こんにちは、早起きラガードです。
Jリーグにおける、JSL時代からの名門クラブについて、「Jリーグの名門はこのクラブ。「オリジナル10=名門」というわけではありません」という記事で紹介しました。
今回は、期間をもう少し限定して、Jリーグ設立以降の実績だけを見た場合の名門クラブ、をご紹介していこうと思います。
※JSLは、日本サッカーリーグのことです。Jリーグの前身となったサッカーリーグで、1965年から1992年まで開催されました。
「Jリーグが始まってから」に限定した名門は?
先ほどご紹介した「Jリーグの名門はこのクラブ。「オリジナル10=名門」というわけではありません」という記事では、名門の条件として
- 1部リーグ在籍年数:80%以上
- タイトル獲得数:2桁
の2つを掲げました。
まずは、これをそのまま各クラブのJリーグ設立以降の実績に当てはめてみます。
条件1:1部リーグ在籍年数80%以上
Jリーグの開幕は、1993年。2020年は、28年目に当たります。
このうち80%というと、
28年 × 0.8 = 22.4年
すなわち、通算23年以上のJ1在籍実績があれば、条件1を満たすことになります。
Jリーグ全56クラブのうち、この条件を満たしているのは9クラブ。
具体的なクラブ名は、次のようになります。
クラブ | 在籍年数 |
鹿島アントラーズ 横浜F・マリノス |
28 |
浦和レッズ ガンバ大阪 名古屋グランパス 清水エスパルス |
27 |
サンフレッチェ広島 | 26 |
ジュビロ磐田 | 24 |
柏レイソル | 23 |
太字はオリジナル10のクラブです。
さすがに初年度からJリーグに参加しているだけありますね。上位をほぼ独占しています。
オリジナル10で条件を満たしていないのは、
- 横浜フリューゲルス
- 東京ヴェルディ1969
- ジェフユナイテッド市原・千葉
の3クラブ。
横浜フリューゲルスは1999年に合併消滅してしまったので仕方がないですが、残りの2クラブは10年以上に渡るJ2生活の長さが響いています。
条件2:タイトル獲得数2桁
2つ目の条件は、タイトル獲得数2桁。
対象は、国内・国外のタイトルのうち、次の主要な5つです。
- J1リーグ
- Jリーグ杯(ルヴァン杯、旧ナビスコ杯)
- 天皇杯
- ACL
- アジアクラブ選手権
※Jリーグ杯以外は、Jリーグが開幕した1993年以降の実績としています。Jリーグ杯(旧ナビスコ杯)のみ、1992年の実績も加えていますが、これはJリーグ開幕前年に、プレ大会として開催された経緯があるためです。
これらの合計獲得数が2桁のクラブが、条件2を満たしたクラブとなるのですが……
こちらは、かなり厳しい結果となりました。
2019年までの実績でこの条件を満たしているのは、1クラブしかないからです。
クラブ | タイトル獲得数 |
鹿島アントラーズ |
20 |
鹿島は条件1も満たしていますから、自動的にJリーグ開幕以降に限定した名門は鹿島アントラーズのみ、ということになります。
これはこれで間違っていないと思います。
Jリーグ開幕以降、鹿島があげた実績はすばらしいものがありますからね。
しかし一方で、名門が1クラブだけというのはちょっと物足りない気もします。
また、30年近い歴史のあるJSL時代を除外しているのに、条件はそのままというのも少々厳しいものがあります。
そこで、少し条件の見直しを検討しようと思います。
「名門」の条件見直し
ここまで、以下を名門の条件としてきました。
- 1部リーグ在籍年数:80%以上
- タイトル獲得数:2桁
「1部リーグ在籍年数」と「タイトル獲得数」という項目については、名門の条件として問題ないと思いますので、そのままとします。
見直すのは、各項目の数字の方になります。
新条件1:1部リーグ在籍年数90%以上
既にご紹介した通り、Jリーグ開始以降に限定した「1部リーグ在籍年数:80%以上」を満たすクラブは、全部で9つもありました。
JSL時代を加えた場合と比較して、期間が約半分になっていたことを考えると、この条件は少し甘いかな、と思います。
そこで新条件1では、1部リーグ在籍年数を、
80%以上 → 90%以上
と引き上げます。
これでもう少し、条件を満たすクラブ数は絞られるはずです。
新条件2:獲得タイトル数6以上
元々の条件2であった「タイトル獲得数2桁」では、該当するクラブが鹿島しかありませんでした。
ただ、JSL時代を除外して期間が約半分になっていたことを考えると、こちらについてはやや厳しすぎる条件だったように思います。
変更内容としては、
「期間が約半分だから、獲得タイトル数も半分(すなわち、5以上)」
というのがシンプルなところですが、Jリーグがこれからも開催を重ねていくことを考慮に入れて、
2桁 → 6以上
と変更したいと思います。
これなら、鹿島以外にも条件を満たすクラブが出てきます。
「新条件」での名門クラブは?
それでは、Jリーグ設立以降の実績で、新しく見直した条件、
- J1在籍年数:90%以上
- 獲得タイトル数:6以上
を満たすクラブを具体的に見ていきましょう。
新条件1:J1在籍年数90%以上
先ほども書いた通り、2020年は、Jリーグ開幕から28年目に当たります。
このうちの90%というと、
28年 × 0.9 = 25.2年
ですから、J1在籍の通算年数が26年以上であればOKです。
これを満たすのは、次の7クラブ。
クラブ | 在籍年数 |
鹿島アントラーズ 横浜F・マリノス |
28 |
浦和レッズ ガンバ大阪 名古屋グランパス 清水エスパルス |
27 |
サンフレッチェ広島 | 26 |
すべて、オリジナル10のクラブとなりました。
新条件2:獲得タイトル数6以上
Jリーグ開幕以降(Jリーグ杯のみ、開幕前年の1992年の実績も加える)の獲得タイトル数が6以上のクラブは、次の6クラブ。
クラブ | タイトル獲得数 |
鹿島アントラーズ |
20 |
ガンバ大阪 | 9 |
浦和レッズ | 8 |
東京ヴェルディ1969 ジュビロ磐田 |
7 |
横浜F・マリノス | 6 |
鹿島以外にも、条件を満たすクラブが現れました。
ここもやはりオリジナル10(太字)がほとんどですが、ジュビロ磐田が唯一、オリジナル10以外のクラブとして食い込んでいます。
1990年代後半から2000年代前半にかけて、Jリーグでは鹿島と磐田の二強時代がありました。
磐田のタイトル獲得数が多いのは、そのときの実績が大きく反映されています。
同じことは東京Vにも言えます。
東京Vの獲得した7つのタイトルのうち6つまでが、Jリーグ草創期の1996年までに獲得したものです。
草創期のJリーグにおいて、東京V(当時のクラブ名はヴェルディ川崎)は実力・人気ともに圧倒的でした。
新条件1、2を満たすクラブ
ここまでで、新しく設定した条件1、2を満たすクラブは出そろいました。
条件1、2をともに満たすクラブも明らかですね。
Jリーグ開幕以降に限定した場合、「名門」と呼べるクラブは、
- 鹿島アントラーズ
- 横浜F・マリノス
- ガンバ大阪
- 浦和レッズ
の4クラブとなります。
Jリーグ開幕以降に限定した「名門」クラブ:まとめ
本記事では、「Jリーグ開幕以降の実績」に限定した「名門」クラブをご紹介しました。
Jリーグ開幕以降の実績で見た「名門」クラブ
- 鹿島アントラーズ
- 横浜F・マリノス
- ガンバ大阪
- 浦和レッズ
この4クラブはいずれも、Jリーグ開幕以降の「りっぱな」歴史を持ったクラブです。
ただ、こんな記事を書いておいて何ですが、「名門」という言葉の持つ古風な響きからは、どうしても
と考えてしまいます。
「名門」というからには、やはりJSL時代も含めた実績で考える方が自然なんじゃないか、と思ってしまうわけですね。
本記事の冒頭でもご紹介した通り、JSL時代の実績も含めての「名門」は「Jリーグの名門はこのクラブ。「オリジナル10=名門」というわけではありません」という記事に書いています。
興味のある方は、ぜひこちらもご覧になってみてください。
今回ご紹介したのとは、また違ったクラブが「名門」として取り上げられています(一部、重なっているクラブもあります)。
今回は、以上です。