こんにちは、早起きラガードです。
今回はそんな疑問について、
- J2が、現行の22チームになった2012年以降を対象に
- 昇格クラブが、翌年のJ1でどの程度の成績を残せているか
という視点から考えてみたいと思います。
なお、結論を先に書いてしまうと、J1昇格クラブの現実は
J2優勝 | J1で一桁順位も狙える |
---|---|
J2 2位 | 半分はJ1で戦う力がない |
J2 3位以下 | ほとんどJ1で戦えない |
となります。
前年度J2の優勝クラブは、J1で一桁順位も狙える
2012年以降にJ2で優勝したクラブの、翌年J1での成績は次のようになっています。
年度 | クラブ | 翌年J1の成績 |
2012 | 甲府 | 15位 |
2013 | G大阪 | 優勝 |
2014 | 湘南 | 8位 |
2015 | 大宮 | 5位 |
2016 | 札幌 | 11位 |
2017 | 湘南 | 13位 |
2018 | 松本 | シーズン中 |
2012年以降、J2で優勝してJ1昇格を果たしたクラブは、すべて残留に成功しています。
この実績だけで、J1で戦う力を十分備えていると言ってよいでしょう。
成績もすばらしい。2012年から2017年の間にJ2優勝を果たした6クラブのうち、半数にあたる3クラブが翌年のJ1で一桁順位に食い込んでいます。
- 2014年 G大阪 優勝
- 2015年 湘南 8位
- 2016年 大宮 5位
2014年G大阪の、昇格一年目での優勝は特に目を引きますね。2016年大宮も5位なので、十分上位の成績と呼んで良いと思います。
2015年湘南はさすがに中位ですが…… それでも、一桁順位に変わりはありません。
この事実から、J2王者は翌年のJ1で一桁順位を狙うことも可能だということがわかります。
前年度J2で2位のクラブの半数は、J1で戦う力がない
J2 2位で昇格したクラブの、翌年J1での成績は次のようになっています。
年度 | クラブ | 翌年J1の成績 |
2012 | 湘南 | 16位 |
2013 | 神戸 | 11位 |
2014 | 松本 | 16位 |
2015 | 磐田 | 13位 |
2016 | 清水 | 14位 |
2017 | 長崎 | 18位 |
2018 | 大分 | シーズン中 |
赤いマーカーの入っているのが、残留に失敗したクラブ。
2012年から2017年の間に2位で昇格した6クラブのうち、半数にあたる3クラブが、一年でJ2に送り返されています。
これらのクラブには、残念ながらJ1で戦う力がなかったと言えるでしょう。
J2 2位は自動昇格できる順位なのですが…… 現実は厳しいですね。
なお、残留に成功したクラブの中に一桁順位を確保できたところはなく、最高位は2014年神戸の11位。2位で昇格した全クラブが、二桁順位に留まっています。
前年度J2で3位以下のクラブは、ほとんどがJ1で戦えない
3位以下で昇格したクラブの、翌年J1での成績は次の通り。
年度 | クラブ | 翌年J1の成績 |
2012 | 大分(6位) | 18位 |
2013 | 徳島(4位) | 18位 |
2014 | 山形(6位) | 18位 |
2015 | 福岡(3位) | 18位 |
2016 | C大阪(4位) | 3位 |
2017 | 名古屋(3位) | 15位 |
2018 | なし | – |
J2 3位以下のクラブは、プレーオフを勝ち抜くことでJ1に昇格できます。
このプレーオフ、2018年から方式が変わり、それまでのJ1昇格プレーオフから、J1参入プレーオフと名称も変更になりました。
J2 3位から6位までのクラブが参加し、勝ち抜いたクラブが昇格できる
J2 3位から6位までのクラブと、J1 16位のクラブが参加し、勝ち抜いたクラブが翌年のJ1に参加できる
二つの方式の違いは、J1 16位のクラブがプレーオフに出場するか否か。
2017年までは、J1 16位にプレーオフ出場権はなく、自動降格になっていました。
制度が変更になって、J1 16位にもプレーオフ出場権が与えられるようになった理由の一つが、ご覧の通りのプレーオフ勝ち抜き組の成績。
2012年から2017年の間にプレーオフを勝ち抜いた6クラブのうち、実に4クラブが一年でJ2に降格しています。
残留に成功した2クラブは、元々J1常連。名古屋にはJ1優勝経験もありますから、この2クラブはちょっと意味合いが異なるでしょう。
他の4クラブは、18位(最下位)で降格。それも、最低残留順位に当たる15位とは、大差を付けられての降格でした。
年度 | クラブ | 15位との勝ち点差 |
2013 | 大分 | 23 |
2014 | 徳島 | 22 |
2015 | 山形 | 10 |
2016 | 福岡 | 11 |
最も差が小さい2015年の山形でも、勝ち点差は10。
2013年大分、2014年徳島は、20以上の大差を付けられています。
これでは、J1参入プレーオフの導入も仕方がないでしょう。
J2 3位以下で昇格したクラブの大半が、J1でまともに戦う力のないことがわかります。
まとめ:J1でまともに戦うには、J2優勝レベルの力が必要
2012年から、22クラブ体制になったJ2。
1位と2位が自動昇格、3位から6位のクラブにはプレーオフ出場権が与えられます。
プレーオフ組も、J2の中では十分上位です。全部で22クラブありますからね。
それでも、J1では通用しない。
自動昇格枠の2位であっても、半数が1年でJ2に送り返されているのが現状です。
確実に生き残ることができているのは、優勝したクラブのみ。
J1とJ2の間には、「J2で優勝できる力があって初めて、J1でまともに戦うことができる」くらいの差があるということですね。
ただ、時代を遡ってみると、J2優勝クラブですら、1年でJ2に送り返されていた時代もあります。
そのあたりについては、こちら。
今回は、以上です。