サッカー

【サッカー】天皇杯ってどんな大会? ACL出場権は関係している?

本記事では、サッカーの天皇杯をご紹介します。

この記事からわかること
  • 天皇杯ってどんな大会?
  • J1とJ2のチームは、何回戦から出場?
  • 天皇杯の歴代優勝チーム(1993年~)

天皇杯とは

サッカーにおける天皇杯の正式名称は、「天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会」。

日本サッカー協会が主催するカップ戦で、国内3大タイトルの1つです。

国内3大タイトル
  1. J1リーグ
  2. 天皇杯
  3. ルヴァンカップ

※サッカーの国内3大タイトルについては、次の記事で詳しく紹介しています。

天皇杯の出場資格

天皇杯に出場できるのは、

日本サッカー協会(JFA)に第1種登録しているチーム

です。

第1種登録って?

年齢制限しない選手により構成されるチーム」のことです。

Jリーグのチームはもちろんのこと、

  • 社会人チーム
  • 大学チーム

も第1種登録に該当します(JFA公式HP)。

つまり、天皇杯とはアマチュアチームも出場できる大会なのです。

本大会に出場できるのは88チーム(2021年度は90チーム)

Jリーグ以外のチームにも出場資格のある天皇杯ですが、全チームがいきなり本大会に出場することはできません。

JFAに第1種登録しているチームは、5,000以上ありますからね(参考:JFA公式HP)。

本大会に出場できるのは、通常は88チーム

2021年度に関しては、90チームとなっています。

天皇杯出場チーム
  1. J1全チーム(20チーム)
  2. J2全チーム(22チーム)
  3. アマチュアシード(1チーム)
  4. 都道府県代表(47チーム)

※J1リーグは本来18チームなのですが、2020年シーズンがコロナ禍の影響で「昇格あり・降格なし」の特別ルールで開催されたため、2021年度は20チームとなっています。天皇杯の出場チームが通常より2チーム多いのも、このためです。

このうち、

  1. J1全チーム
  2. J2全チーム
  3. アマチュアシード

の41チームは本大会から出場。

都道府県代表の47チームは、予選を勝ち抜くことで出場権を獲得できます。

なお、JリーグにはJ1、J2の他にJ3もありますが、J3のチームは天皇杯にシードされていないため、都道府県予選で勝たなければ本大会に出場できません。

天皇杯の開催時期

天皇杯の開幕は、毎年4~5月頃。

2~3月に始まるJ1リーグやルヴァンカップよりも、やや遅れて始まります。

決勝は、基本的に翌年の1月1日。

元日の午後に、NHK総合で生中継されているサッカーの試合がありますよね。

あれが、天皇杯の決勝です。

準々決勝までは平日開催

天皇杯の試合は、基本的に平日開催です。

というのも、週末にはJリーグ等のリーグ戦の試合が組まれているからです。

ただし、12月下旬に行われる準決勝と、元日開催の決勝については、週末や休日に実施されます。

12月下旬ともなると、さすがにリーグ戦は終了していますからね。

週末や休日に開催が可能になります。

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天皇杯とルヴァンカップの違い

国内3大タイトルには、ルヴァンカップもあるよね? あっちもカップ戦だったと思うけど、2つの大会の違いは?

1番の違いは、出場資格です。

天皇杯は、先ほども書いた通り日本サッカー協会に1種登録しているチームすべてに、出場資格があります。

一方、ルヴァンカップはJ1の全チームと、J2の一部チームにしか出場資格がありません。

位置付けでいうと、

  • 天皇杯    :オープンカップ
  • ルヴァンカップ:リーグカップ

になります。

ルヴァンカップについて詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

天皇杯の優勝賞金と特典

天皇杯は、3位まで賞金が出ます。

具体的な賞金額は、次の通り。

天皇杯の賞金
  • 優勝:1.5億円
  • 2位 :5千万円
  • 3位 :2千万円

天皇杯は3位決定戦を実施しないため、3位の賞金は準決勝敗退の2チームそれぞれに与えられます。

この他に、優勝チームには次の特典もあります。

天皇杯の優勝特典
  • ACL本大会出場権
  • 富士フィルムスーパーカップ出場権

大きいのはやはり、ACL本大会の出場権ですね。

ACL、日本の出場枠は? 出場権が与えられるのはどんなクラブ?」という記事でも紹介していますが、ACL出場権が与えられる大会は、J1リーグを除くと天皇杯だけです。

ルヴァンカップにはないこの特典が、天皇杯の価値を高めていると言ってもいいくらい重要です。

天皇杯の大会方式

1回戦ノックアウト方式

天皇杯は、1回戦から決勝まで「1回戦制のノックアウト方式」で実施されています。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、要は「一発勝負のトーナメント」のことです。

UEFAチャンピオンズリーグなどで採用されているような、ホームとアウェーで1試合ずつ実施し、合計得点で勝ち上がりチームを決める、という方式ではありません。

その試合の結果だけで、勝ち上がるチームが決まります。

J1とJ2のチームは2回戦から出場

天皇杯は、既に書いた通りプロもアマチュアも一緒になって出場する大会です。

ですが、J1とJ2のチームは基本的に1回戦には出場しません。

2回戦からの登場になります。

天皇杯の1回戦出場チーム
  • 都道府県代表(47チーム)
  • アマチュアシード(1チーム)

1回戦は、上記48チームで、24試合が行われます。

※2021年度は、1回戦からJ2のチームの出場があります。

具体的には、2020年のJ2下位2チームである

  • 愛媛FC
  • レノファ山口FC

と、2021年のJ2昇格チームである

  • ブラウブリッツ秋田
  • SC相模原

の4チームが1回戦からの出場となります(このため1回戦の試合数も、24試合⇒26試合となります)。

天皇杯の2回戦出場チーム
  • 1回戦を勝ち上がった24チーム
  • J1 18チーム
  • J2 22チーム

2回戦は、上記64チームで、32試合を実施。

1回戦より2回戦の方が試合数が多いという、ちょっと不思議な形になります。

2021年度は、

  • 1回戦を勝ち上がった26チーム
  • J1 20チーム
  • J2 18チーム

の64チームとなります。

3回戦以降は、勝ち上がりチーム同士が対戦する通常のトーナメントとなり、

  • 3回戦(32チーム → 16チーム)
  • 4回戦(16チーム → 8チーム)

と続いて、5回戦は準々決勝6回戦が準決勝となっています。

天皇杯の歴史

天皇杯は、他の国内3大タイトルと比較して飛び抜けて古い歴史を持っています。

第1回大会が開催されたのが、何と大正10年(1921年)。

ルヴァンカップが平成4年(1992年)、Jリーグが平成5年(1993年)ですから、その差は圧倒的です。

第1回大会の開催年
  • 天皇杯    :1921年(大正10年)
  • ルヴァンカップ:1992年(平成4年)
  • Jリーグ    :1993年(平成5年)

Jリーグ、ルヴァンカップには、それぞれ

  • JSL(日本サッカーリーグ)
  • JSLカップ

という前身の大会があるのですが、その2つも始まったのは昭和の中~後期ですから、天皇杯には遠く及びません。

第1回大会の開催年
  • 天皇杯  :1921年(大正10年)
  • JSL   :1965年(昭和40年)
  • JSLカップ:1993年(昭和51年)

過去に8回、中止になっている

歴史が長い大会だけあって、天皇杯はこれまでに8回の大会が中止となっています。

中止になった回 理由
第6回(1926年) 大正天皇の病状悪化のため
第14回(1934年) 極東選手権競技大会のため
第21~24回(1941~45年) 第二次世界大戦のため
第27、28回(1947、48年) 世情不安のため

大正10年から開催されている大会だけあって、中止となった理由にも時代を感じさせるものが多いですね。

なお、天皇杯は中止になった大会も通算回数に含めています。

このため、例えば第100回大会であっても、実際には92回しか開催されていなかったりします。

天皇杯の歴代優勝チーム

既に書いた通り、天皇杯は1921年から開催されているので、歴代優勝チームを挙げていったら、非常に長くなってしまいます。

そこで本記事では、Jリーグが開幕した1993年(第73回大会)以降の優勝チームを紹介します。

年度 優勝チーム
73 1993 横浜フリューゲルス
74 1994 ベルマーレ平塚
75 1995 名古屋グランパスエイト
76 1996 ヴェルディ川崎
77 1997 鹿島アントラーズ
78 1998 横浜フリューゲルス
79 1999 名古屋グランパスエイト
80 2000 鹿島アントラーズ
81 2001 清水エスパルス
82 2002 京都パープルサンガ
83 2003 ジュビロ磐田
84 2004 東京ヴェルディ1969
85 2005 浦和レッズ
86 2006 浦和レッズ
87 2007 鹿島アントラーズ
88 2008 ガンバ大阪
89 2009 ガンバ大阪
90 2010 鹿島アントラーズ
91 2011 FC東京
92 2012 柏レイソル
93 2013 横浜F・マリノス
94 2014 ガンバ大阪
95 2015 ガンバ大阪
96 2016 鹿島アントラーズ
97 2017 セレッソ大阪
98 2018 浦和レッズ
99 2019 ヴィッセル神戸
100 2020 川崎フロンターレ
101 2021 浦和レッズ

なお、最多優勝はこの表には名前のない慶応義塾大学で、1932年から1956年までの間に9回優勝しています。

Jリーグ開幕以降の最多優勝は、鹿島アントラーズ。

5回の優勝経験があります。

天皇杯の放送・配信

天皇杯は試合数も非常に多いことから、すべての試合を放送・配信してくれるところはありません。

ただ、準々決勝まではスカパーとNHK(BS)で、一部試合の放送があります。

また、準決勝以降であれば、NHK総合(地上波)で全試合生中継をやってくれています。

詳しくは、こちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

なお、DAZNで天皇杯の中継はありませんので、ご注意ください。

まとめ:天皇杯ってどんな大会?

本記事では、サッカーの天皇杯についてご紹介しました。

天皇杯の魅力は、何と言っても優勝チームにACL本大会の出場権が与えられるところ。

そのため、シーズン後半になると、J1リーグの方でACL出場権に届きそうにないチームは、天皇杯に力を入れるようになったりもします。

もちろん、そこまで勝ち残っていれば、の話ですが。

また、天皇杯は番狂わせが非常に多い大会でもあります。

J2、J3どころか、JFLのチームにJ1のクラブが負けてしまったりするので、見ている方としても気が抜けません。

そこまた、天皇杯の魅力の1つではあるのですが。

今回は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。