こんにちは、早起きラガードです。
平成一桁の時代から、サッカーを見続けています。
今回は、そんな疑問にお答えします。
- 国際サッカー連盟(FIFA)傘下の大陸連盟は、全部で6つ。そのすべてに大陸選手権がある
- 開催感覚は4年に1度の場合と、2年に1度の大会がある
- 日本で中継のある、アジア以外の大陸選手権もある
そもそも、大陸選手権って?
地理的な意味での大陸と、サッカーでの「大陸」は少し違っている
大陸選手権とは、文字通り大陸No.1の国を決めるための大会です。
ここでいう大陸とは、「大陸連盟」のこと。アジアサッカー連盟とか、欧州サッカー連盟とかがそれに当たります。
地理的な意味での大陸と、おおよそ一致はしているのですが異なる部分もあります。
わかりやすい例はオーストラリアで、地理的にはオセアニアに属しますが、サッカーではオセアニアではなく、アジアサッカー連盟に加盟しています。つまり、オーストラリアはサッカーではアジアの国になります。
FIFAの傘下に大陸連盟は6つ
国際的なサッカーの統括団体として、国際サッカー連盟(FIFA)が存在します。
FIFAの傘下に、現在以下の6つの大陸連盟が存在しています。
- 欧州サッカー連盟(UEFA)
- 南米サッカー連盟(CONMEBOL)
- アジアサッカー連盟(AFC)
- アフリカサッカー連盟(CAF)
- 北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)
- オセアニアサッカー連盟(OFC)
そして6つの大陸連盟は、すべてそれぞれに大陸選手権を主催しています。
UEFA欧州選手権(EURO)
開始年 | 1960年 |
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開催間隔 | 4年に1度、W杯の中間年(夏季五輪の年) |
主催 | 欧州サッカー連盟(UEFA) |
参加国 | 24(本大会) |
開催回数 | 15 |
最多優勝 | ドイツ、スペイン(3回) |
次回開催 | 2020年(12ヶ国で分散開催、決勝はロンドン) |
欧州サッカー連盟(UEFA)主催の大陸選手権が、UEFA欧州選手権です。
EUROと呼称され、開催年度を末尾に付けて、EURO2016とかEURO2020と呼ばれています。
レベルはW杯より上?
ヨーロッパにはサッカー強豪国が集まっているため、全体のレベルはW杯を上回るとも言われています。
なんて言う人もいますが、あながち間違ってはいないかもしれません。近年の実力を考えると、ウルグアイも加えて良さそうですが。
厳しい予選
EUROに限らず、W杯でも同じですが、全体のレベルが高いヨーロッパでは、とにかく予選を勝ち抜くのが大変です。
強豪国が予選で敗退する事態もしばしば発生し、EURO2008ではイングランド、EURO2016ではオランダが出場権を逃しました。
EURO2016から、出場枠が拡大された(2012年までは16)ので、軽減されているはずですが…… それでもオランダは敗退していますからね。甘くはないです。
大会は拡大傾向
1992年まで、EURO本大会は8ヶ国で行われていました。
EURO1996から、それが16ヶ国に倍増。20年後のEURO2016では、さらに8ヶ国増やして、24ヶ国に拡大しています。
EURO2016では、出場国の増加に伴ってレベルの低下が懸念されましたが、アイスランドやウェールズといった、それまでビッグトーナメントにほとんど縁のなかった国の活躍があり、杞憂に終わりました。
多くの特色あるサッカーを見ることができたので、大会の魅力はむしろ上がったという印象です。
コパ・アメリカ
開始年 | 1916年 |
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開催間隔 | 4年に一度、2020年からW杯の中間年(夏季五輪の年)に変更 |
主催 | 南米サッカー連盟(CONMEBOL) |
参加国 | 12(本大会) |
開催回数 | 45 |
最多優勝 | ウルグアイ15回 |
次回開催 | 2019年(ブラジル) |
南米サッカー連盟(CONMEBOL)主催の大陸選手権が、コパ・アメリカです。
かつては南米選手権という名称だったのですが、1975年からコパ・アメリカが正式名称となりました。
開催間隔が一定でない
1916年開始と、世界で最も古い代表チームにより大陸選手権ですが、開催間隔はEUROのように、4年に1度を厳密に守ってきているわけではありません。
開始当初は、毎年のように大会が開かれていました。
コパ・アメリカに名前が変わった後も、1987年から2001年までは2年に1度の開催。(1975年から87年までは4年ごとに開催)
2004年と2007年は3年間隔で開催し、2011年から4年ごとの開催に戻りますが、2015年大会の直後、2016年に「コパ・アメリカ100周年記念大会」と称して、2年連続で大会を実施してしまいます。
しかも2016年大会の開催地は南米サッカー連盟所属ではないアメリカ合衆国で、参加国も通常の12ヶ国から16ヶ国に拡大。
増えた出場枠には、北中米カリブ海サッカー連盟の国々が参加しました。
招待国枠
コパ・アメリカの特徴の1つに、「招待国」という珍しい出場枠の存在があります。
その名の通り、大会に招待する国のことで、他の大陸連盟から毎回2ヶ国を呼んでいます。
他の大陸連盟の選手権が、予選によって本大会出場国をふるい分けていることを考えると随分特異な制度にも思えますが…… 南米の場合、そうしないと大会の規模が小さくなってしまうという事情があるのですね。
というのも、南米サッカー連盟に加盟している国は、全部で10しかないのです。
- アルゼンチン
- ウルグアイ
- エクアドル
- コロンビア
- チリ
- パラグアイ
- ブラジル
- ベネズエラ
- ペルー
- ボリビア
ヨーロッパやアフリカと比較すると、その差は際立ちますね。アジアと北中米も40以上加盟しています。
■各大陸連盟の加盟協会数
欧州サッカー連盟(UEFA) | 55 |
南米サッカー連盟(CONMEBOL) | 10 |
アジアサッカー連盟(AFC) | 47 |
アフリカサッカー連盟(CAF) | 57 |
北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF) | 41 |
オセアニアサッカー連盟(OFC) | 11 |
コパ・アメリカが毎回2ヶ国を招待するようになったのは、1993年大会からです(2001年大会は、アルゼンチンが出場を辞退したため3ヶ国)。
招待されるのは、基本的に地理的に近い北中米カリブ海サッカー連盟の国々ですが、アジアサッカー連盟(AFC)所属の日本も1999年大会、2011年大会、2019年大会に呼ばれています(2011年大会は、東日本大震災の影響で辞退)。
AFCアジアカップ
開始年 | 1965年 |
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開催間隔 | 4年に1度、W杯の翌年(西暦を4で割って3余る年) |
主催 | アジアサッカー連盟(AFC) |
参加国 | 24(本大会) |
開催回数 | 17 |
最多優勝 | 日本(4回) |
次回開催 | 2023年(未定) |
日本も加盟しているアジアサッカー連盟(AFC)主催の大陸選手権が、AFCアジアカップです。日本代表と、そしてAFCに加盟しているすべての国・地域にとって、W杯の次に重要な大会でもあります。
第10回から17回までの8大会のうち、4回で日本が優勝
最多優勝は、日本の4回。
日本の初優勝は自国開催となった1992年の第10回大会ですが、実は本大会への出場は、一つ前の1988年大会が初めてでした。
以降、2019年に開催された第17回大会までの8大会のうち、日本は優勝4回、準優勝1回を記録しています。
■アジアカップ日本の成績(1992年~2019年)
第10回 | 1992年 | 優勝 |
第11回 | 1996年 | ベスト8 |
第12回 | 2000年 | 優勝 |
第13回 | 2004年 | 優勝 |
第14回 | 2007年 | 4位 |
第15回 | 2011年 | 優勝 |
第16回 | 2015年 | ベスト8 |
第17回 | 2019年 | 準優勝 |
W杯出場国には不利な大会
アジアカップは2007年から、W杯の翌年開催となりました(それ以前はEURO同様、W杯の中間年に開催)。
W杯の翌年とはいうものの、実際の開催時期は1~2月になります。
W杯はほとんどの場合、6~7月に実施されますから、アジアカップの開催はW杯が終わってから半年強しか経っていません。
W杯常連国の多くは、W杯に向けたチーム作りを実施します。大会終了後は新チームが立ち上がることになりますが、半年ほどではまだ十分チームが出来上がっているとは言えません。
一方、W杯出場を逃した国々は、W杯のスケジュールを意識する必要がありません。W杯が終了したからと言って旧チームを解散したり、新チームを立ち上げる、といったことをする必要はまったくなく、アジアカップまで強化を継続することができます。
EUROや2020年からのコパ・アメリカのように、W杯終了後2年間あればチームの成熟度もかなり上がっていると思いますが……
チーム作りの面で、W杯出場国はハンデを負うことになってしまっています。
※「W杯終了後もチームを継続してアジアカップに臨めばいい」という考えもありますが、それをやると今度はW杯に向けたチーム作りが遅れることになってしまいます。現状、「W杯を取るか、アジアカップを取るか」の二択のような形になってしまっているわけです。
アフリカネイションズカップ
開始年 | 1957年 |
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開催間隔 | 2年に1度(奇数年) |
主催 | アフリカサッカー連盟(CAF) |
参加国 | 24(本大会) |
開催回数 | 31 |
最多優勝 | エジプト(7回) |
次回開催 | 2019年(カメルーン) |
アフリカサッカー連盟(CAF)主催の大陸選手権が、アフリカネイションズカップです。
開催は、2年に1回。奇数の年に実施されています。開催時期は、1~2月が多いです。
かつては偶数年に実施していたのですが、それだとW杯の半年前に大会が実施されることになってしまうので、2013年から奇数年の開催に変更となりました。
W杯では、カメルーンやナイジェリア、ガーナといった国々の印象が強いアフリカ勢ですが、この大会ではエジプトが好成績を残しています。
2006年第25回大会から2010年第27回大会まで3連覇。優勝回数も最多の7回となっています。
CONCACAFゴールドカップ
開始年 | 1963年 |
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開催間隔 | 2年に1度(奇数年) |
主催 | 北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF) |
参加国 | 16(本大会、2019年大会より) |
開催回数 | 14(1991年以降) |
最多優勝 | メキシコ(10回) |
次回開催 | 2019年(アメリカ合衆国) |
CONCACAFゴールドカップは、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)が主催する大陸選手権です。1991年に、前身のCONCACAF選手権が再編されて、CONCACAFゴールドカップとなりました。
アフリカネイションズカップ同様、この大会も2年に一度、奇数年に開催しています。
CONCACAFゴールドカップの特徴
- 開催地は、基本的にアメリカ。共催はあるものの、1991年以降アメリカが開催地から外れたことはない
- アメリカ、カナダ、メキシコは予選免除
- 他の大陸連盟の加盟国を、招待することもある
1993年、2003年大会はメキシコ、2015年大会はカナダとの共同開催となりました。それ以外の大会は、すべてアメリカが単独で開催しています。
アメリカ、カナダ、メキシコ以外の国は、カリブ海地域であればカリビアンカップと、中米地域であればコパ・セントロアメリカーナという大会が予選を兼ねています。
招待国があるのは、コパ・アメリカと同じですね。ただ、コパのように毎回どこかの国を招待しているわけではありません。
OFCネイションズカップ
開始年 | 1973年 |
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開催間隔 | 4年に1度、W杯の中間年(夏季五輪の年) |
主催 | オセアニアサッカー連盟(OFC) |
参加国 | 8 |
開催回数 | 10 |
最多優勝 | ニュージーランド(5回) |
次回開催 | 2020年 |
オセアニアサッカー連盟(OFC)主催の大陸選手権が、OFCネイションズカップです。
4年に1度の開催になったのは2004年からで、それ以前は不定期開催でした(1973年開始にもかかわらず開催回数が少ないのはそのため)。
OFCの加盟協会は、南米サッカー連盟(CONMEBOL)に次いで少ない11しかありません。しかしコパ・アメリカと違って、OFCネイションズカップの出場では予選が実施されます。
といっても、FIFAランク上位7か国は予選免除で、下位4ヶ国が残り1つの枠を巡って戦う、という方式ですが……
なお、過去10回の大会のうち、5回がニュージーランド、4回がオーストラリア(2005年に脱退し、2006年にアジアサッカー連盟に加盟)の優勝となっており、両国以外の優勝は2012年大会のタヒチしかありません。
アジアカップ以外で、おすすめの大陸選手権は?
EUROとコパ・アメリカです。
W杯優勝国がこの2つの地域からしか出ていないことからもわかるように、実力的には抜けています。
2つのうちどちらかを選べ、と言われたら、EUROですね。
世界のサッカーの最先端はやはり欧州ですし、大会規模の面から言ってもEUROが一歩リードしていると思います。
日本で見ることはできる?
放映権の取得は大会ごとに行われるので、「確実に日本で見られる!」という大会は残念ながら存在しません。
ただ、EUROとコパ・アメリカは過去の大会でテレビ中継がありました。
また、CONCACAFゴールドカップも、2017年大会はネット配信されています。
大会 | 放送・配信 |
コパ・アメリカ2015 | スカパー(全試合中継)、テレビ東京(決勝を録画放送) |
EURO2016 | WOWOW(全試合中継)、テレビ朝日系列 |
CONCACAFゴールドカップ2017 | DAZN(全試合中継) |
なお、日本が招待国として出場するコパ・アメリカ2019はDAZNで、EURO2020はWOWOWでの中継が発表されています。(EURO2020は全試合中継)。
※2019年5月22日、コパ・アメリカ2019も全試合ライブ配信されることが、DAZNから発表されました。開幕は2019年6月15日(土)です。
どちらも有料放送ですが、加入して観戦するだけの価値はあると、個人的には思っています。
まとめ:大陸選手権は、代表チームにとってW杯に次ぐ大会
- 国際サッカー連盟(FIFA)傘下の大陸連盟は、全部で6つ。そのすべてに大陸選手権がある
- 開催感覚は4年に1度の場合と、2年に1度の大会がある
- 日本で中継のある、アジア以外の大陸選手権もある
大陸選手権のほとんどは、各国の代表チーム・選手から「W杯に次ぐ重要な大会」と位置付けられています(OFCネイションズカップだけは例外で、辞退する選手もいるようですが)。
そのため、どの国も本気度が極めて高い。そしてだからこそ、真剣勝負を楽しむことができます。
日本代表の出場するアジアカップには自然と目が向きますが、それ以外の大会も注目です。
中でも、EUROとコパ・アメリカは、見ていて損はないと思います。
今回は、以上です。