年大宮は、実際には自動降格しています。これは、現在とのレギュレーションの違いで、16位が自動降格だった時代があるためです。
14年間で7回ですから、ちょうど半分ですね。
このうち、15位との勝ち点差が最も大きかったのは2006年の福岡で、その差は10でした。
- 2006年福岡 : 10
- 2008年千葉 : 6
- 2009年柏 : 5
- 2012年大宮 : 0
- 2014年大宮 : 2
- 2017年広島 : 2
- 2018年G大阪 : 5
※2012年大宮は得失点のみの差。
以上の事実から、過去の実績を元にしたとき、自動降格圏からの脱出が可能な最大勝ち点差は10であることがわかります。
過去の実績から見たとき、自動降格圏から脱出可能な最大勝ち点差は10
自動降格圏から、無条件残留が可能な勝ち点差は?
残り10試合時点で、勝ち点10差までなら、自動降格圏からの脱出が可能であることが過去の実績からわかりました。
しかし、自動降格圏から脱出しただけでは、まだ残留確実とは言えません。16位の場合、J1参入プレーオフで勝たなければ残留できませんからね。
「無条件残留が可能」とは、「15位以上が確保できる」と言い換えることができます。
するとここで明らかにしたいのは、
「残り10試合時点で17位以下のクラブが、15位以上を確保するための15位との最大勝ち点差は?」
ということになります。
上に挙げた7例のうち、残り10試合の時点で17位以下だったクラブが最終的に15位以上を確保できたケースは、以下の4例。
- 2008年 千葉(17位 → 15位)
- 2012年 大宮(17位 → 13位)
- 2017年 広島(17位 → 15位)
- 2018年 G大阪(17位 → 9位)
このうち、最も勝ち点差が大きかったのは、2008年の千葉でした。
- 2008年千葉 : 6
- 2012年大宮 : 0
- 2017年広島 : 2
- 2018年G大阪 : 5
この事実から、過去の実績を元にしたとき、自動降格圏から無条件残留が可能な最大勝ち点差は6であることがわかります。
過去の実績から見たとき、自動降格圏から15位以上が可能な最大勝ち点差は6
逆転でJ1残留に成功したクラブはどのくらい勝ち点を積み上げている?
上に書いた7クラブが、残り10試合でどのくらい勝ち点を積み上げたのかを見ておきましょう。
※逆転残留に成功、という見出しですが、実際には「自動降格圏からの脱出に成功したクラブ」になってます。
逆転で15位以上の確保に成功したクラブ
2008年千葉(17位→15位)
勝ち点21 → 勝ち点38(+17)
2012年大宮(17位→13位)
勝ち点24 → 勝ち点44(+20)
2017年広島(17位→13位)
勝ち点19 → 勝ち点33(+14)
2018年G大阪(17位→9位)
勝ち点21 → 勝ち点48(+27)
積み上げた勝ち点の平均値は、19.5。残り10試合を、6勝2分2敗で乗り切れば、達成できるペースです。
と、簡単に書きましたが、この時点で自動降格圏に低迷しているクラブにとっては、勝率6割は簡単ではありません。それが容易にできるくらいなら、初めからこんな順位にはいないわけですからね。
ちなみにひときわ目を引く2018年のG大阪ですが、残り10試合を9勝1敗という驚異のハイペースで乗り切っています。
第25節から第33節まで、破竹の9連勝。序盤からこのペースで勝ち点を積み上げることができていれば、優勝できてます。
16位でプレーオフの確保には成功したクラブ
2006年福岡(17位→16位)
勝ち点16 → 勝ち点27(+11)
2009年柏(17位→16位)
勝ち点22 → 勝ち点34(+12)
2014年大宮(17位→16位)
勝ち点22 → 勝ち点35(+13)
積み上げた勝ち点の平均値は12。残り10試合だと、4勝6敗のペースになりますね。これなら頑張れば、何となるのではないか、と思わないでもありません。
ただ、これはあくまで目安です。実際にはこれ以上の勝ち点を獲得していても、自動降格圏から脱出できなかったケースは考えられます。
まとめ:逆転でのJ1残留は簡単ではないが、不可能ではない。
残り10試合時点で自動降格圏にいる場合
- 勝ち点10差以内なら、自動降格圏からの脱出は可能
- 勝ち点6差以内なら、15位以上での残留が可能
残り10試合時点での自動降格圏(17位以下)から、逆転での無条件残留(15位以上)を成し遂げたのは14年間で4クラブ。
不可能ではないですが、簡単でもないですね。
一方、J1参入プレーオフ参加の16位であれば、半数の7クラブが達成しています。残り10試合時点で自動降格圏にいても、まだまだ残留の望みは十分あると思っていいでしょう。
15位との勝ち点差が10以内であれば、という条件は付きますが。
今回は、以上です。