こんにちは、早起きラガードです。
今回は、こんな疑問にお答えします。
なお、先に結論を書いてしまうと、2020年のJリーグで強豪と呼べるのは、
- 川崎
- 鹿島
の2クラブだけです。
何故、この2クラブだけが強豪と呼べるのか。
本記事で詳しくご紹介します
どんなクラブがJリーグの強豪?
まず、「強豪」という言葉の定義をはっきりさせておきましょう。
辞書的な意味での「強豪」は、
勢いが盛んで強いこと。また、その人。「強豪どうしの対決」
出典:goo辞書
となります。
ただ、これだけだとどのクラブを強豪と呼んでいいのか、はっきりしないですよね。
できれば具体的な数字で決めたいところです。
「3位以上」が強豪
「Jリーグの強豪」を明らかにする上で、真っ先に思いつく数字といえば、
- 順位
- 勝ち点
の2つですね。
ここでまず取り上げたいのは「順位」
こちらは、「3位」という明確なラインがあります。
何故なら、年間順位3位以上のクラブには、
- ACL出場権
- 賞金
という2つの特典が与えられるからです。
4位以下のクラブとは明らかに違った扱いを受ける、「3位以上」。
ここに食い込むことは、強豪に必須な条件の1つと言えるでしょう。
※なお、ACL出場枠については、「ACL、日本の出場枠は? どのクラブに出場権が与えられるかについても説明します。」という記事でご紹介しています。参考までに。
判定期間は直近3年間
ところが、ことはそう単純ではありません。
1年だけの実績だと、たまたまあるシーズンだけ調子が良いクラブというのも出てきてしまうからです。
昨年までJ2だったクラブが、昇格1年目でいきなり3位に入っても、強豪と呼ぶには抵抗がありますよね?(そういうケースは、実際に存在します)
2~3年は様子を見たいところです。
そこで強豪の判定には、1年ではなく3年間の成績を利用し、
直近3年間の成績が、3位以上相当
とします。
勝ち点「185」以上
そういう方法も、あるにあります。
ただ、ここで「順位」とともに取り上げたもう一つの数字、「勝ち点」の観点で考えると、違う年の順位を同列で語ってしまうのは、公平性を欠く面が出てきてしまうんですよね。
勝ち点55で3位になれる年もあれば、勝ち点60でも5位にしか届かない年もあるわけです。
普通に考えると、勝ち点60を獲得した方が「強豪」によりふさわしいわけですが…… 順位だけで見た場合、勝ち点55のクラブの方が「強豪」に認定されてしまう。
これを避けるためには、「3位」という順位ではなく、「3位相当の勝ち点」の方を採用する必要があります。
3位相当の勝ち点
J1リーグのクラブ数が、現在と同じ18になったのは2005年です。
※それ以前は、もっと少ないクラブ数でJ1リーグは実施されていました。そのあたりの事情は「Jリーグのチーム数は50以上! チームがない県についても紹介します」という記事で紹介していますので、興味のある方はぜひこちらをご覧ください。
2005年から2019年までの15年間で、年間順位3位のクラブの平均勝ち点は61.4でした(2ステージ制が実施された2015年と2016年については、年間勝ち点3位の方を採用しています)。
すなわち、勝ち点61.4が3位相当の勝ち点と言うことができます。
これを3年連続で獲得したとすると、合計は、
61.4 × 3(年)= 184.2
勝ち点に少数はありませんから、
直近3年間の獲得勝ち点の合計が185以上
であれば、3年連続で3位以上となったのと、同じだけの勝ち点を積み上げたことになります。
そしてこれこそがまさに、Jリーグの強豪の条件です。
つまり、Jリーグの強豪とは、
直近3年間の獲得勝ち点の合計が、185以上のクラブ
のことになります。
Jリーグの強豪【2020年】
過去3年間(2017年~2019年)の、合計獲得勝ち点上位5クラブは、次の通り。
順位 | クラブ | 直近3年の勝ち点合計 |
1 | 川崎フロンターレ | 201 |
2 | 鹿島アントラーズ |
191 |
3 | セレッソ大阪 | 172 |
4 | 横浜F・マリノス | 170 |
5 | FC東京 | 154 |
表から明らかですね。
直近3年間(2017年~2019年)の獲得勝ち点の合計が185以上なのは、
- 川崎フロンターレ
- 鹿島アントラーズ
の2クラブ。
このため、この2クラブのみがJリーグの強豪ということができます。
他のクラブは、勝ち点が足りないですね。
横浜F・マリノスは2019年のJ1リーグ王者ですが、獲得勝ち点の合計は170と強豪ラインから15も足りていない。
2017年は勝ち点59(5位)を獲得できていたのですが、2018年が勝ち点41(12位)と振るいませんでした。こちらが大きく影響して、強豪からは漏れています。
2019年2位のFC東京は、2017年が勝ち点40(13位)、2018年が勝ち点50(6位)とこちらも過去2年の成績で大きな不足が生まれました。
昨年の成績だけ見れば、この2クラブは十分すぎるほど「強豪」なのですが、期間を延ばすことで「瞬間最大風速的な好成績」の疑いが晴れていないことがわかります。
この事実からも、「直近3年間」という期間に幅を持たせることの意味が、おわかりいただけるかと思います。
Jリーグの「準強豪」【2020年】
結論から書くと、2020年のJリーグの「準強豪」は、
- セレッソ大阪
- 横浜F・マリノス
の2クラブになります。
「Jリーグの準強豪」の条件
準強豪の条件も、基本的な考え方は「強豪」の場合と同じです。
違うのは順位のラインで、強豪では「3位以上」としていたのを、準強豪では「6位以上」(正確には、6位以上4位以下ですね)としています。
※6位に設定したのは、J1リーグが全18クラブだからです。全体の、上位3分の1なので6位以上にしています。
2005年から2019年までのJ1リーグ年間6位のクラブの平均獲得勝ち点は、54.3。
54.3 × 3(年)=162.9
ですから、
直近3年間の獲得勝ち点の合計が、163以上185未満のクラブが準強豪
となります。
Jリーグの準強豪クラブ
再び、過去3年間(2017年~2019年)の合計獲得勝ち点上位5クラブです。
順位 | クラブ | 直近3年の勝ち点合計 |
1 | 川崎フロンターレ | 201 |
2 | 鹿島アントラーズ |
191 |
3 | セレッソ大阪 | 172 |
4 | 横浜F・マリノス | 170 |
5 | FC東京 | 154 |
準強豪の条件である、勝ち点163以上185未満を満たすのは
- セレッソ大阪
- 横浜F・マリノス
の2クラブ。
したがって、この2クラブがJリーグの準強豪いうことになります。
今後、強豪に名乗りを上げそうなクラブは?
強豪の条件は、「直近3年間の獲得勝ち点185以上」ですから、過去2年間の獲得勝ち点を見れば、今後強豪の名乗りを上げそうなクラブは大体わかります。
過去2年間(2018年~2019年)の獲得勝ち点上位6クラブは、次の通り。
順位 | クラブ | 直近2年の勝ち点合計 | 勝ち点185との差 |
1 | 川崎フロンターレ | 129 | 56 |
2 | 鹿島アントラーズ | 119 | 66 |
3 | FC東京 | 114 | 71 |
4 | サンフレッチェ広島 | 112 | 73 |
5 | 横浜F・マリノス | 111 | 74 |
6 | セレッソ大阪 | 109 | 76 |
一番右の列「勝ち点185との差」が、2021年に強豪に名を連ねるために、2020年に獲得が必要な勝ち点です。
2021年に強豪と呼ばれる可能性があるのは、横浜F・マリノスまでの5クラブと考えてよいでしょう。
というのも、J1リーグの参加クラブが18になった2005年から2019年までの間の獲得勝ち点の最高値は74だからです。
5位の横浜F・マリノスの必要勝ち点は74なので、簡単ではありませんが可能性はあると言えるでしょう。
実際、過去に達成しているクラブがありますからね。
しかし、6位のセレッソ大阪になると、必要勝ち点は76になります。これは、これまでどのクラブも到達していない未知の領域。
かなり厳しいものとなります。
したがって、5位の横浜FMまでが、今後強豪に名を連ねる可能性のあるクラブと考えておくのが妥当、と言えるでしょう。
Jリーグの強豪【2020年】:まとめ
今回は、2020年時点でのJリーグの強豪、準強豪クラブをご紹介しました。
Jリーグの強豪【2020年】
- 川崎フロンターレ
- 鹿島アントラーズ
Jリーグの準強豪【2020年】
- セレッソ大阪
- 横浜F・マリノス
なお、本記事で取り上げた「強豪」は、あくまで「2020年時点での強豪」です。
同じクラブが今後も永遠に強豪であり続ける保証はどこにもありません。
それについては、Jリーグの歴史が何よりはっきりと物語っています。
- ヴェルディ川崎の黄金期
- 鹿島と磐田の二強時代
- 横浜FMのリーグ連覇時代
- 浦和とG大阪の二強時代
というように、時代とともに強豪も移り変わってきていますからね。
知識を最新に保つ一番の方法は、やはりJリーグを追いかけることかな、と思います。
今回は、以上です。
※関連記事です(本文中でご紹介したものを含みます)。
https://earlylaggard.com/number-of-jleague