こんにちは、早起きラガードです。
今回は、そんな疑問にお答えします。
※Jリーグには、J1、J2、J3の3つのカテゴリがありますが、ここでは最上位カテゴリであるJ1の観客動員数についてのみ、取り上げます。
Jリーグの観客動員数は、2014年以降増加で推移している
2018年シーズン終了時点で、J1リーグの観客動員数は5年連続前年を上回っています。
- 2014年 17,240人(前年比 + 14人)
- 2015年 17,803人(前年比 +563人)
- 2016年 17,968人(前年比 +165人)
- 2017年 18,883人(前年比 +915人)
- 2018年 19,064人(前年比 +181人)
5年というのは歴代最長です。
それ以前の最長は2年で、3年目には必ず減少していました。1993年の開幕から既に25年以上が経過していることを思うと、寂しいものがありますね…
Jリーグの観客動員数は、大きく5つの時期に分けることができる
1993年から2018年までのJ1リーグの一試合平均観客動員数は、次のようになっています。
そしてこれは概ね、以下の5つの時期に分けることができます。
- 1993年~1994年 草創期(Jリーグバブル期)
- 1995年~2000年 バブル崩壊による低迷(第一次低迷期)
- 2001年~2008年 日韓W杯と緩やかな回復(第一次回復期)
- 2009年~2013年 再びの低迷と震災の影響(第二次低迷期)
- 2014年~ 第二次回復期
J1リーグの観客動員数は、開幕直後のバブルを経た後、数年単位で低迷と回復を繰り返しています。
それぞれの時期について、もう少し詳しく見ていきます。
1993年~1994年 草創期(Jリーグバブル期)
- 1993年 17,976人
- 1994年 19,598人(前年比 +1,622人)
1993年5月15日に始まった、Jリーグ。
当時は現在のようなJ1、J2といったカテゴリはなく、現在のJ1リーグに相当する名称が「Jリーグ」でした。
開幕初年度にあたる1993年の一試合平均観客動員数は、17,976人でした。Jリーグ側は当初10,000人を目標にしていたと言いますから、予想をはるかに上回る人気だったことがわかります。
翌1994年にはさらに増えて、19,598人を記録しています。この数字は、現在に至るまで破られていない一試合平均観客動員数(年間)の最多記録です。
ただ、こうした景気のいい数字は、実際のJリーグの観客動員力を反映したものではありませんでした。まさに、バブルだったのです。
そしてその儚い泡は、すぐに弾けてしまいます。
1995年~2000年 バブル崩壊による低迷(第一次低迷期)
- 1995年 16,922人(前年比 -2,676人)
- 1996年 13,353人(前年比 -3,569人)
- 1997年 10,131人(前年比 -3,222人)
- 1998年 11,982人(前年比 +1,851人)
- 1999年 11,658人(前年比 - 324人)
- 2000年 11,065人(前年比 - 593人)
1994年に最多を記録した後、観客動員数は下降を始めます。
1995年から、3年連続で4桁の減少となりました。
1997年の10,131人という数字は、現在も破られていない一試合平均観客動員数(年間)の最少記録に当たります。ピークの1994年からたったの4年で、9,500人近い観客がスタジアムから離れていきました。
1998年に一時的に盛り返していますが、これはこの年に開催されたフランスW杯の影響と思われます。日本が初めて出場したW杯ですね。
「ジョホールバルの歓喜」として知られるアジア第三代表決定戦は、このときのW杯出場を賭けた戦いでした。
しかし、本大会での三戦全敗という結果が影響したのか、翌年に観客動員数は再び減少に転じてしまいます。
1998年には出資会社の撤退により、オリジナル10の1つである横浜フリューゲルスの合併消滅という悲劇も起こっており、Jリーグにとって危機的な時期でした。
オリジナル10とは、Jリーグ発足時に加盟した10クラブのことです。次の10クラブが、それに当たります。
- 鹿島アントラーズ
- ジェフユナイテッド市原(現在のジェフユナイテッド市原・千葉)
- 浦和レッドダイヤモンズ
- ヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ1969)
- 横浜マリノス(現在の横浜F・マリノス)
- 横浜フリューゲルス
- 清水エスパルス
- 名古屋グランパスエイト
- ガンバ大阪
- サンフレッチェ広島
2001年~2008年 日韓W杯と緩やかな回復(第一次回復期)
- 2001年 16,548人(前年比 +5,483人)
- 2002年 16,368人(前年比 - 180人)
- 2003年 17,351人(前年比 + 983人)
- 2004年 18,965人(前年比 +1,614人)
- 2005年 18,765人(前年比 - 200人)
- 2006年 18,292人(前年比 - 473人)
- 2007年 19,066人(前年比 + 774人)
- 2008年 19,202人(前年比 + 136人)
2000年まで、3年連続で11,000人台に低迷していた観客動員数。2001年に16,548人と、突然の急回復を見せます。
前年比50%の増加を支えたのは、翌年に控えた日韓W杯でした。増加数は98年フランスW杯のときの実に三倍ですから、自国開催の効果はとてつもなく大きかった、と言えます。
その後も日本は2006年、2010年、2014年、2018年と連続してW杯に出場していますが、ここまで観客動員数を伸ばした年はありませんでした。
単年で見ると前年を下回る年はあったものの、全体では2001年以降も観客動員数の回復傾向は続きます。
2007年には、過去最多を記録した1994年以来の19,000人台にまで回復。翌年には、歴代2位に当たる19,202人を記録します。
しかし、第一次回復期はこの2008年がピークでした。2009年から、観客動員数は再び減少に転じます。
2009年~2013年 再びの低迷と震災の影響(第二次低迷期)
- 2009年 18,985人(前年比 - 217人)
- 2010年 18,428人(前年比 - 557人)
- 2011年 15,797人(前年比 -2,631人)
- 2012年 17,566人(前年比 +1,769人)
- 2013年 17,226人(前年比 - 340人)
2008年に歴代2位を記録した後、再び減り始めたJ1リーグの観客動員数。
痛手となったのは、東日本大震災でした。
2011年に、観客は一気に2,500人以上減りました。4桁の減少は、Jリーグバブル崩壊後の1997年以来14年ぶりとなります。
日本に大きな被害を与えた未曽有の大災害は、Jリーグの観客動員にも大打撃を与えていました。
翌年こそ、反動で大きく増加したものの、その増加幅は1800人弱と、減った観客を取り戻すことはできていません。
2013年には再び減少してしまい、震災前の水準にはなかなか届かず。
ようやく同程度の観客を取り戻すことができたのは、震災から6年が過ぎた、2017年になってからでした。
2014年~現在 第二次回復期
- 2014年 17,240人(前年比 + 14人)
- 2015年 17,803人(前年比 +563人)
- 2016年 17,968人(前年比 +165人)
- 2017年 18,883人(前年比 +915人)
- 2018年 19,064人(前年比 +181人)
2014年に上昇に転じて以降、2018年までの間に前年を下回った年はありません。
2018年には、史上4度目の19,000人台を記録。観客動員数19,064人は歴代4位の数字となります。
第一次回復期にも達成できなかった、歴代最多記録(19,598人)の更新まであと一歩のところまで来ました。
歴代最多と言っても四半世紀以上も前の記録ですから、是非ともこの機会に更新してほしいところですね。
まとめ:観客動員数は増加しているJリーグだが、過去最多の更新には至っていない
- J1リーグの観客動員数は、2度の低迷期と2度の回復期を経験している
- 現在は、2014年に始まった第2次回復期の最中
- 1994年に記録した、歴代最多記録(19598人)は未だに破られていない
2014年以降、増加傾向の続いているJ1リーグの観客動員数。しかし、1994年に記録した最多記録を更新するまでは、あくまで回復期でしかありません。
Jリーグが次の段階に進めるのは、その記録を越えてから。
そしてその先の目標として見えてくるのは、プロ野球の観客動員数になるんじゃないかと個人的には思っています。
Jリーグは、人気面でまだまだプロ野球には及びません。一試合平均の観客動員数にも大きな開きがあります。
- J1リーグ 19,064人
- プロ野球 29,779人
週末が中心のJリーグと違って、プロ野球には平日開催の試合もかなり含まれていますから、この差は数字以上に大きいです。
プロ野球からファンを奪え、と言っているわけではありません。
プロ野球は一つの指標です。
プロ野球の存在は「日本には、スポーツで一試合平均30,000人近い観客を集めるポテンシャルがある」ことの証明だと、私は考えています。
そもそも、スタジアムの収容能力が足りていないところもあるため、簡単ではないでしょうが……
でも、もしこれが実現したら、少なくとも観客動員の面では、ドイツ、イングランド、スペインといった世界のトップリーグと同じ水準になります。
ブンデスリーガ、プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラと並ぶJリーグ。夢がありますね。
今回は、以上です。
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