サッカーにおいて、世界の最高峰に位置するのはヨーロッパ。
全世界から、有力な選手が集まります。
日本人選手も、代表クラスの選手はほとんどがヨーロッパ組ですよね。
そのヨーロッパの中でも、特にレベルが高いのが次の4つのリーグ。
今回は、このヨーロッパ4大リーグの中でも、ラ・リーガと並んで最上位に位置するプレミアリーグ(イングランド)について紹介します。
4大リーグにリーグアン(フランス)を追加して、欧州5大リーグと呼ぶこともあります。
プレミアリーグ(イングランド)とは
プレミアリーグ(イングランド)とは、イングランド1部リーグのことです。
Jリーグでいうところの、J1リーグに相当します。
注意が必要なのは、「イギリス」ではなく「イングランド」の1部リーグであるというところです。
プレミアリーグは、「イギリスの1部リーグ」ではないのですね。
「イギリス」ではなく「イングランド」のサッカーリーグ
ここで少し地理の話になりますが、イギリスは、ご存じの通り次の4つの地域からなっています。
- イングランド
- ウェールズ
- スコットランド
- 北アイルランド
そしてサッカーの世界では、この4つの地域がそれぞれのサッカー協会とリーグを持っています。
[icon class=icon-check]「イギリス」の1部リーグ
地域 | リーグ |
---|---|
イングランド | プレミアリーグ |
ウェールズ | ウェルシュ・プレミアリーグ |
スコットランド | スコティッシュ・プレミアシップ |
北アイルランド | NIFLプレミアシップ |
「プレミアリーグは、イギリスの1部リーグではない」と、先ほどご紹介しました。
正確には、「イギリスの1部リーグの1つ」ではあります。
しかしながら、イギリス全体の1部リーグ、というわけではありません。
あくまで、イギリスの一地域である「イングランドの1部リーグ」になります。
イングランド以外の地域からの参加クラブもある
プレミアリーグは、イングランドの1部リーグです。
しかしながら、参加資格があるのはイングランドのクラブだけではありません。
実際、過去には次の2クラブがイングランド以外からプレミアリーグの参加経験があります。
- カーディフ・シティFC
- スウォンジー・シティAFC
この2クラブは、ウェールズに本拠地を置くクラブです。
しかしながらイングランドのサッカーリーグに参加しており、2010年代にはプレミアリーグへの昇格も果たしました。
その後、降格してしまったので、2021-22シーズンは、両クラブとも2部リーグに相当するEFLチャンピオンシップで戦っていますが、再び昇格してプレミアリーグで戦う可能性は十分あります。
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プレミアリーグの大会方式
参加クラブは20
プレミアリーグの定員は、20クラブ。
J1リーグが18クラブ(2021シーズンのみ、コロナ禍の特例で20)ですから、少し多く見えるかもしれませんが、他のヨーロッパ4大リーグの国々と比較すると、特別多いというわけでもありません。
- スペイン:20
- ドイツ :18
- イタリア:20
ドイツ(ブンデスリーガ)以外は20クラブですから、むしろ多数派ですね。
開催時期
プレミアリーグは、いわゆる秋春制が採用されています。
秋春制というのは、秋にシーズンが始まって春に終わる、という開催方式で、具体的な開催期間は、
8月から翌年の5月
となります(8月は秋じゃなくて、真夏ですけどね)。
シーズンの表記が、「2021-22」のように年をまたいだ形になるのはこのためです。
なお、この秋春制、ヨーロッパでは一般的で、他のヨーロッパ4大リーグも同じ方式が採用されています。
一方、Jリーグで採用されているのは、これとは違う「春秋制」。
「2月末~3月に開幕して、12月に終了」という開催期間なので、年またぎは発生しません。
プレミアリーグの昇格と降格
イングランドのサッカーリーグは、次のような階層構造になっています。
プレミアリーグは、最上位リーグ。このため、プレミアリーグからの昇格というものは存在しません。
一方、プレミアリーグから、EFLチャンピオンシップ(2部相当)への降格は存在します。
降格枠は3。
すなわち、
シーズン終了時点の下位3クラブ(18~20位)
が、EFLチャンピオンシップに降格することになります。
EFLとは、イングリッシュ・フットボールリーグのことです。
EFLとプレミアリーグは、本来は別のサッカーリーグで、元々イングランドのサッカーリーグと言えば、EFLのことでした。
ところが、1992年にEFL1部(当時の名称はEFLディビジョン1)に所属していた全クラブがEFLから離脱。
新しいリーグを、創設しました。
このとき誕生したのが、プレミアリーグです。
この結果、プレミアリーグがイングランドにおける1部リーグとなり、それまで1部リーグだったEFLディビジョン1(現在のEFLチャンピオンシップ)以下のリーグが、1つずつ繰り下がることになりました。
違うリーグなのに、プレミアリーグとEFLチャンピオンシップの間で昇格・降格があるのは、両リーグ間で合意があるためです。
ヨーロッパの大会への出場
シーズン終了時点での順位が1位から4位までのプレミアリーグのクラブには、
UEFAチャンピオンズリーグ本大会の出場権
が与えられます。
なお、UEFAチャンピオンズリーグ本大会の出場枠4は、スペイン、ドイツ、イタリア(つまり、他の4大リーグの国々)と並んで最多です。
また、5位のクラブには、
UEFAヨーロッパリーグ本大会の出場権
が与えられます。
UEFAヨーロッパリーグ出場権は、プレミアリーグ5位の他にFAカップ優勝チームにも与えられます。
プレミアリーグの外国人枠
プレミアリーグに、外国人枠は存在しません。
ただ、では誰でも自由に出場できるのかというと、そういうわけではなく、
- ホーム・グロウン・ルール
- 労働許可証
という2つの制限が存在しています。
ホーム・グロウン・ルール
ホーム・グロウン・ルールとは、簡単に言うと、
国内で育成した選手を、一定人数以上チームに加えなさい
というルールのことです。
ここでいう国内とは
- イングランド
- ウェールズ
どちらかのことで、この2地域で育成された選手であれば、国籍は問われません。
労働許可証
もう1つの制限である労働許可証は、プレミアリーグの規定ではなく、イギリスの法律による制限です。
イギリスで働く外国人(EUもしくはEFTA加盟国以外の国籍を持つ者)は、この労働許可証を取得することが定められています。
この法律についてはサッカー選手も同様で、労働許可証が取得できない限り、プレミアリーグの試合に出場することはできません。
プレミアリーグの特徴
プレミアリーグには、他のヨーロッパ4大リーグと比較して、クラブの力が拮抗しているという特徴があります。
プレミアリーグ以外の3つのリーグは、1強もしくは2強状態で、優勝するクラブがほぼ限られてしまっているのですね。
2010年から2021年の間に優勝経験のあるクラブを見てみると、その傾向はよくわかります。
[icon class=icon-check]スペイン(ラ・リーガ)
クラブ | 優勝回数 |
---|---|
バルセロナ | 6回 |
レアル・マドリード | 3回 |
アトレティコ・マドリード | 2回 |
スペインで2010年代に優勝経験があるクラブは3つですが、事実上バルセロナ、レアルマドリードの2強状態です。
ただ、対抗がある分、スペインはまだいい方で、ドイツとイタリアは、それすらほぼありません。
[icon class=icon-check] ドイツ(ブンデスリーガ)
クラブ | 優勝回数 |
---|---|
バイエルン・ミュンヘン | 9回 |
ボルシア・ドルトムント | 2回 |
[icon class=icon-check] イタリア(セリエA)
クラブ | 優勝回数 |
---|---|
ユヴェントス | 9回 |
ACミラン | 1回 |
インテル・ミラノ | 1回 |
ドイツは、バイエルン・ミュンヘン、イタリアはユヴェントスの1強状態。
バイエルンは2012-13シーズンか9連覇、ユヴェントスは2011-12シーズンから9連覇しています(2021-22シーズンは、インテルが優勝)。
このように、イングランド以外の4大リーグでは、優勝するクラブがほぼ限られてしまっています。
しかし、同じ欧州4大リーグでもイングランド(プレミアリーグ)は少し事情が異なります。
[icon class=icon-check] イングランド(プレミアリーグ)
クラブ | 優勝回数 |
---|---|
マンチェスター・シティ | 5回 |
マンチェスター・ユナイテッド | 2回 |
チェルシー | 2回 |
レスター | 1回 |
リヴァプール | 1回 |
上記の通りで、5クラブに優勝経験があります。
マンチェスター・シティが5回とやや多めではあるものの、マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーも2回ずつ優勝していますので、シティだけが飛び抜けている、というほどではありません。
また、プレミアリーグには「ビッグ6」と呼ばれる6つの強豪クラブがあるのですが、そこに当てはまらないレスターにも優勝経験があります。
- リバプール
- マンチェスター・シティ
- マンチェスター・ユナイテッド
- チェルシー
- トッテナム・ホットスパー
- アーセナル
プレミアリーグはそれだけクラブの力が拮抗しており、強豪クラブでも容易に勝てるリーグではないのです。
しかし、裏を返すとそれは、観戦する側に、
- 見ごたえのある試合が多い
- どこが優勝するかわからない
という楽しみを与えてくれるリーグである、ということでもあります。
「ヨーロッパ4大リーグに興味があって、どれか1つを見てみたいんだけど」
と悩んだときには、
プレミアリーグ(イングランド)がおすすめ
です。
プレミアリーグの放送・配信
プレミアリーグ(イングランド)は、
DAZNで全試合独占配信
しています。
中継はもちろんLIVEですが、「見逃し配信」にも対応しているので、1週間程度であれば後から観戦することもできます。
DAZN以外(地上波やBS・CS)での試合中継はありません。
プレミアリーグを見たいなら、DAZN一択ということになります。
まとめ:プレミアリーグとは
本記事では、ヨーロッパ4大リーグの1つであるプレミアリーグについて、紹介しました。
プレミアリーグは、イングランドの1部リーグです。
参加クラブは20。毎年下位3クラブが、2部リーグであるEFLチャンピオンシップに降格します。
クラブ間の力が他の4大リーグと比較して拮抗しているのが特徴で、強豪クラブが6つも存在しています(ビッグ6)。
その上、2010年代には、そのビッグ6以外のクラブの優勝もありました。
クラブ間の力が拮抗しているということは、見ごたえのある対戦カードが多い、ということでもあります。
また、どこが優勝するかわからないという楽しみもあるので、欧州4大リーグのどれかを観戦したい、と考えている場合は、プレミアリーグがおすすめ。
プレミアリーグ中継を見るには、独占放映権を持っているDAZNとの契約が必要になります。
今回は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。