こんにちは、早起きラガードです。
「残り10試合時点で、どのくらいの勝ち点差までなら自動降格圏から脱出が可能か」について、こちらの記事で紹介しました。
今回は、これよりさらに時間を進めて、
残り5試合の時点で自動降格圏にいるクラブが、逆転で残留可能な勝ち点差はどのくらいか
について、過去の実績を元に紹介したいと思います。
なお、結論は以下の通りとなります。
残り5試合時点で自動降格圏にいる場合
- 勝ち点3差以内なら、自動降格圏からの脱出は可能
- 脱出したクラブは、すべて無条件残留を勝ち取っている
あくまで、過去の実績を元にしています。詳しく、見ていきます。
J1残留の条件
J1残留の条件について、おさらいしておきます。
※基本的な事項を紹介しているだけなので、ご存知の方は次の見出しまで読み飛ばしていただいて構いません。
2018年以降、J1残留に関わるレギュレーションは次のようになっています。
15位 | 無条件で残留 |
---|---|
16位 | J1参入プレーオフに参加 |
17位 | 自動降格 |
18位 | 自動降格 |
J1参入プレーオフというのは、J1 16位のクラブとJ2 3位から6位のクラブが参加するトーナメント方式の入れ替え戦です。そこで勝ち残った1クラブだけが、翌年のJ1リーグへの参加を許されます。
※Jリーグの昇格・降格は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
https://earlylaggard.com/promote-relegate
15位以上は何の条件もなく残留できますから、まずは15位以上がJ1残留のための最初の目標となります。
残り5試合で逆転残留が可能な勝ち点差は?
残り5試合の位置付け
J1リーグの試合数は、1シーズンあたり34試合です。
これは、「全18クラブによる2回戦総当たり方式」が採用されているためです。
残り5試合というと、34試合中29試合を消化した時期。暦では、大体10月半ば頃になります。
誰が見ても明らかな終盤戦であるため、優勝争い、ACL出場権争い、残留争いがいずれも佳境を迎えている時期に当たります。
逆転残留って?
言葉の定義を整理しておきます。
- 自動降格圏 → 17位以下
- 逆転残留 → 最終順位で16位以上を確保
- 勝ち点差 → 15位との勝ち点差
②逆転残留が16位以上、というところに違和感を覚える方がいるかもしれません。
既に説明した通り、16位ではまだ残留は確定しておらず、J1参入プレーオフを戦う必要がありますからね。
ただ、元々落ち込んでいた自動降格圏からは脱していますので、一応逆転には成功している、ということはできます(残留にはまだ成功していないですが……)。
そこで本記事では、多少強引であることを承知の上で、16位以上を確保を逆転残留としたいと思います。
以上をまとめると、「残り5試合で逆転残留が可能な勝ち点差は?」という問いかけは、
「残り5試合の時点で17位以下のクラブが、16位以上を確保するための15位との最大勝ち点差は?」
と言い換えることができます。
どのくらいの勝ち点差なら、自動降格圏からの脱出が可能?
残り5試合の時点で17位以下だったクラブが、最終的に16位以上の確保に成功したケースは、実はあまり多くありません。
2005年から2018年までの14年間で、該当するのは以下の3例のみとなっています。
- 2008年 大宮
- 2012年 新潟
- 2018年 鳥栖
※スタートを2005年にしているのは、その年からJ1リーグが現在と同じ18クラブの体制になったからです。2005年以降、J1のクラブ数は18で変わっていません。
10試合時点では7例あったので、半分以下になっています。残り試合数が少なくなると逆転の可能性も小さくなることが、この結果からよくわかりますね。
このうち、15位との勝ち点差が最も大きかったのは、2018年の鳥栖。その差は、勝ち点3でした。
- 2008年大宮 : 2
- 2012年新潟 : 2
- 2018年鳥栖 : 3
残り10試合では、勝ち点10差の逆転例もあったのですが…… 残り5試合ともなると、さすがに逆転可能な差はずいぶん小さくなります。
以上の結果から、過去の実績を元にしたとき、自動降格圏からの逆転残留が可能な最大勝ち点差は3であることがわかります。
過去の実績を元にしたとき、自動降格圏からの逆転残留が可能な最大勝ち点差は3
自動降格圏から、無条件残留が可能な勝ち点差は?
もう少し具体的に言い直すと、
「残り5試合時点で17位以下のクラブが、15位以上を確保するための15位との最大勝ち点差は?」
になります。
この答えですが、前の項目と同じで勝ち点3です。
というのも、2005年から2018年の14年間で、残り5試合の時点での自動降格圏から脱出に成功したクラブは、すべて15位以上でシーズンを終えているからです。
- 2008年 大宮(17位 → 12位)
- 2012年 新潟(17位 → 15位)
- 2018年 鳥栖(17位 → 14位)
上記の通り。プレーオフ圏にとどまったクラブは、ありませんでした。
16位も一気に突っ切ってしまうくらいの勢いがないと、この段階からの逆転残留は難しいということなのかもしれません。
だからこそ、14年間で3クラブしか逆転を成し得ていないのでしょう。
残り5試合で、自動降格圏から15位以上の確保が可能な最大勝ち点差も3
逆転でJ1残留に成功したクラブは、残り5試合でどのくらい勝ち点を積み上げている?
最後に、逆転残留に成功した3クラブが残り5試合でどのくらい勝ち点を積み上げたか見ていきましょう。
2008年大宮(17位→12位)
勝ち点32 → 勝ち点43(+11)
2012年新潟(17位→15位)
勝ち点31 → 勝ち点40(+9)
2018年鳥栖(17位→14位)
勝ち点30 → 勝ち点41(+11)
平均勝ち点は、約10.4。残り5試合で3勝2分なら、満たせる成績になります。
厳しいですね。
優勝争いをしているクラブならいざ知らず、残り5試合で17位以下に低迷しているクラブが、これを達成しなければならないわけですから。
逆転残留の例が少ないのも、肯ける気がします。
まとめ:条件は厳しいが、残り5試合からでも逆転は可能
残り5試合時点で自動降格圏にいる場合
- 勝ち点3差以内なら、自動降格圏からの脱出は可能
- 脱出したクラブは、すべて無条件残留を勝ち取っている
残り5試合で自動降格圏にいるクラブの逆転例は、2005年からの14年間で3回しかありませんでした。
厳しい現実ですが、過去に例がある以上不可能ということはありません。
残り5試合で勝ち点3差以内なら、まだ大丈夫、いけるはず、と自分に言い聞かせましょう。
今回は、以上です。