こんにちは、早起きラガードです。
Jリーグは初年度から見続けています。
今回は、そんな疑問にお答えします。
なお、結論を先に言ってしまうと、
- Jリーグで最も観客動員数の多いクラブは浦和レッズ
- それも、2位以下のクラブに大差をつけたぶっちぎりの1位
です。
浦和レッズは、Jリーグで最も観客動員が多い
圧倒的な浦和の観客動員力
2018年の、1試合平均観客動員数ランキング(J1)は以下の通りです。
順位 | クラブ | 観客数 |
1 | 浦和 | 35,502人 |
2 | FC東京 | 26,432人 |
3 | 名古屋 | 24,660人 |
4 | G大阪 | 23,485人 |
5 | 川崎 | 23,218人 |
6 | 横浜FM | 21,788人 |
7 | 神戸 | 21,630人 |
8 | 鹿島 | 19,434人 |
9 | C大阪 | 18,811人 |
10 | 札幌 | 18,223人 |
11 | 磐田 | 15,474人 |
12 | 仙台 | 15,408人 |
13 | 鳥栖 | 15,000人 |
14 | 清水 | 14,991人 |
15 | 広島 | 14,346人 |
16 | 湘南 | 12,120人 |
17 | 柏 | 11,402人 |
18 | 長崎 | 11,225人 |
1位浦和の観客動員数は、35,502人。2位FC東京が26,432人ですから、その差は9,000人以上になります。
2位FC東京と3位名古屋との差が、1,772人。
4位G大阪とFC東京との差は2,947人で、9,000人以上の差が付くのは、11位磐田から、という事実を見ても、この差がいかに大きいかおわかりいただけるでしょう。
- 10位 札幌 8,209人
- 11位 磐田 10,958人
1位と2位の差が2位と11位の差に相当するわけですから、1位浦和と2位FC東京の間には10クラブ分の差があるということになります。
浦和の動員力がいかに飛び抜けているかわかります。
ちなみに1位浦和と2位のクラブの差が最も開いたのは2008年。その差は、13,119人でした。
1試合平均3万人を今も超え続けているクラブは、他にはない
1993年から2018年の浦和の1試合平均観客動員数は、次の通り。
1993 | 11,459人 |
---|---|
1994 | 18,475人 |
1995 | 19,560人 |
1996 | 24,329人 |
1997 | 20,504人 |
1998 | 22,706人 |
1999 | 21,276人 |
2000 | 16,923人(J2) |
2001 | 26,720人 |
2002 | 26,296人 |
2003 | 28,855人 |
2004 | 36,660人 |
2005 | 39,357人 |
2006 | 45,573人 |
2007 | 46,667人 |
2008 | 47,609人 |
2009 | 44,210人 |
2010 | 39,941人 |
2011 | 33,910人 |
2012 | 36,634人 |
2013 | 37,100人 |
2014 | 35,516人 |
2015 | 38,745人 |
2016 | 36,935人 |
2017 | 33,542人 |
2018 | 35,502人 |
2004年以来、浦和は毎年3万人超の観客動員を続けています。
これも、すごい記録です。
浦和を除くと新潟だけ
1試合平均観客動員数が3万人を超えたことのあるクラブは、その新潟も、2003年から2010年までしか3万人超えを維持できなかった
一方浦和は、2004年から15年以上3万人超えを継続中
成績が落ち込んで残留争いに巻き込まれたり、「差別横断幕事件」でホーム無観客試合の制裁を受けた年(2014年)も、3万人は下回りませんでした。
Jリーグ創設以来、常に浦和が観客動員数最多だったわけではない
浦和が初めて観客動員数1位になったのは、開幕4年目の1996年
今でこそ、圧倒的な観客動員力を誇る浦和ですが、Jリーグ開幕当初はそうではありませんでした。
観客動員数も、ずっと1位だったわけではありません。
開幕当初の3年間(1993~1995)は2位にすら届かず、初年度は何と10クラブ中10位。最下位でした。
- 1位 V川崎 25,235人
- 10位 浦和 11,459人
1位のヴェルディ川崎(V川崎、現在の東京ヴェルディ1969)に、13,776人もの大差を付けられています。
今では、ちょっと考えられないですよね。
ただ、これには少し事情があって、当時浦和が主に利用していたホームの駒場スタジアムには、10,000人分の収容能力しかありませんでした。
その駒場スタジアムで、ホーム18試合中17試合を開催。これでは観客動員が10,000人程度に留まってしまうのも当たり前ですよね。
実は、この10,000人という収容能力は、Jリーグが規定していた収容人員の下限を下回っていました(下限は15,000人)。
そこで当時の浦和市(現さいたま市)が、94年後半から一年かけて駒場を改修。収容能力は21,500人と倍増しました。
その効果もあって、観客動員数のランキングは2年目に8位、3年目には4位と順調に上昇。
Jリーグ開幕4年目の1996年に、初めて首位の座に付きました。
1996年以降、浦和が最初に観客動員首位を明け渡したのは2000年
1996年に観客動員数1位になってから2018年までの23年間のうち、浦和がその座を明け渡した年が4度あります。
- 2000年
- 2003年
- 2004年
- 2005年
初めは、首位奪取から4年後の2000年。
前年のJ1で15位に沈んだ浦和が降格の憂き目にあい、クラブ史上初めてJ2で戦った年です。当時のJ1は16クラブで、15位と16位が降格圏でした。
さすがの人気クラブも下位リーグでの戦いに集客減は避けられず。この年は5,000人近く観客が減りました。
- 1999年 21,276人
- 2000年 16,923人
それでも、1位鹿島に次ぐ2位なので、相対的に見れば決して低い数字ではありません。
その後1年でJ1復帰を果たすと、観客動員数は一気に回復。前年から1万人近く増加し、降格前を上回りました。
- 2000年 16,923人
- 2001年 26,720人
ランキングも、見事1位に返り咲きました。
2003、2004、2005年は、新潟の後塵を拝す
J1復帰と同時に奪還した観客動員数首位でしたが、それも長くは続きませんでした。
わずか2年で、再びその座から転落してしまいます。
浦和を上回ったのは、アルビレックス新潟。
収容能力42,300人のデンカビッグスワンスタジアムをホームとするクラブです。
観客動員数が初めて浦和を越えた2003年は、まだJ2でした。その後、2004年、2005年と浦和を抑えて3年連続で、観客動員数1位の座を守ります。
2003年
- 新潟 30,339人(J2)
- 浦和 28,855人
2004年
- 新潟 37,689人
- 浦和 36,660人
2005年
- 新潟 40,114人
- 浦和 39,357人
1試合平均観客動員数が初めて3万人を超えたのは、新潟です。
4万人越えも、新潟が最初でした。
この時期の浦和は、完全に新潟の後塵を拝しています。
ただ、観客自体が減っていたわけではなく、前年度比では増加が続いていました。
これには、当時の浦和の好成績も関係しています。
この頃の浦和は最初の黄金期に当たっており、毎年のようにタイトルを獲得していました。
- 2003年 ナビスコ杯
- 2004年 2ndステージ
- 2005年 天皇杯
- 2006年 J1リーグ、天皇杯
そうして順調に観客を増やしていった結果、2006年に観客動員数でも首位に返り咲きます
2006年
- 浦和 45,573人
- 新潟 38,709人
1位浦和、2位新潟の構図は、この後2013年まで続きました。
2006年以降は観客動員数首位をキープ
埼玉スタジアム2002の存在
2006年から、観客動員数1位の座を維持し続けている浦和。1試合平均観客動員数3万人越えも、2004年から続いています。
浦和のこの圧倒的な観客動員力を語るのに、埼玉スタジアム2002の存在は欠かせません。
浦和がかつてメインで使用していた駒場スタジアムの収容能力については、既に触れました。
95年の改修完了後、収容能力は21,500人と倍増。
けれど、それは決して熱狂的な浦和のサポーターの観戦欲を満たしてくれるものではありませんでした。
21,500では、足りないのです。
この時期の浦和は、本当にチケットが取れませんでした。
クラブ側もそれがわかっていたのか、年に3、4試合は50,000人が収容可能な(旧)国立競技場での開催がありました。
しかし、あくまで応急処置に過ぎません。
観戦に行きたくても、行けない浦和の試合。この問題を解消してくれたのが、2001年に完成した埼玉スタジアム2002でした。
駒場スタジアムのリーグ戦での使用は、2009年が最後
翌年に控えた自国開催のW杯のために建設された埼玉スタジアム2002の収容能力は、63,700人。
駒場スタジアムの約3倍です。
サッカー専用競技場としては日本最大で、日本一の観客動員を誇る浦和にふさわしいスタジアムとなりました。
完成と同時にこのスタジアムを使い始めた浦和は、年々その使用比率を高めていきます。
浦和のホーム試合で使われた回数(駒場スタジアムと埼玉スタジアム2002)
駒場 | 埼玉 | |
2001年 | 11 | 2 |
2002年 | 9 | 5 |
2003年 | 8 | 7 |
2004年 | 6 | 9 |
2005年 | 4 | 13 |
2006年 | 2 | 15 |
2007年 | 2 | 15 |
2008年 | 1 | 16 |
2009年 | 1 | 16 |
2010年 | 0 | 17 |
2010年以降のリーグ戦で、浦和のホームスタジアムとして駒場スタジアムが使用されたことはありません。
1位をキープしているものの、過去最多からはほど遠い
ランキングでは1位を維持し続けている浦和。しかしその状況は決して楽観できるものではありません。
過去最多を記録した2008年と比較すると、10年間で12,000人以上も観客が減っているからです。
- 2008年 47,609人
- 2018年 35,502人
4万人超えも、2009年を最後にありません。
2014年から2018年の浦和は、2000年代半ばの黄金期に近い成績を残しています。
- 2014年 J1 2位
- 2015年 1stステージ優勝
- 2016年 2ndステージ優勝、ルヴァン杯優勝
- 2017年 ACL優勝
- 2018年 天皇杯優勝
それでも、1試合平均4万人には届いていません(2015年の38,745人が最多)。
2017年のACL制覇も、爆発的な観客増にはつながりませんでした。
- 2017年 33,542人
- 2018年 35,502人
毎年タイトルは獲得しているのですが…… 悩ましいところですね。
まとめ:Jリーグ最多の観客動員数を誇る浦和だが、常に1位だったわけではない
- Jリーグ最多観客動員クラブは浦和
- だが、常に1位だったわけではない
- 1993年から1995年と、2003年から2005年は2位以下だった
- 最も観客が多かったのは2008年
2013年に新潟が脱落してから2018年までの6年間に、観客動員2位になった回数が最も多いのはFC東京です。
2013年~2018年のFC東京
順位 | 観客動員 | |
2013 | 4位 | 25,073人 |
2014 | 2位 | 25,187人 |
2015 | 2位 | 28,784人 |
2016 | 3位 | 24,037人 |
2017 | 2位 | 26,490人 |
2018 | 2位 | 26,432人 |
ホーム味の素スタジアムの収容人員は49,970人ですから、数字上、浦和を越えることは十分可能です。
ですが、現状3万人台にも届いていないことを考えると、すぐに浦和を脅かす存在になるとは思えません。
浦和の1位は当分続くでしょう。
浦和にとってライバルとは、他のクラブではなく過去の自分なのかもしれません。
まずは、かつて持っていた1試合平均4万人台の動員力を取り戻すこと。
そうして、過去最多を記録した2008年の実績を越えること。
5万人を越える観客の入った埼玉スタジアムは壮観です。
あの光景が毎試合味わえるようになると、スタジアムに足を運びたいと思う人がもっと増えるんじゃないかと思います。
今回は、以上です。