Jリーグ

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2007年】

こんにちは、早起きラガードです。

たった一つの順位差でありながら、無条件で残留できるJ1 15位と、残留には条件が付くJ1 16位。

そしてそんな条件すらも与えられず、無慈悲に降格させられるJ1 17位。

そんな15位、16位、17位の動向を、シーズンごとに見ています。

今回は、その3回目。取り上げるのは2007年です。

第1回2005年はこちら

第2回2006年はこちら

2007年のJ1で、15位~17位のクラブには次のような特徴がありました。

  • 15位 15節周期で訪れるピークで、しっかり勝ち点を確保
  • 16位 前半に勝ち点稼ぐも、後半の大失速を補えず
  • 17位 好不調の波が大きい上に、好調の回数が少ない

2007年のJ1残留争い

レギュレーション

2007年の、J2降格に関するレギュレーションは以下の通り。

16位 J2 3位のクラブとJ1・J2入れ替え戦
17位 自動降格
18位 自動降格

前年(2006年)から、変更はありませんでした。

17位以下が降格、16位がJ1・J2入れ替え戦に出場となります。

2007年J1の結果

結果は次のようになりました。

順位 クラブ 勝ち点
15位 大宮 35
16位 広島 32
17位 甲府 27
18位 横浜FC 16

なお、入れ替え戦に出場した16位広島も、J2 3位の京都に敗れて、結局はJ2降格の憂き目にあっています。

残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?

15位、16位、17位それぞれのクラブの状況を見ていきましょう

15位大宮

2007年大宮の順位と勝ち点の推移

最終的に15位を確保した、2007年の大宮。

成績は、シーズンを通して低空飛行でした。16位や17位にいた期間も短くありません。

そのまま16位以下で終わってもおかしくなさそうですが、終盤ふわって浮き上がって、ギリギリの15位でゴールを迎えました。

波は小さく、低調ながら、最後はきちんと帳尻を合わせているような印象。不思議なクラブです。

前半17試合と後半17試合の勝ち点を比較しても、目立った特徴は見られません。

2007年大宮の、前半17試合と後半17試合の勝ち点リーグ前半と後半で、ほぼ同じだけの勝ち点を稼いでいます。

後半の方がやや多いですが、偏りがあるとまでは言えないでしょう。淡々と、マイペースを貫いているようにさえ映ります。

ちょっと変わっているのは、5試合ごとに積み上げた勝ち点。

2007年大宮の5試合ごとの勝ち点

ここで一つ、奇妙な特徴が見えてきます。

5試合単位で区切ると、こんな感じで3単位周期で同じようなグラフが現れているのです。

  1. 開幕から右肩上がりで調子を上げ、第11-15節でピークを迎える
  2. その直後に大きく調子を落とす
  3. 再び右肩上がりを始め、第26-30試合に二度目のピークを迎える

二度のピーク時には、3勝分に当たる勝ち点9を獲得しています。

稼ぐときにはしっかり稼げているので、残留にふさわしい力を備えていたとは言えるでしょう。

しかし、どこかとらえどころのなさも感じさせます。

16位広島

2007年広島の順位と勝ち点のグラフ15位大宮とは対照的に、16位広島はほとんどの期間で15位以上を保っています。

16位以下に落ちるのは、リーグも大詰めを迎えた第31節になってから。その後の浮上は叶わず、16位でシーズンを終えます。

理由はわかりやすく、後半の失速でした。

2007年広島の前半17試合と後半17試合の勝ち点

リーグ前半には勝ち点22を稼いでいるのに、後半はその半分以下の10。

見事に失速していますね。

5試合ごとの勝ち点で、見てみるとその理由はよく見えてきます。

2007年広島の5試合ごとの勝ち点

16試合目から20試合目が勝ち点0。26から30試合目も、わずかに勝ち点1です。

リーグ中盤以降、広島は2度の5連敗を喫しており、それがちょうどこの時期でした。

  • 1度目:16試合目から20試合目
  • 2度目:25試合目から29試合目

リーグ前半は順調に勝ち点を稼いでいたのですが、それでも後半の大失速を補うことはできませんでした。

17位甲府

2007年甲府の順位と勝ち点の推移最終的には17位でJ2降格になる甲府ですが、リーグ前半の成績は悪くありません。

9試合目には、順位を一桁まで上げています。

ただ、好調は長続きしませんでした。

10試合目以降は右肩下がりとなり、その後何度か小さな浮上は挟むものの、全体として緩やかに最終順位である17位へと下っていきます。

17試合ごとの勝ち点を見てみると、勝ち点をより稼いでいるのはリーグ前半です。

2007年甲府の前半17試合と後半17試合の勝ち点まあ、これは容易に想像が付きますね。

9試合目には、9位まで浮上していたわけですから。

2007年甲府の特徴がよくわかるのは、5試合ごとの勝ち点で見たときです。

2007甲府の5試合ごとの勝ち点

2007年の甲府は、好不調の波が大きいクラブでした。

5試合単位で見ると、勝ち点10を獲得している時期もあれば、21-25試合目のようにまったく勝ち点を獲得できていない時期もあります。

ただ、好調の回数が少な過ぎました。

勝ち点10を獲得した6-10試合目の他には、勝ち点7を稼いだ16-20試合目があるだけ。

あとは軒並み勝ち点5以下です。

これではさすがに残留は難しいですね。

2007年の残留ラインは勝ち点35ですから、不調期に勝ち点2ずつ積み増すことができていれば、残留できたかもしれないのですが。

不調期の成績が、あまりに悪過ぎました。

まとめ:淡々と勝ち点を積み上げることのできるクラブが、残留に成功する

2007年のJ1 15位、16位、17位には、次のような特徴がありました。

  • 15位 大宮 15節周期で訪れるピークで、しっかり勝ち点を確保
  • 16位 広島 前半に勝ち点稼ぐも、後半の大失速を補えず
  • 17位 甲府 好不調の波が大きい上に、好調の回数が少ない

2007年は、15位と16位、17位とではっきり傾向がわかれました。

前半好調、後半不調と波のあった広島と甲府は16位以下。

一方で、リズムは独特ながら淡々と勝ち点を積み上げた大宮が、最後には15位を確保しました。

残留に有効なのは、「短期集中型」より「長期コツコツ型」

2007年は、そんなことを教えてくれるシーズンでした。

今回は、以上です。