読書

『サッカー日本代表戦術アナライズ』を読んだら、昔の試合を見直したくなった

こんにちは、早起きラガードです。

読書とサッカー観戦が大好きな私。もちろん、サッカー関係の本も読んでいます。

今回読んだのは、この一冊。

過去の日本代表の戦いを、2018FIFAワールドカップロシア大会の前に振り返った本です。

書かれた時期が時期だけに、少々古い部分もないとは言えないのですが、興味深いところの方が多かったので、ご紹介します。

こんな人におすすめ
  • 過去(1992年以降)の日本代表について、知りたい人
  • 1992年以降の日本代表の試合を、リアルタイムで観ていた人

『サッカー日本代表戦術アナライズ』って、どんな本?

著者紹介

著者の西部謙司さんは、スポーツライターとしてよく知られた方ですね。

サッカー関係の書籍やネット記事を探したことのある方であれば、一度は目にしたことのある名前なのではないかと思います。

本書に限らず、サッカーの戦術分析的な本も多く書かれていて、有名なところでは雑誌『フットボリスタ』の連載を書籍化した、『戦術リストランテ』シリーズなどがあります。

内容

  • 過去の日本代表の試合を、歴代監督ごとに分析
  • オフト監督からアギーレ監督までの、全22試合が対象
  • W杯に出場した場合は、W杯の全試合を分析
  • W杯に出場していない場合は、最後の采配となった試合を分析

期間にすると、1992年5月から2015年1月が相当。

監督は全部で9人で、1人1章、プロローグとエピローグ、付録を除くと、全10章の構成になっています。

9人なのに10章あるのは、岡田監督時代が二度あるからです(1998年フランスW杯と、2010年南アフリカW杯)。

取り上げられている監督と在職期間は、次の通りとなっています。

  1. オフト:1992年5月~1993年10月
  2. ファルカン:1994年5月~1994年10月
  3. 加茂周:1995年1月~1997年10月
  4. 岡田武史:1997年10月~1998年6月
  5. トルシエ:1998年10月~2002年6月
  6. ジーコ:2002年7月~2006年6月
  7. オシム:2006年8月~2007年11月
  8. 岡田武史:2008年1月~2010年6月
  9. ザッケローニ:2010年10月~2014年6月
  10. アギーレ:2014年8月~2015年2月

古さは感じない?

まったく感じない、と言ったら嘘になります。2018ロシアW杯の見通しなどは、今読んでもあまり意味がない部分ですからね。

ただ、そうした個所はごくわずかです。

「日本代表の過去の試合を、現代の目で分析する」という部分については、まったく古びた印象は受けません。

そもそも取り上げられている試合が、本書の執筆時よりも昔に行われたものですからね。

『サッカー日本代表戦術アナライズ』のどこがおもしろい?

日本代表の進化がわかる

本書のおもしろい点の一つは、過去の日本代表がいかに未熟な戦術で戦っていたか、を教えてくれる点です。

現代なら基本とも思えるような戦術が、その時々の最強のメンバーを集めて構成されているはずの日本代表で、実践できていなかったりします。

例えば、ラインコントロール

現代であれば、Jリーグ下位のチームでも当たり前に行っている戦術ですが、1998年フランスW杯当時の日本代表は十分身に付けていなかった、と本書では指摘しています。

実際にラインコントロールができていない場面が、アルゼンチン戦の一場面を例に解説されており、それを読むと「なるほど、確かに」と肯けます。

日本代表にラインコントロールを備えさせたのは、次の2002年日韓W杯で指揮を執ったフィリップ・トルシエ氏だったことも、本書では合わせて紹介されています。

新たな発見がある

「当時の記憶や印象と、異なっている」部分があるのも、本書のおもしろいところです。

例えば、2010年南アフリカW杯のデンマーク戦

日本が勝利し、グループリーグ突破を決めたこの試合は、3-1というスコアもあって日本の快勝だったような印象があったのですが、実際は「戦術的に最も難しい試合だった」ことを本書は指摘しています。

理由は、デンマークがそれこそ現代でも通用するような、最先端の戦術を採用していたから。

今見直してみると、当時のデンマークが「ポジショナル・プレー」や「5レーン理論」といった、当時まだその用語すら存在しなかった戦術を採用していたことがわかるそうです。

こういうところが、現代の目で過去の試合を見直すことのおもしろいところですね。

時間とともに、分析する側も進化していくので、過去の試合で何が起こっていたのかが、より詳細にわかるようになっていきます。

なお、戦術的に負けていた日本がそれでも勝利できたのは、個の力でねじ伏せたからだ、と本書は説明しています。

ヨーロッパの国を、個の力でねじ伏せる日本。

これも、随分「日本人が抱いている日本代表のイメージ」にそぐわないところがあります。

しかし本書では、過去の日本代表の試合を見直した結果から「日本代表の選手は、決してメンタルが弱くはなく、個の力でもフィジカルでも負けていない」ことも指摘しています。

まとめ:『サッカー日本代表戦術アナライズ』は、取り上げられている試合を、もう一度見直したくなる本

本書で取り上げられている試合のほとんどを、私はその時代に観戦しています。

しかしこの本を読んで、自分でも当時の試合をもう一度見直してみたい気分になりました。

記事の初めに、

こんな人におすすめ
  • 過去(1992年以降)の日本代表について、知りたい人
  • 1992年以降の日本代表の試合を、リアルタイムで観ていた人

と書きましたが、本書をより楽しめるのは後者(当時、リアルタイムで観ていた人)の方かもしれません。

今回は、以上です。