こんにちは、早起きラガードです。
開幕初年度からJリーグを追いかけています。
2018年から、J1リーグの降格に関するレギュレーションは次のようになっています。
15位 | 無条件で残留 |
---|---|
16位 | J1参入プレーオフに参加 |
17位 | 自動降格 |
上記の通り、たった一つの順位差でありながら、運命の大きく分かれるJ1の15位、16位、17位。
それぞれの順位に落ち着いたクラブにどんな特徴があったのかを、シーズンごとに見ていきます。
本記事はその8回目。取り上げるのは2012年です。
前回はこちら。
2012年の15位から17位のクラブには、次のような特徴がありました。
- 15位 安定的に勝ち点を獲得し、好調期にはしっかり稼ぐ
- 16位 中盤までは余裕で残留できるペース、後半失速し持ち直せず
- 17位 不調だった前半のわずかな差に泣く
詳しく見ていきます。
2012年のJ1残留争い
レギュレーション
16位 | 自動降格 |
---|---|
17位 | 自動降格 |
18位 | 自動降格 |
降格にかかわるレギュレーションに、前年からの変更はありませんでした。
※当時のレギュレーションでは16位と17位に違いはありませんが、現在のレギュレーションでは違うので、本記事では差があるものとして扱います。
2012年J1の結果
順位 | クラブ | 勝ち点 |
15位 | 新潟 | 40 |
16位 | 神戸 | 39 |
17位 | G大阪 | 38 |
この年の15位、16位、17位はいずれも勝ち点1ずつしか差がありませんでした。
目を引くのは、17位G大坂ですね。
2010年のFC東京、2011年の浦和と、ここ数年は、あまり残留争いで見かけないクラブの参戦が続いています
残留に成功したクラブ・失敗したクラブの状況は?
15位新潟
16位と17位の間をさまよっていた期間の長い、2012年の新潟。
しかし、勝ち点の積み上げ方は意外なほど堅実です。
序盤の5試合を除いたすべての期間で、勝ち点4以上を獲得。
16-20試合目と31-34試合目には、きっちり高めの勝ち点も稼いでいます。
安定的に勝ち点を獲得し、好調期にはしっかり稼ぐ。
優等生的な勝ち点の積み上げ方です。
順位にだけ目を向けていると、最後にぽっと15位に浮上しているようにも見えますが、決してそんなことはありません。
残留すべくして、残留したクラブと言ってよいでしょう。
最終的な勝ち点も40に到達しており、15位という成績は極めて妥当です。
これで降格していたら、そちらの方が驚きです。
2012年の新潟は、安定的に勝ち点を獲得し、好調期にはしっかり稼ぐクラブでした。
16位神戸
首位から始まり、何度か停滞期を挟んで右肩下がりを続け、最後は16位に落ち着いた2012年の神戸。
何となく予想される後半の失速は数字にも表れていて、後半17試合は、前半の6割弱の勝ち点しか獲得できていません。
5試合ごとの獲得勝ち点を見ると、失速した時期がさらによくわかります。
26-30試合目以降、獲得勝ち点が大きく減少。
それ以前は悪いときでも勝ち点5と、安定して高めの勝ち点を積み上げることができていました。
このペースなら、残留は余裕でした。
しかし26-30試合目で急にペースダウン。続く31-34試合目でも持ち直すことができませんでした。
15位新潟との勝ち点差はわずかに1ですから、この終盤での失速と、そこから持ち直すことができなかったことが大きく響きました。
2012年の神戸は「中盤までは余裕で残留できるペース、後半失速し持ち直せず」で、残留に失敗しました。
それでも勝ち点39は獲得できていますから、これで降格は、なかなか厳しい結果です。
2012年は、残留争いのレベルが高かったのかもしれません。
17位G大阪
残留争いに顔を出すことのあまりないG大阪ですが、2012年は違いました。
順位は、ほぼすべての期間で16位前後で推移。
23、24試合目で一時的に15位に浮上したことはあったものの、基本的には(当時の降格圏である)16位以下から抜け出すことができていません。
ただ、ではまったく勝ち点が獲得できていなかったかというとそういうわけでもなく、序盤の5試合を除くと、安定して勝ち点を稼いではいました。
勝ち点7以上の高めの勝ち点を稼いだ柱の期間もしっかり作っています。
最大値が8と、勝ち点9の柱を立てている15位新潟、16位神戸と比較すると高さは若干劣りますが、その分回数では上回っている (新潟、神戸の2回に対して、G大阪は3回) 。
17位らしくない17位です。
それでも付いたわずかな差は、不調な時期に稼いだ勝ち点によるものでした。17試合で獲得した勝ち点を見ると、それがわかります。
G大阪が好調だったのは、後半17試合。勝ち点25を獲得しています。
ここは、15位新潟、16位神戸の好調期と遜色ありません。わずかにG大坂の方が、上回っているくらいです。
一方不調だった前半はというと、G大阪の13に対して、新潟は16、神戸が15。
こちらの方で、大きく差が付きました。
大きいと言っても、新潟とは3差、神戸とは2差ですが、最終的に勝ち点1の争いになりましたから、この差は無視できません。
前半17試合でもう少し勝ち点を獲得できていれば、特に1分4敗だった序盤5試合で、せめてあと2試合負けを引き分けに変えることができていれば、この年のG大阪は十分残留は可能でした。
2012年のG大阪は「不調だった前半のわずかな差に泣いた」クラブでした。
まとめ:僅差の戦いも、安定感が明暗を分ける
2012年のJ1 15位、16位、17位には次のような特徴がありました。
- 15位 新潟 安定的に勝ち点を獲得し、好調期にはしっかり稼ぐ
- 16位 神戸 中盤までは余裕で残留できるペース、後半失速し持ち直せず
- 17位 G大阪 不調だった前半のわずかな差に泣く
2012年の残留争いは、勝ち点1を争う戦いとなりました。
加えて、勝ち点38でも17位に沈むというレベルの高さです
今回取り上げた3クラブに、力の差はほとんどなかったと思います。事実、好調な時期に獲得した勝ち点はほとんど同じ。
運命を分けたのは、不調な時期にどれだけ勝ち点を獲得できたか。言い換えるなら、どれだけ出血を抑えることができたか、でした。
この傾向は、これまでにも何度か登場していますね。
残留に成功した新潟は、その点で他の2クラブをわずかに上回っていました。
今回は、以上です。