Jリーグ

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2006年】

こんにちは、早起きラガードです。

シーズンを15位以上で終えるか、16位になるか、はたまた17位以下に沈むかで、天と地ほどの差がある現在のJ1リーグ。

境界となる15位、16位、17位のクラブについて、シーズンごとに調べています。

これがJ1残留に成功したクラブと失敗したクラブの違いです【2005年】こんにちは、早起きラガードです。 Jリーグは、二部制になるより前から見ています。 現在、18クラブで戦われているJ1リーグ。 ...

今回はその2回目。2006年を取り上げます。

2006年のJ1リーグには、次のような特徴がありました。

  • 15位 好不調の波が小さく、高めの勝ち点で安定
  • 16位 ほとんど低調だが、終盤の大きな山で自動降格から逃れる
  • 17位 惨憺たる前半、後半の追い上げも及ばず

詳しく見ていきます。

2006年のJ1残留争い

レギュレーション

2006年J1の、降格に関するレギュレーションは以下の通り。

16位 J2 3位のクラブとJ1・J2入れ替え戦
17位 自動降格
18位 自動降格

前年(2005年)から、変更はありませんでした。

17位以下が自動降格になるのは、現在と同じです。

2006年J1の結果

結果は次のようになりました。

順位 クラブ 勝ち点
15位 甲府 42
16位 福岡 27
17位 C大阪 27
18位 京都 22

16位福岡と17位C大阪は同勝ち点だったので、順位は得失点差で決まりました。

2クラブの得失点差は、以下の通り。

  • 福岡 -24
  • C大阪 -26

なお、自動降格は免れた福岡も、J1・J2入れ替え戦の結果、J2に降格しています。

残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?

では早速、15位、16位、17位それぞれのクラブの状況を見ていきましょう

15位甲府

順位と勝ち点は次の通り。

2006甲府の順位と勝ち点の推移

この年の甲府は、シーズンを通じて一度も16位以下に順位を落としませんでした。

16位福岡に、勝ち点15もの大差を付けて余裕の残留。

折り返しの第17節は14位で、シーズン終了時は15位ですから、順位を一つ落としてはいます。

しかし、後半特に調子を落としていたということはなく、むしろ後半17節の方が多く勝ち点を稼いでいます。

前半17試合と後半17試合の2006甲府の勝ち点

5試合ごとに獲得した勝ち点を見ても、目立った不調期はなし。

2006甲府の5試合ごとの勝ち点

各期間で獲得している勝ち点もほとんどが5以上。2005年の甲府が、全期間に渡って安定して勝ち点を獲得できていたことがわかります。

盤石の残留だった、と言ってよいでしょう。

16位福岡

次に、J1・J2入れ替え戦に回った、16位福岡の状況を見てみましょう。

順位と勝ち点は、次のようになりました。

2006福岡の順位と勝ち点の推移

この年の福岡は、前半戦は16位付近を、後半戦は17位付近を彷徨っていました。

ひと言で言ってしまえば、低調です。

17位時点での順位は16位。

そして最終順位も、やっぱり16位でした。

リーグ前半と後半で獲得した勝ち点を比較すると、後半17節の方がより多くの勝ち点を獲得していたことがわかります。

2006福岡の前半17試合と後半17試合の勝ち点

これをもう少し詳細に、5試合ごとの勝ち点でチェックしてみると、興味深い事実が見えてきました。

2006福岡の5試合ごとの勝ち点

ほとんどの期間で低調ですが、リーグ終盤に差しかった26-30試合に突然高い柱が現れます。

この5試合で福岡は勝ち点9を稼ぎました。

この期間の福岡の戦績は、3勝2敗。この年福岡が挙げた勝利は5勝ですから、そのうち6割をこの5試合だけで挙げたことになります。

最終的には入れ替え戦で敗れてしまう福岡ですが、25試合目以前の成績では、入れ替え戦に出場することすら難しかったと思います。

リーグ終盤に突然現れたこの好調期が、自動降格から福岡を救いました。

17位C大阪

最後は、17位C大阪です。まずは順位と勝ち点から。

2006C大阪の順位と勝ち点の推移

2006年のC大阪は、ご覧の通りの低空飛行です。

開幕第1節以外は、ずっと16位以下。シーズンの半分は、最下位(18位)です。

その原因となったのが、リーグ前半のつまづきでした。

開幕からいきなり4連敗。

11試合目から17試合目までは、何と7連敗を喫しています。

それでも最下位で終わることなく、16位福岡と勝ち点で並ぶ17位まで粘れたのは、後半の猛烈な追い上げがあったから。

2006C大阪の前半17試合と後半17試合の勝ち点

前半17節の勝ち点はわずかに6ですが、後半はその三倍以上の21を獲得しています。

15位甲府の勝ち点が42ですから、前半から同じペースを続けていれば、余裕で残留できていました。

5試合単位で見ると、後半にしっかり柱が現れていることがわかります。

2006C大阪の5試合ごとの勝ち点

やはり後半だけなら、15位甲府にも引けを取っていません。

ただ、残念ながら前半の借金が大き過ぎました。

前半17試合で勝ち点6ですからね。ここまで大きく出遅れてしまうと、並大抵の巻き返しではとても及びません。

終盤、16位まで浮上した時期はありましたが、残留には届きませんでした。

まとめ:高めで安定して勝ち点を稼げるクラブは余裕を持って残留できる

2006年のJ1 15位、16位、17位には、以下のような特徴がありました。

  • 15位 甲府 好不調の波が小さく、高めの勝ち点で安定
  • 16位 福岡 ほとんど低調だが、終盤の大きな山で自動降格から逃れる
  • 17位 C大阪 惨憺たる前半、後半の追い上げも及ばず

高めで安定して勝ち点を稼いでいた15位甲府の残留は、妥当と言っていいでしょう。

16位と17位を分けたのは、リーグ前半のC大阪の絶不調。後半17試合は15位甲府並に勝ち点を稼げていただけに、もったいない結果となりました。

このことからわかるのは、前半と後半、どちらかだけでは駄目ということ。

「残留には、シーズン通して安定して勝ち点を稼ぐ力が必要になる」というのが、2006年の結果から得られた「教訓」でした。

今回は、以上です。