こんにちは、早起きラガードです。
今回は、こんな疑問にお答えします。
- オリンピックのサッカーにおける開催国枠
- アジアにおけるオリンピック予選(男女)
- 開催国による地域出場枠の影響
詳しく、ご紹介していきます。
オリンピックのサッカーに「開催国枠」は存在する
まずは、結論から。
オリンピックのサッカーには、男女とも「開催国枠」は存在します。
したがって、一部の競技のように
というような事態は、発生しません。
開催国としての出場権があるので、予選は当然免除です。
出場する意味、ないですからね。
2021年の東京大会では、男子がオリンピック出場権のかかった大会に出場
確かに、日本の男子チームは、オリンピック出場権がかかった大会に出場していました。
しかし、それはオリンピック予選に出場していたわけではありません。
2021年の東京オリンピック(当時はまだ2020年に開催予定でしたが)では、別の大会がオリンピックの予選も兼ねていました。
日本の男子チームは、その「別の大会」の方に出場していたのです。
アジアにおける男子サッカーのオリンピック予選
「AFC U-23選手権」です。
アジアでは、2016年リオデジャネイロ大会のときから、男子サッカーのオリンピック予選を単独で開催することを止めました。
代わりに、「AFC U-23選手権」がオリンピック予選を兼ねる大会になったのです。
AFC U-23選手権
AFC U-23選手権の主な情報は、次の通り。
- 23歳以下の選手による大会
- 第1回開催は2014年
- 2年ごとに開催される
- オリンピックイヤーの大会は、予選を兼ねる
注意が必要なのは、AFC U-23選手権に常にオリンピック出場権がかかっているわけではない、という点です。
開催は2年に一度ですので、2014年や2018年といったオリンピック中間年の大会は予選とは無関係となります。
東京オリンピックの出場権は「AFC U-23選手権2020」で争われた
2020年は本来東京オリンピックが開催される年でしたので、「AFC U-23選手権2020」はオリンピック予選を兼ねる大会となりました。
AFC U-23選手権2020
開催期間 | 2020年1月8日~26日 |
---|---|
開催国 | タイ |
出場国数 | 16ヶ国 |
オリンピック出場権 | 日本を除く上位3ヶ国に与えられる |
東京オリンピックのアジアの出場枠は3ですので、開催国日本を除く上位3ヶ国にオリンピック出場権が与えられることになっていました。
- 日本が4位以下なら、1位~3位までの国がそのまま出場権を獲得
- 日本が3位以上なら、日本を除く1位~4位の国が出場
ということになります。
そしてこの大会の結果、出場権を獲得したのは次の3ヶ国となりました。
- 韓国
- サウジアラビア
- オーストラリア
順位は数字の通りで、優勝は韓国。2位がサウジアラビア、3位はウズベキスタンに3位決定戦で勝利したオーストラリアとなりました。
日本は過去最低の結果に終わる
「AFC U-23選手権2020」における、日本の結果はグループリーグ敗退でした。
オリンピック出場圏内どころか、決勝トーナメントにも進出できなかったのです。
これは、2014年の第1回大会から出場している日本にとって、過去最低の成績でした。
3位以内に入れたのは、過去に一度だけ
「過去最低の結果」と聞くと、そんな風に考えたくなってしまいますよね。
確かに、これから先も楽勝というわけにはいかないと思います。
オリンピックの出場国数は、実はワールドカップよりも少ないですからね。
ただ、そうした状況は、実は今に始まったわけではなく、以前から既にそうでした。
というのも、2014年に始まったAFC U-23選手権において、日本が3位以上の成績を収めたのはたったの1度しかないからです。
AFC U-23選手権の日本の成績
2014年(第1回) | ベスト8 |
---|---|
2016年(第2回) | 優勝 |
2018年(第3回) | ベスト8 |
2020年(第4回) | グループリーグ敗退 |
上記の通りで、3位以上は2016年の1度だけです。
ただ、その1度が、リオデジャネイロオリンピックの予選を兼ねた大会でもありました。
つまり、いつもと違う重要な意味を持つ大会では、日本はきっちり結果を残しているわけです。
このあたりを「勝負強さ」と呼ぶべきか、あるいは「一度だけだからまだ何とも言えない」と考えるべきなのか評価は分かれところかもしれません。
※関連記事です。
アジアにおける女子サッカーのオリンピック予選
女子サッカーの場合、男子と違ってアジアにおけるオリンピック予選は単独で開催されています。
そのため、東京オリンピックの予選に日本代表は出場していません。
「開催国枠」の存在で、地域の出場枠は減る?
これについては、どちらとも言えないというのが答えになってしまいます。
というのも、過去の大会を振り返ってみると、地域に開催国が含まれていることによって、出場枠が減らされているケースもあれば、そうでないケースもあるからです。
2004年アテネ大会以降の各地域の出場枠は、次の通り。
男子
2004 | 2008 | 2012 | 2016 | 2021 | |
アジア | 3 | 3+1 | 3.5 | 3 | 3+1 |
アフリカ | 4 | 3 | 3.5 | 3 | 3 |
北中米カリブ海 | 2 | 2 | 2 | 2.5 | 2 |
南米 | 2 | 2 | 2 | 1.5+1 | 2 |
欧州 | 3+1 | 4 | 3+1 | 4 | 4 |
オセアニア | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
※+1が開催国枠です。
注目していただきたいのは、アジアと南米、欧州との違い。
アジアの場合、おおよそ「3」が出場枠の基本になっているのですが、2008年(北京)と2021年(東京)の際には、ここが「+1」になっています。
すなわち、アジアの出場枠は開催国によって減らされていません。
一方、南米と欧州は事情が違っています。
南米は「2」、欧州は「4」が出場枠の基本ですが、同じ地域に開催国がある場合、開催国を除いた出場枠は、次のように減らされているのです。
- 南米 2→1.5(2016)
- 欧州 4→3(2004、2012)
女子の場合にも、同じ傾向が見られます。
女子
2004 | 2008 | 2012 | 2016 | 2021 | |
アジア | 2 | 2+1 | 2 | 2 | 2+1 |
アフリカ | 1 | 1.5 | 2 | 2 | 1.5 |
北中米カリブ海 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
南米 | 1 | 1.5 | 2 | 1+1 | 1.5 |
欧州 | 2+1 | 3 | 2+1 | 3 | 3 |
オセアニア | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
アジアは純粋に+1になっているのに、南米や欧州では出場枠が減らされています。
今後もこの傾向が続くかどうかはわかりませんが、少なくとも過去の状況からは、
- アジア:開催国による出場枠の影響なし
- 他地域:開催国によって出場枠が減る
となっていることがわかります。
サッカーではどの大会も基本的に開催国枠が存在
オリンピックに限らず、サッカーの国際大会の場合、基本的に「開催国枠」は存在すると考えていいと思います。
「開催国枠」がないサッカーの国際大会を、私は知りません。
開催国が出場するのとしないのとでは、大会の盛り上がりは絶対に違いますからね。
「開催国枠」は存在して当然かな、と個人的には思います。