本記事では、初心者には少しわかりにくいところのある「Jリーグの仕組み」について紹介します。
- Jリーグの構成と大会方式
- Jリーグの優勝と順位による特典
- Jリーグ以外の大会との関係
そもそもJリーグって?
Jリーグの正式名称は、「日本プロサッカーリーグ」です。
英文表記は「JAPAN PROFESSIONAL FOOTBALL LEAGUE」。
「Jリーグ」は略称で、Jリーグの「J」は、「JAPAN」から取られています。
基礎となったのは日本サッカーリーグ(JSL)
Jリーグは、1993年に始まった日本のプロサッカーリーグです。
ただ、1992年以前にも、サッカーの全国リーグ自体は存在していました。
「日本サッカーリーグ(Japan Soccer League)」という、Jリーグの母体となったリーグです。
英語表記の頭文字をとって、JSLと呼ばれていました。
ただし、JSL自体はアマチュア主体のリーグでした。
このため、
- 日本サッカーのレベルアップ
- サッカーの人気回復
といった、当時の日本サッカー界が抱えていたいくつかの問題の解決に限界があり、日本のサッカーリーグのプロ化が望まれていました。
オリジナル10の9割は元JSL
Jリーグの開始に伴い、JSLは1991-92シーズンをもって終了となりました。
ただ、その存在は現在のJリーグの基礎となっています。
その証拠に、
Jリーグ初年度の参加10クラブ(いわゆるオリジナル10)のうち9クラブまでが、元JSLのクラブ
となっています。
[icon class=icon-link] J2降格経験のないオリジナル10は存在する?【Jリーグ】
Jリーグの構造
Jリーグは現在、1部から3部までの3部構成になっています。
- 1部:J1リーグ
- 2部:J2リーグ
- 3部:J3リーグ
この3つのリーグ、すなわち、J1からJ3までがJリーグです。
最上位はもちろん、1部リーグであるJ1リーグになります。
Jリーグのクラブ数・チーム数
2021年現在、Jリーグには、57クラブが参加しています。
といっても、これはもちろんJ1からJ3まですべてを合わせた数字です。57チームで、リーグ戦をやっているわけではありません。
各カテゴリのチーム数は、次の通り
- J1リーグ:20チーム
- J2リーグ:22チーム
- J3リーグ:15チーム
なお、本来J1リーグは定員が18チームです。
2チーム多いのは、2020シーズンがコロナ禍の影響で、昇格あり・降格なしという特別ルールで開催されたためです。
Jリーグの昇格と降格
Jリーグには、カテゴリ間で昇格と降格が存在しています。
シーズン終盤になると、優勝争いとともに話題になるので、聞いたことがある方もいるんじゃないかと思います。
Jリーグの昇格と降格は、次のようになっています。
- J1リーグ
-
- 毎年最大3チームがJ2に降格
- J2リーグ
-
- 毎年最大3チームがJ1に昇格
- 毎年最大2チームがJ3に降格
- J3リーグ
-
毎年最大2チームがJ2に昇格
昇格・降格の対象になるチームは、
- シーズンの最終順位
- プレーオフの結果
で決まります。
実際には、条件を満たしていても昇格できないケースも存在するのですが、そのあたりの詳しい事情は、こちらの記事で紹介しています。
[icon class=icon-link] 【Jリーグ】昇格・降格の仕組みを徹底解説。順位以外の条件もある?
なお、J3からの降格は今のところありません。
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Jリーグの順位決定方法
Jリーグの昇格・降格には、シーズンの最終順位が大きく関係することを紹介しました。
Jリーグの順位決定で最も優先されるのは、「勝ち点」です。
勝ち点と聞くと、「複雑な付与方式があるのでは」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
Jリーグの勝ち点付与方式は、極めてシンプル。
- 勝利 :勝ち点3
- 引分け:勝ち点1
- 敗戦 :勝ち点0
これだけです。
1点差勝利も、10点差勝利も与えられる勝ち点は3。
0-0の引分けも、5-5の引き分けも、与えられる勝ち点は1になります。
結果がすべてで、内容は一切関係ありません。
なお、勝ち点が同数で並んだ場合の優先順位は、次の通りとなっています。
- 全試合の得失点差
- 全試合の総得点数
- 該当するクラブ間の対戦成績(イ:勝点、ロ:得失点差、ハ:総得点数)
- 全試合の反則ポイント
- 抽選
※勝利チームに与えられる勝ち点が「2」ではなく「3」である理由については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
J1上位チームに与えられるACL出場権
J1リーグに参加しているチームにとってリーグ戦の順位は、優勝とJ2降格以外にもう1つ重要な意味があります。
というのも、
J1リーグ3位以上のチームには、ACL出場権が与えられる
からです。
ACLの正式名称は、AFCチャンピオンズリーグ。アジア各国の上位チームだけが出場できる、アジアで最も権威の高い大会です。
このため、たとえ優勝に手が届かなかったとしても、3位以上でシーズンを終えることはJ1参加チームにとって極めて重要です。
シーズンの目標を、ACL出場権獲得においているチームもあるくらいですからね。
なお、ACL出場権は、状況次第でJ1リーグ4位のチームに与えられるケースもあります。
そのあたりの詳しい事情は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
[icon class=icon-link] ACL、日本の出場枠は? 出場権が与えられるのはどんなクラブ?
Jリーグはいつやっている?
Jリーグは、春秋制という開催期間を採用しています。
春秋制とは、春に開幕して、秋に終了する方式のことです。
年によって微妙な違いはあるのですが、具体的な日程はおおよそ、
- 開幕:2月下旬~3月上旬
- 終了:12月上旬
となっています。
ヨーロッパでは秋春制という開催期間を取っているところが多いです。この場合、8月~9月にリーグが開幕して、5月に終了します。
試合は何曜日にやってる?
基本的に、週末開催(土曜日か日曜日)です。
ですが、日程の都合で平日に実施される場合もあります。
その場合は、水曜日に開催される場合がほとんどです。
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Jリーグのクラブが出場する主要な大会は4つ
Jリーグのクラブが出場する大会は、実はJリーグ(リーグ戦)だけではありません。
1シーズンの間に、Jリーグ以外にもいくつかの大会に出場しています。
Jリーグ(リーグ戦)も含めた主要な大会は、次の4つになります。
- Jリーグ(リーグ戦)
- ルヴァンカップ
- 天皇杯
- ACL
これらの大会は、Jリーグと開催期間が重なっています。
そのため、試合はJリーグと並行して実施されることになります。
同じ週の水曜日と土曜日に試合があった場合、
- 水曜日の試合:ルヴァンカップ
- 土曜日の試合:Jリーグ
というような感じですね。
なお、J1、J2、J3の全クラブが、毎年これらすべての大会に出場できるわけではありません。
ACLのように出場権獲得が必要な大会もあれば、ルヴァンカップのようにJ2以下のクラブの参加が限定される大会もあります。
ルヴァンカップ
ルヴァンカップの正式名称は、「JリーグYBCルヴァンカップ」。
Jリーグの「リーグカップ」に当たる大会で、NHKなどでは「Jリーグカップ」とも呼ばれています。
主催はその名の通りJリーグで、出場できるのは次のチームとなっています。
- J1全チーム
- J2の一部チーム
なお、J3のチームに出場資格はありません。
ルヴァンカップの大会方式やシード権などは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
[icon class=icon-link] ルヴァンカップってどんな大会? 出場クラブは? シードはある?
天皇杯
天皇杯の正式名称は、「天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会」。
こちらは日本サッカー協会が主催する、「オープンカップ」に当たる大会です。
特徴的なのは、アマチュアのチームも出場が可能な大会であること。
ただし、J1とJ2のクラブ以外は、本大会に出場するために各都道府県で実施される予選を勝ち抜く必要があります。
- J1、J2:本大会から出場
- J3 :予選から出場
天皇杯の大会方式や歴史については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
[icon class=icon-link] 【サッカー】天皇杯ってどんな大会? ACL出場権は関係している?
ACL
サッカーで言うACLとは、AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League)のことです。
毎年開催されている、アジアNo.1クラブを決める国際大会で、参加資格が与えられるのは、
アジア各国から国内のリーグ戦、カップ戦の王者と上位チームだけ
となっています。
日本から出場できるのは、次の4チーム。
- J1リーグの3位以上
- 天皇杯優勝
実際には、J1リーグ4位のチームにもACLの出場権が与えられるケースがあります。詳細は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
国内3大タイトルの重要度
ここまで紹介してきた大会のうち、
- J1リーグ
- ルヴァンカップ
- 天皇杯
の3つは、日本サッカーの「国内3大タイトル」と呼ばれています。
サッカーでは、1つのシーズンで主要な3つのタイトルを獲得することを「トレブル」と呼ぶのですが、日本で国内トレブルを達成したことがあるのは、次の2クラブだけとなっています。
- 鹿島アントラーズ(2000年)
- ガンバ大阪(2014年)
国内3大タイトルの重要度については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
[icon class=icon-link] 【サッカー】国内3大タイトルの重要度を紹介【最も重要なのは?】
なお、結論だけお伝えしておくと、
- J1リーグ
- 天皇杯
- ルヴァンカップ
の順になります。
Jリーグを視聴する方法
スタジアム観戦以外だと、テレビやネット配信で試合中継があります。
最も確実、かつ最も多くの試合を観戦できるのはDAZNです。
DAZNはJ1からJ3まで、全試合のLIVE配信があるからです。
「応援しているクラブのJリーグの試合を全部見たい」ということであれば、DAZN一択と考えて良いでしょう。
DAZN以外だと、NHK-BSやNHK総合、地方ローカル局などで数試合放送があります。
NHK-BSは、毎節1試合はやってくれているようですが、中継対象が毎回同じクラブというわけにはいかないので、「応援しているクラブの試合だけを見たい」という場合にはちょっと厳しいですね。
2021年からはACLの配信も始まりましたし、Jリーグを見るなら、やはりDAZNだと思います。
もちろん私も、DAZNに加入しています。
- Jリーグ中継に課金を決めた理由【DAZNなしでは7割以上の試合を見逃す】
- DAZNで視聴可能なサッカーの大会を紹介【Jリーグ以外は?】
- DAZNをテレビで視聴する7つの方法【おすすめはFire TV Stick 4K】
Jリーグの仕組み:まとめ
本記事ではこれからJリーグを観てみようかな、と考えている方向けに、Jリーグの仕組みについて紹介しました。
今回ご紹介したのは基本的な部分だけですが、
- これからJリーグを観てみようと考えている方
- Jリーグを観始めたばかりの、初心者の方
は、まずは本記事の内容を押さえておけば、Jリーグをより楽しめるようになると思います。
今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。