Jリーグが始まって25年以上経つけど、J2に降格したことのないクラブってあるんだっけ?
今回は、こんな疑問にお答えします。
- Jリーグのオリジナル10とは
- J2降格経験のないオリジナル10
- J2、J3のオリジナル〇〇
詳しく、ご紹介していきます。
Jリーグのオリジナル10とは
Jリーグのオリジナル10とは
1992年のJリーグ発足時に加盟した10クラブ
のことを言います。
Jリーグ初年度(1993年)の参加クラブ、と言い換えてもいいかもしれません。
具体的には、以下の10クラブです。
- ヴェルディ川崎
- 鹿島アントラーズ
- 清水エスパルス
- 横浜マリノス
- サンフレッチェ広島
- 横浜フリューゲルス
- ガンバ大阪
- ジェフユナイテッド市原
- 名古屋グランパスエイト
- 浦和レッドダイヤモンズ
現存しない「オリジナル10」もある
オリジナル10のうち、現在も存在しているのは9クラブです。
横浜フリューゲルスは親会社の不振により、1998シーズンを最後に横浜マリノスと合併消滅してしまいました。
このとき横浜マリノスは、横浜F・マリノスとクラブ名が変わっています。
名前が変わったクラブは他にも
この他、ヴェルディ川崎、ジェフユナイテッド市原も、現在ではそれぞれ
- 東京ヴェルディ1969
- ジェフユナイテッド市原・千葉
とクラブ名が変わっています。
「JSL1部=オリジナル10」ではない
Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)の前身は、JSL(日本サッカーリーグ)。
JSLは2部制で実施されていましたが、JSL1部に属していたクラブがそのままオリジナル10になったわけではありません。
JSL1部でオリジナル10に入らなかったクラブもありますし、反対にJSL1部以外のクラブから、オリジナル10になったクラブもあります。
JSLの最終シーズン(1991-92)に、JSL1部に所属していたクラブは次の通り。
- 読売クラブ(V川崎)
- 日産自動車(横浜M)
- ヤマハ発動機
- 東芝
- 松下電器(G大阪)
- マツダ(広島)
- JR古河(市原)
- 全日空クラブ(横浜F)
- 日立製作所
- 本田技研
- 三菱自動車(浦和)
- トヨタ自動車(名古屋)
このうち、オリジナル10となったのは太字の8クラブ。
残りの4クラブのうち、
- ヤマハ(磐田の前身)
- 東芝(札幌の前身)
- 日立(柏の前身)
は後からJリーグに加盟し、本田技研だけは今もアマチュアで活動を続けています。
また、オリジナル10の残りの2クラブのうち、鹿島(正確には、前身の住友金属)はJSL2部、清水(前身の清水市民クラブ)は、4部に相当する静岡県リーグの所属でした。
J2降格経験のないオリジナル10
J2降格経験のないオリジナル10は、
- 鹿島アントラーズ
- 横浜F・マリノス
の2クラブです。
この2クラブ以外は、最低1度はJ2に降格しています。
鹿島が最もJ2に近づいた年は?
鹿島が最もJ2に近づいた年は、2012年。
最終順位は、11位でした。
最もJ2に近づいたのが11位? まだ十分余裕あると思うけど
確かに、J2降格に関係してくるのは16位以下ですからね。
11位だと、ちっともJ2に近いとは思えないかもしれません。
しかしながら鹿島の場合は、このときが最もJ2に近い年です。
というのも、鹿島が二桁順位でシーズンを終えたのは、この2012年だけだからです。
要は、Jリーグ開幕以来、鹿島がJ2降格の危機に陥ったことは1度もないということですね。
裏を返せば、Jリーグ開幕以来、鹿島がJ2降格の危機に陥ったことは1度もないということになります。
さすがに「常勝軍団」と言われるだけのことはありますね。
※J2降格の仕組みについては、次の記事で詳しく紹介しています。
横浜FMが最もJ2に近づいた年は?
横浜F・マリノスは、鹿島よりもう少しJ2に近づいたことが多いです。
最終順位が二桁になったのは、次の4回。
- 2001年:13位
- 2009年:10位
- 2016年:10位
- 2018年:12位
このうち、最もJ2に近づいた年は、2001年の13位でした。
このときのJ1リーグは、現在より2クラブ少ない16クラブで行われており、15位以下が自動降格になっていました。
15位のクラブとの勝ち点差はわずかに3でしたから、かなり危ない年だった、と言えます。
[ad]
J2降格経験のあるオリジナル10
現存するオリジナル10の9クラブのうち、鹿島と横浜FM以外の7クラブは1度以上のJ2降格経験があります。
クラブ | J2で戦った年 |
---|---|
浦和 | 2000 |
広島 | 2003、2008 |
東京V | 2006-2007、2009- |
千葉 | 2010- |
G大阪 | 2013 |
清水 | 2016 |
名古屋 | 2017 |
ほとんどが1年でJ1に返り咲いている
オリジナル10で1番最初にJ2降格の憂き目にあったのは、浦和レッズです。
Jリーグに降格制度が導入された1999年に、さっそくJ2に降格してしまいました(1999年に降格して、2000年をJ2で戦っています)。
ただし、浦和は1年でJ1に返り咲いています。
これは、降格経験のある他の多くのクラブも同じ。
J2降格を経験したオリジナル10のクラブで、1年でJ1に戻ってこれなかったのは、
- 東京V
- 千葉
の2クラブだけとなっています。
複数回のJ2降格経験があるオリジナル10
J2降格経験のあるオリジナル10のうち、2回以上降格したことがあるのは次の2クラブ。
- 広島
- 東京V
どちらもJ1優勝経験のあるクラブ、というのが、何とも皮肉なところです(広島の優勝は、2度目のJ2降格の後ですが)。
ただ、広島は2度とも1年でJ1に返り咲いています。
一方、東京Vはというと、1度目の降格時は2年かけてJ1に復帰。
そして2度目に降格してからは、10年以上が過ぎた現在に至ってもJ1に戻ってくることができないままとなっています。
J2在籍期間の長いオリジナル10のクラブ
基本的に、降格しても1年でJ1復帰することが多いオリジナル10のクラブですが、復帰に失敗すると長いです。
1年でのJ1昇格に失敗したのは、先ほどもご紹介した次の2クラブ
- 東京V
- 千葉
通算でのJ2在籍年数は、ともに10年を超えています。
クラブ | J2で戦った年 |
---|---|
東京V | 2006-2007、2009- |
千葉 | 2010- |
ここまで長くなってしまうと、
この2クラブがJ1で戦っているの、見たことないな
という方もいるかもしれません。
東京Vは、初年度のJリーグ王者なんですけどね……
J3降格経験のあるオリジナル10は存在する?
「【Jリーグ】昇格・降格の仕組みを徹底解説。順位以外の条件もある?」という記事でも紹介していますが、JリーグにはJ1とJ2の他に、J2とJ3の間でも毎年クラブの入れ替えが発生します。
これがいわゆるJリーグの昇格と降格なのですが、このルールだとJ1からJ2を経由して、J3まで降格するというケースも存在することになります。
当然、オリジナル10のクラブがJ3まで降格する可能性も存在します。
ですが、実際にJ3まで降格したオリジナル10のクラブは存在しません。
J1経験クラブでJ3まで降格したことがあるクラブは、これまでのところ大分トリニータだけとなっています。
J2歴が長い東京Vと千葉も、さすがにJ3に降格するような事態には陥っていません。
J2、J3にもオリジナル〇〇は存在する?
J2の「オリジナル10」
J2リーグの初年度(1999年)参加は、10クラブ。
したがって、J2も「オリジナル10」になります。
具体的なクラブ名は、次の通り。
- コンサドーレ札幌
- ベガルタ仙台
- モンテディオ山形
- 大宮アルディージャ
- FC東京
- 川崎フロンターレ
- ヴァンフォーレ甲府
- アルビレックス新潟
- サガン鳥栖
- 大分トリニータ
このうちコンサドーレ札幌は、J2リーグ開始前の1998年にJ1リーグ(Jリーグ)の経験があります。
1999年の札幌がJ2参加となったのは、J2発足前に行われたJ1参入決定戦の結果によるものでした。
簡単に言うとJ1(Jリーグ)から降格する形で、J2オリジナル10となっています。
J3のオリジナル12
2014年にスタートしたJ3リーグ。初年度の参加クラブは12でした。
したがって、J3ではオリジナル10ではなく、オリジナル12ということになります。
具体的なクラブ名は、次の通り。
- グルージャ盛岡
- ブラウブリッツ秋田
- 福島ユナイテッドFC
- FC町田ゼルビア
- Y.S.C.C.横浜
- SC相模原
- AC長野パルセイロ
- ツエーゲン金沢
- 藤枝MYFC
- ガイナーレ鳥取
- FC琉球
- Jリーグ・アンダー22選抜
このうち、FC町田ゼルビアとガイナーレ鳥取には、既にJ2リーグで戦った経験がありました。
また、「Jリーグ・アンダー22選抜」は若手の育成を目的とした文字通りの「選抜チーム」で、純粋な意味でのクラブとは少し違っています。
その意味で、J3の場合はオリジナル12よりも、オリジナル11と言った方が正しいのかもしれません。
(なお、「Jリーグ・アンダー22選抜」は2015年をもって活動を終了しています。)
Jリーグの「オリジナル10」:まとめ
「オリジナル10」は、Jリーグ発足時から参加している10クラブです。
ただ、だからと言って特別なことは何もありません。
7割のクラブがJ2降格を経験していますし、J1リーグの優勝経験があるのはオリジナル10のみ、みたいな優位性があるわけでもないですからね。
今となっては、単にリーグへの加盟(参加)が早かったという、歴史的事実に過ぎません。
知識として、知っておいて損はないと思いますが。
今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。