こんにちは、早起きラガードです。
今回は、こんな疑問にお答えします。
- 日本で「サッカー」が使われる理由は諸説あり
- サッカーは「Association Football」の略
- フットボールはラグビーとサッカーに分かれた
詳しく、見ていきます。
日本で「サッカー」が使われる理由は諸説あり
日本で「サッカー」と呼ばれている競技、実は世界では「フットボール」と呼ばれる方が普通です。
「サッカー」を使っている国は、少数。
日本もその少数派の一員なのですが、では何故「フットボール」ではなく「サッカー」の方が一般的になっているのか、その正確なところは諸説あって、はっきりしたことはわかっていません。
ただ、「正確なところはわからない」ではあんまりなので、本記事ではその中でも特に、「多分そうなんじゃないかな」を思われる次の2つの説を紹介します。
- 同じ時期に伝わった他の「フットボール」と区別するため
- アメリカの影響
同じ時期に伝わった他の「フットボール」と区別するため
1つ目の説は、非常にシンプルです。
要は、
ということですね。
世界的には「フットボールと言えばサッカー」が主流ですが、サッカーだけがフットボールではありません。
ご存知の通り、
- ラグビー・フットボール
- アメリカン・フットボール
もフットボールです。
サッカーを含めたこれらの競技は、ほぼ同じ時期(19世紀後半から20世紀初頭)に日本に伝わってきました。
ただ、時期が近いということは、単に「フットボール」というだけでは、どの競技のことを指しているのかわからなくなってしまう、という事態が起こりやすいということでもあります。
これを避けるために、日本では「フットボール」ではなく「サッカー」の方を使うようになりました。
これからが、1つ目の説になります。
どうでしょう? 何となく、それっぽい気もしますよね。
アメリカの影響
もう1つの説は、アメリカの影響。
日本が何かと影響を受けやすいアメリカですが、あちらもまた日本同様「フットボール」ではなく「サッカー」の方を使う国です。
理由はもちろん、アメリカでフットボールと言えば、アメリカン・フットボールのことを指すから。
アメリカではサッカーはあくまでサッカーであり、トップリーグの名称にもメジャーリーグサッカー(Major League Soocer、MLS)とサッカーという言葉を使っています。
そしてこのアメリカの影響を強く受けたため、日本でサッカーの方が主流になったというのが、もう1つの説。
一見、突拍子もない話のようにも見えますが……
ただ、日本で最もメジャーなスポーツである野球だって、アメリカから伝わってきたものですからね。
「フットボール」の呼び方に影響を与えるくらいのことがあったとしても、おかしくない気はします。
サッカーとフットボール、2つの呼び方があるのは何故?
サッカーは、厳密にはフットボールそのものではなく、フットボールの一種だからです。
サッカー(soccer)という言葉は、「Association Football」から来ています。
この「Association Football」が省略されて「soc」となり、さらに後ろに人を表す「er」が付いた、というのが「soccer」の語源です。
つまり、サッカーも元々無印の「フットボール」だったわけではなかったのです。
協会の定めたルールに従うのがアソシエーション・フットボール
アソシエーションの日本語訳は「協会」。つまりアソシエーション・フットボールは、「協会式フットボール」ということになります。
フットボールの起源は、イングランドで行われていたボールを使ったゲームにあります。
このゲーム、19世紀半ばまで統一されたルールがありませんでした。
地域によってルールが違ったり、対戦チーム同士の話し合いで決められたりしていたのですね。
統一ルールが制定されたのは、1863年。このとき、同時に「協会」も設立されました。
アソシエーション・フットボールのアソシエーションとは、まさにこの協会のこと。
つまり、協会の制定したルールに従って行われるフットボールのことを、アソシエーション・フットボール(協会式フットボール)と呼ぶようになったのです。
手を使ってもよいフットボールは、ラグビーへ
アソシエーション・フットボールで制定されたルールで特徴的だったのは、「手を使ってボールを扱うことが認められない」ことでした。
現代サッカーの立場から見ると、これは当たり前すぎるルールなのですが……
実は当時はこのルールに反発する人たちもいました。
というのも、協会がルールを設定する以前の「フットボール」では、手を使ってボールを扱うことも認められていたからです。
そうした人たちは協会に反発してラグビーフットボール・ユニオンを設立しました。
こうして、元々の「フットボール」が、アソシエーション・フットボール(サッカー)とラグビー・フットボールとに分かれたのです。
アソシエーション・フットボールがフットボールの主流に
これはもうシンプルで、アソシエーション・フットボールの方が主流になったからです。
フットボールと言えばアソシエーション・フットボールのことを指す、というのが常識的となり、それが多くの国に広まりました。
「アソシエーション・フットボール」の略語である「サッカー」も、当然使われなくなっていったのですが…… しかし、すべての国でそうなったわけではありませんでした。
これも既に書きましたが、アメリカのように「フットボールと言えば、アメリカン・フットボール」という国では、依然として「サッカー」という単語は使われ続けたのです。
これが、同じ競技にもかかわらず「フットボール」と呼ばれたり、「サッカー」と呼ばれたりしている理由です。
「サッカー」の国、「フットボール」の国
「サッカー」を使っている主な国と、「フットボール」を使っている主な国は次の通り。
- アメリカ
- カナダ
- 日本
- 韓国
- オーストラリア
- ニュージーランド
サッカーを使っている国は、やはりアメリカの影響が強い国が多いですね。
オーストラリアとニュージーランドはイギリス系のはずなので、ちょっと毛色が違いますが。
- イングランド
- スペイン
- ドイツ
- フランス
- ポルトガル
- ブラジル
- アルゼンチン
こちらは欧州と南米の強豪国がずらり。
これを見ると、やはり「サッカー」ではなく「フットボール」が主流なんだな、とわかりますね。
なお、欧州4大リーグのうち、イングランド、スペイン、ドイツの3つは「フットボール」なのですが、イタリアだけは違っています。
※関連記事です。
サッカーでもフットボールでもないイタリア
イタリアはこのスポーツを、「サッカー」でも「フットボール」でもなく「カルチョ(calcio)」と呼んでいます。
イタリアにも、イングランドのように現代のサッカー(フットボール)の原型となった競技があり、その競技の名前が「カルチョ」でした。
日本では、「イタリアのサッカー」という意味でしばしばこの言葉は使われます。
まとめ:「フットボール」「サッカー」、どちらも正しい
日本で「フットボール」ではなく「サッカー」の方が普及している理由は、諸説あって正確なところはわかっていません。
日本サッカー協会は「フットボール」「サッカー」、どちらも正しい、という見解を示しています。
フットボールとサッカー、どちらが正しいの?
どちらも正しいです。現在、国際サッカー連盟(FIFA)には208の国と地域(2011年10月1日現在)のサッカー協会が加盟していますが、「サッカー」を協会名につけているのは、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、バージン諸島など少数ではあります。
日本語では「サッカー」が一般的で、協会も日本語表記では「日本サッカー協会」と”サッカー”を使用していますが、英語表記では、「Japan Football Association」と、”フットボール”を使っています。
要するに、
ってことですね。
今回は、以上です。