こんにちは、早起きラガードです。
Jリーグを追って、もう25年以上になります。
J1リーグの15位、16位、17位を2005年から追っています。
今回は、その13回目。
対象は2017年です。
前回、2016年はこちら。
2017年のJ1 15位から17位のクラブには、次のような特徴がありました。
- 15位 後半の巻き返しと、低めの残留ラインに救われる
- 16位 中盤の不調が長引き、勝ち点1差に泣いた
- 17位 終盤の猛チャージも、23試合目までの勝ち点一桁が祟る
詳しく見ていきます。
2017年のJ1残留争い
レギュレーション
2015年に始まった2ステージ制が廃止され、1ステージ制に戻されました。
が、降格にかかわるレギュレーションには変更なし。
15位までが、J1に残留。
16位、17位、18位が自動降格となります。
16位 | 自動降格 |
---|---|
17位 | 自動降格 |
18位 | 自動降格 |
※当時のレギュレーションだと、16位と17位はともに自動降格となり、違いはありません。
しかしながら現在のレギュレーションでは、「16位のクラブはJ1参入プレーオフに出場、17位以下が自動で降格」と大きな差があるため、本記事では現在に合わせて16位と17位に違いがあるものとして見ていきます。
2017年J1の結果
順位 | クラブ | 勝ち点 |
15位 | 広島 | 33 |
16位 | 甲府 | 32 |
17位 | 新潟 | 28 |
2017年は、残留ラインが低めでした。
15位広島でも、勝ち点33しか獲得していません。
残留争い常連ながら、いつもギリギリのところで降格を免れていた新潟が、遂に陥落してしまいました。
2004年のJ1昇格以来、初めてのJ2降格です。
残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?
15位広島
2017年は、広島にとって非常に苦しいシーズンとなりました。
4試合目で17位まで順位を下げると、その後も調子は上がらず。
25試合目まで22試合に渡って、降格圏である16位と17位を行ったり来たりします。
そのまま降格してしまってもおかしくないくらいの成績ですが、後半大きく盛り返しました。
21-25試合目から、5試合ごとに勝ち点6、7、6を獲得。
途中、29試合目から31試合目で3連敗を喫しているので、一気にスパートとはいかないものの、直後の2連勝で降格圏を脱し、何とか残留に成功しました。
17試合ごとの勝ち点で見ても、後半は前半の倍以上稼いでいます。
ただ、広島の最終勝ち点33は、15位としては必ずしも高いとは言えません。
むしろ低いと言った方が正しく、後半の巻き返しもさることながら、この年の広島は残留ラインの低さにも大いに助けられました。
この年の広島は、「前半絶不調、後半巻き返しているものの、他のシーズンならどうなったかわからない」クラブでした。
16位甲府
2017年の甲府は、15位広島と対照的です。
序盤の3試合目を除くと、25試合目までの間に、降格圏まで順位を下げたことはありませんでした。
12試合目から、ほとんどの期間を14位に滞在。
19試合目で一度15位に下がるも、すぐに元の位置を取り戻しています。
右肩下がりが始まったのは、23試合目から。
順位を15位に下げると、以降は長く腰を落ち着けた14位に復帰できず、15位と16位の間をうろうろした結果、最後は16位で降格となりました。
勝ち点32は、16位としては多くも少なくもないですが、15位広島とは1しか差がありません。
5試合ごとの獲得勝ち点も、広島と比較してそう見劣りしない。
勝ち点7の期間が2回、勝ち点6の期間が1回と、好調時の獲得勝ち点は広島を上回っています。
甲府にとって痛手だったのは、中盤。
上のグラフでも真中が凹んでいますが、11試合目から19試合目まで、9試合に渡って勝ちがありませんでした。
この不調期をもう少し短く終わらせることができていれば、結果は変わっていたかもしれません。
2017年の甲府は、「中盤の不調が長引き、勝ち点1差に泣いた」クラブでした。
17位新潟
目を引くのは、14試合目から33試合目まで20試合に渡る、18位(最下位)の維持。
これで最終順位が18位ではないのですから、驚異的と言ってもいいのかもしれません。
残留争いは常連の新潟ですが、この年は苦しみました。
リーグの折り返しに当たる、17試合目の勝ち点がわずかに8。一桁です。
二桁に届いたのは、24試合目になってから。
15位広島が13試合目、16位甲府は9試合目には二桁獲得していますから、24試合目は尋常ではない遅さです。
ぶっちぎりの最下位でもおかしくない途中経過ですが、この年の新潟はただでは終わりませんでした。
上の「17試合ごとの勝ち点」のグラフに、それはよく表れています。
二桁に届いたのが24試合目になってからだというのに、後半17試合で勝ち点20を稼いでいるのです。
リーグ最終盤、突如息を吹き返した新潟は、29試合目からの6試合を5勝1分のハイペースで駆け抜けました。
31-34試合目は、何と4戦全勝。
パーフェクトレコードで、勝ち点12を獲得します。
24試合目まで勝ち点一桁に留まっていたとは思えない、怒涛のラストスパートを見せた新潟。
ただ、フルスロットルになるのがあまりに遅すぎました。
長期間の、超低空飛行が祟った新潟。終盤の追い上げも、最下位を脱するのがやっとでした。
2017年の新潟は、「終盤の猛チャージも、23試合目までの勝ち点一桁が祟った」クラブでした。
まとめ:不調期にも安定して勝ち点を稼いだ広島が、残留を勝ち取る
2017年のJ1 15位、16位、17位には次のような特徴がありました。
- 15位 広島 後半の巻き返しと、低めの残留ラインに救われる
- 16位 甲府 中盤の不調が長引き、勝ち点1差に泣いた
- 17位 新潟 終盤の猛チャージも、23試合目までの勝ち点一桁が祟る
この3クラブ、好調期に稼いだ勝ち点には、実はそれほど差がありません。
- 15位 広島 勝ち点19
- 16位 甲府 勝ち点20
- 17位 新潟 勝ち点20
違いは、好調でない時期に稼いだ勝ち点。
不調期にも、安定して高めの勝ち点を稼ぐことのできた広島が残留に成功しました。
今回は、以上です。